1996年3月 
上高地クロスカントリースキーツアー


      我々を出迎えてくれた日本カモシカ(JPEG 44KB)

      穂高連峰と梓川(JPEG 37KB)

      河童橋(JPEG 46KB)

      河童橋より焼岳を望む(JPEG 28KB)

      梓川対岸(JPEG 48KB)

 上高地クロスカントリースキーツアー

 日時:96年3月23日

 コース:坂巻温泉〜中ノ湯〜大正池ホテル〜河童橋〜田代橋〜大正池〜坂巻温泉
     (坂巻温泉〜大正池間は歩き)

 メンバー:2人


 3月23日(土) 快晴 

  6:30 坂巻温泉

       前日、坂巻温泉に一泊し、5時起床、6時出発が30分遅れとなり
       まず、ザックに板を取り付け、国道158号線の舗装道路のトンネ
       ルを歩き始める。
       クロスカントリーといっても、テレマーク用の板でのツアーである。
       中ノ湯までは、舗装道路の歩きで、道路に雪はまったく無い。
       2つ目のトンネルを過ぎたあたりで、左側の河川脇からもうもうと
       煙がたっており、過去の爆発事故が記憶に新しいため、ちょっと嫌
       な感じである。
       中ノ湯に近くなった所で、今度は右側の雪のついた山裾に日本カモ
       シカがいた。こっちをにらみつけているようなので、思わずシャッ
       ターを切ってしまった。
       

  7:10 中ノ湯  

       ここが、釜トンネルの入り口である。
       右側の沢筋が雪崩そうだったので、さっそくトンネルに入る。 
       中は工事中なのかランプが灯っており、かつ、マットが風避けに張
       ってあるため、トンネル内は凍結していなかった。
       急勾配のトンネルを抜けると、スノーシェードが続き、ここは、所
       どころ凍結している所があり、注意が必要だ。
       どうやら用意したアイゼンは必要無いなと思いながら、スノーシェ
       ードを抜けると、なんとこの先除雪が始まっているのだ。また、完
       全な除雪でなく、道路一面に青く光った氷が残っているのだ。
       ここはスキーで登るのは、無理があるので、アイゼンを装着し、バ
       リバリと登った。
       除雪はまだやっていないという情報を入手し、来たのだが、これで
       は先行きが不安になった。スキーをデポして行こうかと考えてくら
       いである。
       そこで、下山してくる登山者にこの先の状況を聞いたところ、大正
       池から先はまだ除雪はしていないのとの事で、まず一安心。
       
       大正池の東電取水口あたりで、除雪車を発見。ちょっとまったと言
       いたいくらいだが、がんがん除雪をしている。
       仕事の邪魔をしては悪いので、除雪車の脇を通り除雪の最終地点に
       来ると、今度は3m位の雪壁で登るのが大変そうである。
       後ろを振り向き、除雪車のおじさんと目があった。どけという合図
       である。
       なにをするのかなと見ていたら、雪壁を斜めに崩してくれて登りや
       すくしてくれた。ありがとうのひと声でやっと雪の上に立てた。

       ところが、今度は50m程先が行き止まりになっている。良く見て
       みると右側の沢からの雪崩のあとがデブリとなっているのだ。
       このあたりは左側が大正池にすぱっと切れており、あまり左側を歩
       くと危険である。
       デブリを乗り越え大正池ホテル前に着いた。
       ここで、遅い朝食をとることにした。


  8:40 大正池ホテル前(9:30出発)

       朝食後、板に登行用のユニバーサルクリスタを塗る。これは登り用
       のワックスで、糊みたいにべとべとしており、雪質、温度によって
       種類があり、雪にマッチした時は最高のグリップを得ることができ
       る。またワックスの選択を間違った時は、板の裏が雪のダンゴにな
       ったり、効かなかったりで最悪である。
       今回は春の湿雪用を使用し、まあまあの感じである。
       この先は、それ程の勾配はなく、ほとんど平坦である。
       ほど良いくらいに進むと前方に真っ白な穂高連峰が目に入り、帝国
       ホテル脇を通りすぎると、バスターミナルはすぐである。
       この先の河童橋で記念撮影、穂高連峰は間近にせまり、雪の量に比
       べ新緑の進み具合が早い感じがした。
       河童橋の階段は雪で埋り、板を履いたまま雪で半分覆われた橋を渡
       る。


 10:30 河童橋

       それにしても静かな上高地である。夏のシーズン中の騒がしさが嘘
       のようである。
       明神まで足を伸ばそうかなとも思ったが、今日中に東京へ帰らなけ
       ればならないため帰途についた。
       梓川対岸をウエストン広場へ向かい、田代橋を渡り、大正池へ向か
       った。
       ここでテントを張っているグループがいて、ちょっと羨ましい感じ
       を受け、大正池ホテル前に戻った。


 12:30 大正池ホテル前

       なにか、ドカンドカンという音がするので変だと思ったら、除雪車
       がもうそこまでせまっており、除雪した雪を大正池へ捨てる時の音
       であった。
       ここからつぼ足での帰途となり、またもや除雪最終地点の雪壁にぶ
       ちあたり、今度はなんとかして降りなければならない。
       さき程までいた除雪車はどこかへ行ってしまって見当たらない。
       そうこうしている内にまた除雪車がやってきて、今度は雪で階段を
       作ってくれて降りやすくしてくれた。
       この時季の登山者は仕事の邪魔になって嫌がられるかもしれない。
       明日はどこまで除雪が進むだろう。今日がクロカンができる最後の
       日だったかもしれない。
    
       朝食が遅かったせいか、1時過ぎに昼食のおにぎりを歩きながら食
       べ、釜トンネルを下り、中ノ湯で余ったビールを飲み、坂巻温泉に
       着いた。

 14:30 坂巻温泉

       思ったより歩いた時間が多かったせいか、温泉に入った時の気分は
       最高である。
       焼岳に登った人たちと山の話で盛り上がり、長風呂をしてしまった。


 今回は天候に恵まれ、春の日差しが暑いくらいでした。
 今度は冬に訪れてみたいものです。

       

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