【12th.Oct.'96 :Stuttgart2】

今朝は以外に早く起きた.9:00だ.結構朝晩は涼しい.
#寒暖の差があるので紅葉も早く,かつ美しいのだそうだ.
シャワーを浴びようとシャワールームへ.服を脱いで蛇口をひねる.最初は水だ.まぁいい,そのうちお湯が...と思ったが,一向にお湯にならない.^^;体が冷えてきた.(いかん,このままじゃ死ぬ)と思って中断.1階にいるトロン氏に「お湯が出ないんですけどぉ」と懇願する.ものごっついボイラーのある部屋へ行って点検だ.しかし,当のトロン氏自身,オペレーションを完全に把握してはいなかった.トラップだ.^^; 「マニュアルは?」と聞くと,「インストーレーションマニュアルならある」^^;

しばし格闘の末,わかったのは,時間帯の設定でセイブモードになっていたということだった.従ってこれからボイラーに火を入れて湧かすと.それからシャワーが使えると.うーむ,郷に入っては郷に従おう.それが人間としての正しい在り方だ.^^;
#実はシャワーについてはローマでも同じような事件が待ち受けていた.^^;

シャワーは後にしてとりあえずブレックファストだ.今日はみんなで一緒にたべる.天気も良くて朝の光が,東南の窓いっぱいに入ってくる.でも,光自体は秋の光で柔らかく心地よい.有ちゃんもご機嫌だ.

そしてシャワーもおっけー,準備オッケー.

お出かけの前に,ぼくは椎野家のまわりを散歩っするふりをして調査に入った.このことは博士にも内緒だ.敵を欺くにはまず味方からというのは兵法にもある定石だ.^^;;

さて,我々は宇宙一高いウルムの大聖堂に行く前にトロン氏のオフィスの調査にでかける.なるほど,一国一城の主の机はでかい.端末も2台ある. 一台はcompaq,一台はnote(IBM)だ.compaqのほうでkekにpingしてみたりしてあそぶ.とりあえずkekのサーバはちゃんと動いていることを確認した.
#なんの調査だ?>おれ,博士

ふと机の上に一瞥をくれてやると,”Farmacia”という名前の入ったInvoiceらしきものが...「へー,Farmaciaさんと取引あるんですね」と聞くと,「一番の取引先なんだよ」ですと.もしかしたら,トロン氏は石山さんと業務上知り合いかもしれない...なんて思うのは飛躍がすぎるか.^^;

オフィスを出て,近くのSPAR(ニッポンにもあるよね)に寄って明日の朝のパンを買う.このSPARもいちいちかっこいい.コンビニ然としてないところがなんかいいぞ.

さーて,一路宇宙一高いウルムの大聖堂まで約70kmのドライブだ. 途中の田園風景のすばらしいこと,村の家々の美しいこと,紅葉の見事なこと.呆然と景色を見ながら車はウルムへ急ぐ.
途中シュツッツガルト空港の手前でガソリンを入れる.セルフサービスだ.おなかいっぱいになったメルセデスに再び乗り込み,高速へ入る.
途中の標識に”Barsel”とか出てくる.そうか,ここはもう国境が近いんだなーなどと,思ったりしているうちにもうウルムだ.
#あ,忘れちゃ行けない,りっちゃんは”ボーデン湖”が好きなんだそうだ.
#語感が好きらしい.^O^/

高速を降りてウルムの街に入る.こぎれいな街である.何しろ宇宙一高い大聖堂なので街の外からも大聖堂は見える.街に入って駐車場に車を止め,大聖堂広場方向に歩く.人通りも少なく,お店はなんだか閉まってて閑散としてた.けど,落ち着いたいい街だなって思った.ドイツの街はもしかしたらどこもこんな感じなのかもしれない.

