【10th.Oct.'96 :Narita→Stuttgart】

いよいよ出発の日が来た.流石に緊張しているのか随分早く起きてしまった.夜中に詰めた荷物を確認し駅へ向かう.横浜9:30発の成田Expressに乗るのだ.以外に空いている車内.もちろん初めて乗る(成田には,学生の頃友達を迎えに一度だけ行ったことがあるが上野からの京成ライナーだった).

1.5Hで成田に着く.まずそこでパスポートの提示が必要だった.次にようやくチェックイン.それから円を20Kずつドイツマルクとイタリアリラに両替.何事もなく順調にことが進む.搭乗まで時間があったのでしばし空港の調査.出発ゲートに向かう.JAL407便.13:00発が約30分遅れて離陸した.飛行機には乗り慣れているのでさしたる感動もなし.前方のスクリーンに飛行高度やら巡航速度,外気温度,現地時間などのデータが表示される.アテンダントのサービスが始まる.やはり淡々とことが進む.このまま何も起こらない時間が12時間も続くかと思うと結構退屈だ.こうなると機内食への期待が否応なく増幅する. ・・・浅はかだった.所詮エコノミー.なんだか煮え切らないメニューに酷く落胆するも,”食べなくちゃ”っとばかりにぱくつく.だって,牛ヒレステーキにソバは無いよなぁ.やっぱり和食なら和食,そうじゃなきゃ完全にフレンチ,とかいうふうにコンセプト決めたほうがいいっすよ.^^;>JAL

二本用意された映画の1本目が始まる."Bird Cage"なるハリウッド1.5級の映画か.結構おもしろく見てしまう.ここで寝る機会を逸してしまう. 途中,おやつ(クロワッサンとおにぎりからチョイス.ぼくはクロワッサンを選んだ.)をいただき,また退屈な時間が過ぎる.その後,2本目の映画が始まる.タイトルは忘れたがアルパチーノが出ていたような気がする.半分は寝ていた.

あと2時間くらいでフランクフルト到着というところで,2回目の食事.今度はエビ餃子にフカヒレのあんかけという世にも奇妙なシロモノだった.でもちゃんとパンとバターはついてくる.そっちがその気なら...ってんで赤ワインをもらう.^^;やっぱり合わない.あたりまえか.^^;

さて,いよいよ着陸だ.現地時間で18:15.10日の13:00に出て,18:00に着く.地球は狭いぞ!

出国手続きをしてラゲッジを受け取り,exitへ.そこでお久しぶりのMrソーセージこと,椎野tron様に,御謁見がかなった.当日,tronちゃんは,ボンでニッポンの役人・メーカの偉いさんなどのアテンドをした帰りにフランクフルトまで迎えにきてくれたのである.嬉しい(うるうる).そして,なんと,お手製のWelcome Boardを手に待っててくれたのである.これには感激した.

もうひとりの遣欧使節,宇佐美博士は既にローマ入りしており,当日予定では21:00にフランクフルトで合流することになっていたので,約2時間の余裕があったので,tron氏とフランクフルト市街でめしでも食おうということになり車で出かける.,車はもちろんメルセデス.僕は初めて乗った.トーシロの僕にでも安定した車だなってのが助手席に乗っててもわかった.市内をぐるぐる回ってパーキングを探すもドイツはとにかく夜が早い.時間的に厳しかった. 従って路上駐車がいっぱいで入り込む空きもなかった.あきらめて空港に戻ることにした.フランクフルト市内にはやはり当たり前だが歓楽街があった. いわゆる風俗なんだが,どこもかしこも”EROS CENTER”と看板を掲げている.^^;その前には数人の男達がたむろしている.うーむ,でも通りを歩く人の数はまばらなんだよなぁー.どうしても不景気な感じがしてしまう.実際景気は良くないとは思うが..みんなおうちでくつろぐ時間なのかもしれない.外国事情に疎い僕はどうしても東京都比べてしまうが,もしかしたら東京がクレイジーなのかもしれないと思うことにした.

空港に戻って,僕のリクエストで,極めてドイツ的なレストラン(ちゅーかバーっちゅーか)に入る.そこでとりあえずビールといくつかビュフェからつまみをゲットしてしばし腹ごしらえ.30分ほどで切り上げ,到着ゲートで宇佐美博士を待つことにした.

30分ほどしたところで,駆け寄ってくる謎の東洋人ひとりが視界に入る.それを待ち受ける輪をかけて変な東洋人ふたり.めでたく合流に成功だ!.宇佐美博士もWelcome Boardにゴキゲンだ!
なんだか不思議な気がした.ここは異国だよなぁ..結構すごいことになってるなぁーと.

・・・博士はローマに着いてまもない頃で研究基盤はおろか生活基盤もちゃんと整っていないにも係わらず,計画段階の”一時の勢い”による計画(計画とは言わないな^^;)を実行に移して調査団に参加してくれた.感謝.

それから高速を2時間の旅だ.さすがにメルセデス,180km出しても体感速度はそれほど感じない.それにしてもドイツの高速は暗い(照明が無いに等しい).雰囲気は常磐高速をちょっと暗くしたような感じだ.なんだか「三郷5km」なんていう看板が出てきそうな感じさえする.いや,これホント.

ちょっとうとうとしてしまった隙にシュツッツガルトの豪邸に到着.深夜に押し掛けたにも係わらず,にこやかなりっちゃんと有ちゃんのお出迎え.ありがたい.すると,ごそごそと台所からお約束のブツが...なんと,ソーセージとサラミの”レイ”(このサラミがお土産だったのだ>三鷹の人々)でのウェルカムである.これにも感動した(感動してるんだが,25時間くらい起きてる僕は笑ってない^^;).

真夜中の歓迎会ということで,さっそくドイツビールのサービス.僕は,初めてみるラベルの裏書きを(読めないくせに^^;)しばし眺めてチェック.疲れていても任務はちゃんと遂行している.今日配達されたばかりの,綺麗なブルーの皮のソファに座って,博士のローマ土産のバチチョコに喜ぶパジャマ姿のりっちゃん,乾杯もにこやかに.なぜか大見得を切るご主人様に囲まれしばし談笑^^/

そして,僕はかの有名なラブラブ地下室のベッドで寝る名誉にあずかり,博士は2階の基地のような部屋でねむりについた.豪邸の様子は明日紹介することにしよう.

こうして僕の"哀愁のヨーロッパ旅行"の第一日目はとりあえず大過無く終えることができた.神に感謝. 

ダンケ シェン!