日時:96年5月3日、4日 コース:浄土平〜酸ヶ平〜前大巓〜鎌沼〜蓬来山〜浄土平 5月3日(金) 晴れ 北西の風かなり強い 10:00 浄土平 前日の23時に東京を出発し、早くも東北道の大渋滞にはまり、 浄土平に着いたのは6時を回っていた。 途中、高速のパーキングで1時間位の仮眠を取ったが、まだ眠い ため、浄土平の駐車場で再度の仮眠を取る。 目が覚めるともう9時を回っており、さっそく準備に取りかかる。 今回、私はテレマークスキーで、もう一人はゲレンデ用スキーに セキュラフィックスを取り付け歩行可能にしたもので、それぞれ シールを装着し、登山開始。 10:30 浄土平から蓬来山の東側の沢(積雪が多く、沢という感じはしな い)を登り、ちょっとした急斜面のとりかかる所から、風が強く なる。上から下りてくる登山者に話を聞くと、上部は30m以上 の風が吹いており、じっとしていられない状態だと言う。 我々も、だんだんそれを実感し、ストックで後ろをしっかり押さ えていないと、後ろにつんのめりそうになる。 また、時おり来る突風と一緒に、小さな氷の粒が顔を襲い、前を 向いていられない状態である。 11:00 蓬来山コル あまりにも風が強いので、酸ヶ平手前のちょっとした岩陰で休憩 とする。この先、前大巓が見えるが人影はなく、下山する人がほ とんどである。 きっと午後になれば、風が緩むという勝手な思い込みで、30分 位待機したが、いっこうにおさまらない。 このあたりは風が強いということは聞いていたが、今日はあまり にもひどすぎる。今日は敗退することにした。 12:00 浄土平の駐車場まで一気に滑りおり、ランチタイムとする。 約1km強の滑降であった。 ここでも車がゴウゴウ揺れる程の強風であった。 今日は、この近くの兎平でスノーキャンプを予定しており、偵察 に行ったが、ここも風が強く安眠を妨害する恐れを感じ、車で里 に降り、小野川湖畔でキャンプすることにした。 5月4日(土) 晴れ 9:20 浄土平 今日は、西大巓から西吾妻山へのツアーも考えたが、昨日の敗退 が解せないので、再度、浄土平へ向かった。 徹夜での運転のせいか寝坊をし、登山開始が9時を回ってしまっ た。 どうやら昨日の風は止んだらしく、快適なシール登行である。 10:10 酸ヶ平避難小屋 前大巓と一切経山の間のピークの斜面を滑りたかったが、前大巓 へ向かった。後で気がついたが前大巓は西側の展望は悪く、まず、 このピークに登り、360度の展望を満喫してから前大巓に登る のが通だそうです。 途中、左手に見える鎌沼は、氷が割れかけてエメラルドブルーに 光る水面が、なんとなく自然の神秘さを感じられた。 前大巓へは夏道が無く、雪解け後は訪れる人も少ないだろう。 11:00 前大巓山頂(1911m) ここで、シールを外し、ビールで乾杯である。 山頂はだれもいなかったが、京都クロスカントリークラブの3人 パーティが登ってきた。30分程居座ったが、これだけである。 なんと静かなゴールデンウィークなんだろう。 ここから、鎌沼へ向かっての滑降である。 程よいザラメ雪が、ヘタなテレマークターンをサポートしてくれ た。昨日のモナカ雪には苦労させられた。 12:00 鎌沼 ここから、鎌沼の西側をまき姥ヶ原へ向かう。 途中、鎌沼の北西側の出っ張ったところが雪原だったので、恐る 恐る渡ってしまった。 12:20 姥ヶ原 一部、木道が出ているため、スキー板をはずし歩きとなる。 ここからコースを東よりに取り、蓬来山へ登る。 蓬来山上部の急斜面に、横20m位の亀裂があり、嫌な予感がし たので、これを避けて浄土平まで滑り降りた。 12:40 浄土平 4月の下旬に磐梯吾妻スカイラインが開通した後は、この浄土平付近は絶好の バックカントリースキーエリアだと思う。 XC、山スキー初心者でも十分楽しめて、犬連れで登ってくる人もいる。 この翌日は、寒気と低気圧の通過にともない、30cm程の雪が積もったそう です。この直後はベストコンディションだったかも?