構造主義進化論について


Q1 構造主義進化論ってなに?

 言語学から発生した構造主義を進化にあてはめようとする進化説です。
 構造主義での構造とは法則ともよべるものです。
 構造が明らかになれば進化も予測可能になります。単体の突然変異よりも、遺伝子の構造が大進化を起こすことになります。つまり、突然変異が構造によって決定されているというわけです。
 単体の突然変異は形態に影響できず、発現できない突然変異が蓄積し、構造から形態への反映がある日一斉に行われます。内部選択説の発展したものと考えてよいでしょう。
 この仮説の根拠として平行放散進化説があります。

Q2 平行放散進化説ってなに?

 オサムシのミトコンドリアDNAから、オサムシ亜属の種や亜種は別個に進化したことが明らかになりました。形態と血縁は全く関係しなかったのです。
 同じ地域では別種でも系統が近く、離れた地域では同種でも系統が遠いことがわかったのです。
 まったく同じ突然変異がまったく別の場所で発生し同じ種へ平行進化が起こったことになります。
 ただし、単なる交雑で、ミトコンドリアDNAが混合したのではないかという考えもあります。


Q3 内部選択説ってなに?
 新しい遺伝子が外界だけではなく、他の遺伝子に対しても調和的でなければならないという主張です。この場合、選択圧を受けるのは新出現の遺伝子ですが、この選択の結果、既存の遺伝子自体が新出現の遺伝子の淘汰圧となるため、互いに適応した遺伝子型を持つようになります。
 この選択に大きな影響力を持つのがホメオティック遺伝子です。


Q4 遺伝子と言語の構造の類似点ってなに?

 論理構造であることです。建築物が物理構造であるなら、会社の組織などが論理構造の例であげられるでしょう。
 他の組織にマッチングしない場合は、新しい組織機関は機能しません。組織が大きくなれば複雑になり、組織の改革はできなくなります。その組織がどのように他の組織に影響しているか、誰も判断できなくなるからです。従って、新しい機能は、新しい組織に与えられ、古い組織は、他の組織との関係がなくなるにつれ、機能しなくなっていきます。根本的な改革は、新規の組織が他の既存・新規の組織と関係がしっかりしてから、表だって活躍することになります。あたかも突然発生した組織のように外部からは見えることでしょう。
 言語とは文化という種の遺伝子の役割を背負っていますが、このページでは奥にはいることは遠慮しましょう。