古代日本とユダヤ・キリスト教

天皇家はエフライム族

古代イスラエルの「失われた10支族」の王族だったエフライム族の流れを汲む日本の天皇家

 天皇家が、古代イスラエルの「失われた10支族」の王族だったエフライム族であることは、天皇家とエフライム族の系図が一致していることからわかる。
 ラビ・マーヴィン・トケイヤーはその著『日本ユダヤ封印の古代史』(徳間書店)の中で、両者の系図を比べている。それをみると、系図の骨子が全く同じであることに驚かされる。

 天皇家は、天孫民族の父祖ニニギから生まれた子孫である。一方、エフライムは、神の選民イスラエル民族の父祖ヤコブから生まれた子孫である。
 日本神話によれば、はじめ天から降りるはずだったのはニニギではなく、別の者(オシホミミ)だった。ところが、彼が準備をしている間にニニギが生まれたので、結局彼に代わってニニギが降りることになった。ニニギは天から降りてきて、天孫民族の父祖となった。
 同様に聖書によると、はじめ神の民となるはずだったのはヤコブではなく、彼の兄(エサウ)だった。しかし結局、神の民の祝福はヤコブに引き継がれ、ヤコブがイスラエル民族の父祖となった。
 また日本神話においてニニギは、天から降りてくると、美女コノハナサクヤヒメに恋をして彼女を妻にしようとする。ところが、彼女の父はニニギに、彼女だけではなく、彼女の姉の面倒も見てやってくれという。しかし姉は醜かったので、ニニギはこの姉を父に返してしまう。
 同様に聖書によれば、ヤコブは美女ラケルに恋をして彼女を妻にしようとする。ところが彼女の父は、妹を姉より先にとつがせることはできないから姉(レア)も妻にしてやってくれと、ヤコブにいう。しかし、姉は妹のようには美しくなかったので、ヤコブはこの姉を嫌った。
 このように、ニニギとヤコブの間に対応関係が見られる。
 またニニギは、妻コノハナサクヤヒメとの間に、山幸彦(ホオリ)を生む。ところが山幸彦は、兄(海幸彦)にいじめられ、海神の国へ行く。そこで山幸彦は神秘的な力を得、田畑を凶作にして兄を悩ませるが、そののち兄の罪を赦す。
 同様に聖書においてヤコブは、妻ラケルとの間に、ヨセフを生む。ところがヨセフは兄たちにいじめられ、エジプトに行く。ヨセフはそこでエジプトの宰相の地位にまで上りつめて力を持つが、兄たちが凶作のために苦しんでエジプトにやって来たとき、彼らを助け、その罪を赦す。
 このように、山幸彦とヨセフの間に対応関係が見られる。
 また山幸彦は、海神の娘(トヨタマヒメ)をめとり、その間にウガヤフキアエズを生む。ウガヤフキアエズには4人の息子が生まれる。4人のうち、2番目と3番目の子は別の所へ行き、いなくなってしまう。4番目の息子が神武天皇で、大和の国を征服する人となる。
 神武天皇の流れを汲んでいるのが日本の皇室である。
 一方、聖書ではどうであろうか。ヨセフは、エジプトの祭司の娘をめとり、その間にマナセとエフライムを生む。このエフライムが、日本神話のウガヤフキアエズに似ている。
 というのは、エフライムには4人の息子が生まれる。4人のうち、2番目と3番目の子は早死にしてしまう。4番目の子孫としてヨシュアが生まれ、ヨシュアはイスラエル民族を率いてカナンの地(イスラエル)を征服する(I歴代誌7章20〜27節)。
 このエフライム族の流れを汲んでいるのが、イスラエル10支族の王室である。

 このように系図をみれば、ニニギとヤコブの間に、山幸彦とヨセフの間に、またウガヤフキアエズとエフライム族との間に、明確な相似関係が見られる。名称はたくみに変えられているものの、骨子は全くと言っていいほど同じである。
 つまり、わかる者にはわかるように、わからない者にはわからないようになっている。日本の神話は、もともと天皇家がヤコブ――ヨセフ――エフライムの子孫であることを示す系図だった。
 名称が変えられているのは、8世紀に記紀編纂がなされた過程で、当時の政治体制に合うように様々な神話を習合させた結果だろう。
 それでも、「ニニギ」はヘブル語の「ナ・ナギ」=「麗しい君」から来ているようだし、山幸彦の別名「ホオリ」も、ヘブル語の「ハアリ」(hari)=「山々」が語源と思われる。
 一方、神武天皇の父ウガヤフキアエズ(鵜草葺不合命)の名は、産屋がきちんと葺かれていないときに生まれたの意味とされている。だが彼は別名「ナギサタケ・ウガヤフキアエズ」ともいう。
「ナギサタケ」は、ヘブル語の「ナギ・シャタク」(nagid shatach)とすれば、「拡大する君」の意味である。拡大する君=ウガヤフキアエズが、イスラエルではエフライムにあたる。エフライムは、「実り多い」の意味である。エフライムは、実り多く、拡大していく王族だ。
 日本神話と聖書の系図は、天皇家がイスラエルのエフライム族の子孫だということを示している。

(久保有政)       

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