小学校の校庭から「二宮金次郎」がいなくなって久しい。いま日本の経済・制度において、閉塞感が広がっている。このような中、「原点に戻って、考えてみよう」の時代となっている。そこで、戦後の高度成長を心の面から支えた尊徳である。尊徳の教えに、「勤・倹・譲」がある。勤=勤労:精を出して小さな事に努めれば、大きな事は必ず出来る。倹=分度:天分を速度して己の実力を知り、応じて生活の限度を定める。譲=人の道:今日の物を明日に、今年の物を来年に、その上子孫に譲り、他人に譲るという道。
情報化は医療の仕組みを変え、また介護保険という新しい制度が導入される時代である。さらに、医療費の「適正化」という名のもとの管理型包括医療が導入されようとしている。しっかり、地に足をつけて原点を見つめ直したい。