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尾崎放哉 孤高の詩

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尾崎放哉(ほうさい)は明治時代後半当時の超エリートでした。

一高、東大から一流企業へ就職し、結婚して出世街道を突き進んだ彼は、現在の我々にとっても理想的な人生の一典型であります。しかしある時から彼はその道を自ら逸脱し、妻とも別れて病に冒されながら孤独な世捨人のような生き方をすることになります。
 彼をそうさせたものは何なのか。彼の日記や書簡、そして成書の数々には様々にその理由が垣間見えます。

私は、彼があまりにも純粋過ぎ、そしてあまりにも周りよりも秀でていたために、世の垢にまみれることに堪えられなかったのだと思うのです。

それを「心が練れていない」、「大人になりきれていない」と責めるのは簡単です。しかし、世の不条理に疑問を持つことなく、諦めて同化することが「世慣れる」ことであるならば、それは果たして他者を批判するに足る立派な生き方と言えるのでしょうか。

敢えて『孤高の詩(うた)』という副題を付したのも、放哉の「水晶のように透き通った哀しみ」に満ちた俳句が、そういう周りとかけ離れた知性と感性から生み出されたのであろうという思いからのものです。我々は彼の俳句によって、ある時には深い孤独をえぐられるような痛みを感じるかもしれませんし、またある時は限りない癒しの感覚を得られることもあるでしょう。

もちろん私の見方が唯一のものではありません。これからご紹介していく俳句から皆様も彼の心を汲み取ってみてはいかがでしょうか。


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