おやつの時間  遺伝子をめぐる冒険


 共生、擬態、寄生、天敵、など特定の他種が必要な生物は数多くいます。
 進化の壁を突破するような、強い進化への意志を持たせるような環境は、他種にとっても過酷でしょうし、一種の進化は生態系のバランスを崩し、他種の進化を連鎖させることになります。
 したがって、進化は複数の種が同時に発生する場合が多いのです。ここに、共進化(2種以上が互いに影響し合う進化)の可能性があります。
 中央アメリカのアリとアカシアの有名な共生関係があります。テレビでもよく見ることができます。
 アカシアは、とげを膨らませて、アリの巣として提供した上に、葉にみつ線を持ち食料まで提供します。アリはアカシアを食べる動物を攻撃し、周りの植物を枯らしてしまいます。ほっときますと、このアカシアはほかのアカシアが持っているはずの防御化学物質を持っていないために昆虫の食害や、つる性植物の攻撃に枯れてしまいます。
 しかも、このアカシアの近縁の種は落葉しますのに、落葉しません。アリはアリで普通は夜行性ですのに、このアリは昼夜を問いません。
 この2種は一体となって進化してきたとしか考えられません。