そこへ,忽然とあらわれた黒い物体.いかにも重量感があってあたかもブラックホールのように我々を引きつけているようだ.「圧倒される」とはこのことだろうか.天(神)に近づきたかった人たちの声が聞こえてきそうだ.(このあとローマのStピエトロとかシスティナとかに行ってもそう思うのだが^^;)

中に入ってみる.terrific! なんてすばらしいステンドグラスでしょう!(もうちょっといい写真があればよかった_O_) 秋の柔らかい光に命を与えるかのような色彩の妙.ディジタル写真での再現は難しいと思うが...

s さて,ちょっと敬虔な気持ちになって一端外に出る.博士は”上る”と言う.よし,行こう! と登り始めたのはいいが,途中で「やばい」と思う.こりゃ,かなり高い.あんなに高いと思っててた中段の塔が下に見えるんだぜ.そりゃ高いよぉー.人広場にいる人もあんなにちっちゃく見える!@_@怖ぇーよぉー.でも綺麗だよおー^^;
博士もずんずん行く.行くしかない.上る上る.761段.160m余.てっぺんまで登れる.しかし,てっぺんだけに異常に狭い^^;.そこにラブラブなガイジンたちが渋滞を作る.降りようにも降りられない.
そんな状況でふと,眼を下界に向けると,そこには蒼きドナウがゆっくりと這う.きっとこのラブラブ野郎どもは「ほら,あれがドナウだよ」とかドイツ語で言ってるんだろうな..などと余計な邪推をかまして降りる順番を待つ.当然登りも渋滞しているんだよね.なんか変な光景といえば変だった.やっとこさ下まで降りたら膝がガハガハ笑ってた.^o^

ウルムを後にして,シュツッツガルトに戻ることにした.途中で高速を降りて10号線にのって田舎町を通り抜けて行こうということになった. ところが,気がついたら29号線だ.このあたりで有ちゃんご機嫌がナナメになってきた.トロン氏は「パパはまちがってないよぉー.だいじょうぶだよー」と囁く.確かに間違ってはいない.方向は.ただ,ほんの少し遠回りしただけだ.ご愛敬だ.ところで有ちゃん,おなかが空いた.お歌も歌いたい.どっパパとママはジュースをあげて歌もうたってくれた.子供はおとなしいものだ.すぐにぐっすりと眠った.
#ほんとだよね>有ちゃん^^;

さて,ようやく市街地が見えてきた.シュツッツガルトの市街のすぐ手前のFellmach(フェルマッハ)という街だ.晩御飯はこの街にある,シラー通りのとあるレストランに行こうということでプログラミングされていた.
がしかし,なんだか道が難しい.そりゃそうだ,おいらがナビやってるんだもん.^^;で道行く人にトロン氏が聞いてみる.「いやー,車で行くのは難しいね」とドイツ語で応えられたらしいがさすがトロン氏,大体の位置は把握したらしい.ところが,なんとこの街では秋祭りで人手が多かったのである.移動遊園地の大きな観覧車がものすごいスピードでまわってるのが妙に怖かった.おかげで,レストランの場所はわかったものの,車が止められず,断念.「この時期,フェルマッハのシラー通りは車の駐車に困るので要注意」なんていう超マニアックな道路状況を「地球の歩き方」に投稿しようという話まで持ちあがった.
#だれも行かないって,こんなマイナーな街...とはトロン氏の弁.^^;

結局,市街にもどりとあるレストラン(店の名は失念.ね,役に立たないでしょ^^;)へ.
思い思いのメニューをオーダ.僕は,ビール,トマトスープ,ミックスグリルを頼んだ.ビールはConvictの生.このビールってば,むちゃくちゃうまかったんだから!.旨すぎて死ぬかと思った.
#昔トロンちゃんのドイツ事情ログにもあった”目盛り”もちゃんとあった.^^/ しかし,聞きしにまさる量の多さにびっくり.ポテトフライが”付け合わせ”なんだろうけど山のように盛り上がってる.こりゃ付け合わせって言わないよなぁー.^^;
#気が付いたかな? 肉の消化を助けるパイナップルもちゃんと付いてるのだ^^;
#しかし,大きいことは良いことだ.うん,きっと.たぶん.

おなかいっぱいになっておうちに帰った.車から降りてパパにご飯もらったら,もうご機嫌の有ちゃん.^^/
それから少しビールを飲んで...シュツッツガルト最後の夜は更けて行った...

ベッドに着いて明日のことを思いめぐらす.あしたはいよいよイタリアへ入るんだな...朝早く列車でアルプスを越える..そしてローマへ.全ての道はローマに通じる..なぁーんていうとそれっぽいが,実は大変な時間がかかる.普通はシュツッツガルトからミラノまで8時間,ミラノで乗り換えてローマまで5時間.合計13時間だ.まーいいか.^^; 

普通は飛行機でローマまで2時間だ.^^;;;;;;;;;

to be continued...