第4週

 

地球の歴史 プレートテクトニクス

地球の起原と地球の構造

プレートテクトニクスとプルームテクトニクス

 

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概要

地球は46億年前に誕生したといわれています。地球誕生から現在までの歴史を簡単にたどり、地球の構造と地殻の形成を学びます。現在の地殻は10数枚のプレートからなり、移動しています。これらのプレートの動きとその原因と考えられるプルームテクトニクスについて学びます。

 

課題(第4週)

「プレート移動の原動力は何か?

プレートの動きで何がどのように説明できるか」

例:次のような現象はどのように説明できるか?

・大西洋は中央部が浅く、大陸周辺に向かって次第に深くなる

・南アメリカ大陸の東側には山脈がないが、その西側には高いアンデス山脈がある

・大陸内部にあるヒマラヤ山脈は険しくて高い

・海洋プレートは薄く、若い。大陸プレートは厚く、古い

課題は欠席(公認欠席も)した場合も、教科書や本サイト、PDFファイルを参考にして、後日解答すること。出欠にかかわらず、白紙は0点。

 

参考書籍(第4週)

唐戸俊一郎著

 地球はなぜ「水の惑星」なのか 水の「起源・分布・循環」から読み解く地球史

(ブルーバックス \1,080 20170320日第1刷)

 

在田一則、竹下徹、見延庄士郎、渡部重十編著

地球惑星科学入門 2

(北海道大学出版会 \3,240 20150310日第2版第1刷 初版)

 

授業内容(第4週)

○地球の誕生

○現在の地球の構造

○地層の形成と化石記録(授業では省略)

○プレートテクトニクスとプルームテクトニクス

 

次の用語をどの程度理解しているか?

プレートテクトニクス、プルームテクトニクス

海嶺(かいれい)、海溝

アセノスフェア、リソスフェア

 

次の文章の真偽を判定せよ

火山の噴火は地球の中心にあるマグマが地表に吹き出す現象である。

 

 

○地球の誕生

原始太陽系の星雲中に形成された直径10km程度の無数の微惑星が、衝突や合体をくり返すことで原始惑星が誕生しました。

微惑星内部のガスが放出されることで原始大気ができました。

 

衝突のエネルギーと大気による保護で岩石が溶け、表面はマグマ(マグマオーシャン)でおおわれ、密度の高い鉄やニッケルは沈み、核となりました。

マグマに覆われた表面は冷えて地殻となり、水蒸気は海になりました。

 

地球の形成は一直線にできたのではありません。

微惑星が衝突する過程で、衝突エネルギーは熱エネルギーとなり岩石は加熱され、気体成分が宇宙空間に放出されました。地球のサイズが大きくなるにつれて重力も増し、気体成分は地球表面に留まるようになりました。

同時に、水も宇宙空間に放出される過程から、地球表面に留まるようになり、海の元になりました。

 

しかし、原始惑星同士の衝突は断続的に起こっているため、地表がマグマオーシャン状態になれば液体の水も蒸発してしまいます。それでも地表面は冷えてくるため、マグマオーシャンが固まって地殻となり、再び海が誕生しました。

このような天体衝突の繰り返しで徐々に地球内部や地表面が形成され、二酸化炭素を主成分とする大気となり、その一部は海に溶けました。

この原始海洋と地熱が生命誕生の場所となりました。

 

 

○現在の地球の構造

 地球の内部

地球の外周は4万kmで、半径は6400kmです。

この数字は覚えておくと様々な現象が理解しやすい。

地球内部は層構造をしており、地殻、上部マントル、下部マントル、外核、内核に分けられます。

 

地球の外周が4万kmなのは1795年、フランスで決定された長さの単位の定義 「赤道から北極までの距離を1万kmとする」 によります。

現在のメートルの定義はメートル原器により、光速に基づいて決められています。

 

地球の層構造は地震波の解析などから明らかにされました。

 

地震波はP波が先に到達し、S波が後からきます。

地震波のうちP波は地震波の進行方向と同じ方向への揺れる波で、S波は地震波の進行方向とは垂直方向に震動する波です。

地震による大きな揺れとなるのがS波です。

ちなみに、P波とS波は地震の揺れを感じる縦方向・水平方向の揺れとは関係ありません。

 

P波(縦波)は気体、液体、固体の中を伝わりますが、S波(横波)は固体の中しか伝わりません。

さらに、波を伝える物質の種類や状態により波の伝わる速さが変化します。

 

地殻:

地殻の構造は大陸と海洋で大きく異なります。大陸の地殻は30〜50kmで花崗岩質の上部地殻と玄武岩質の下部地殻に分けられます。

海洋地殻は5〜10kmと大陸地殻より薄く、ほとんどは玄武岩質です。

地球の半径から見て、地殻の厚みの割合を計算してみると、その薄さが分かります(同様のことを大気圏でみると、大気層の厚さも実感できます)。

 

マントル:

400〜700km(410〜660kmという説も)の深さにある遷移層をはさんで上部マントルと下部マントルに分けられます。

マントルは地球の体積の80%ぐらいで、固体です。

 

核:

2900km〜5100kmまでの深さに外核、その内側に内核があります。核は主に鉄からなり、ニッケルを合わせると9割を超えると考えられています。

外核は液体の鉄、内核は固体の鉄が主成分と思われます。地球誕生時は液体だった鉄が中心部から徐々に冷えることで固体化し、内核が成長したと考えられています。

 

外核はさらに2層の分かれており、それぞれ別々に対流しているという説もあります。地球の地磁気は外核にある液体鉄の対流により生じると推測されています。外核の対流が上下2層で別方向に滞留していることの発見から、磁場に対する考え方も変わってくるかもしれません。

 

 地球の内部の環境

外核は液体、地殻、マントル、内核は固体です。

圧力や温度は地球の内部に行くにしたがって高くなります。

密度も同様に内部ほど高くなりますが、核の密度はマントルより2〜3倍高くなっています。このことから、核−マントルの境界で物質の性質が大きく異なっていることが分かります。

 

マントルは地殻と同様に岩石でできています。

核は地殻やマントルと異なり、金属でできています。

外核と内核で金属の成分はほとんど同じでほとんどが鉄です。

 

 

○地層の形成と化石記録(この項目は授業では省略します)

地表面は海洋、河川などの水や大気の循環などの複合的な作用により地変化します。

 

表面は風化により岩石は砕かれ、地殻成分が化学的に変質することもあります。

水などによる浸食により岩石の欠片などが生じ、水や風の影響で運搬されることで堆積が起こります。

堆積物により地層が生じます。

 

地層断面を見ると、平行な縞模様が見えます。これが地層で、海底や川底、湖底などの堆積により形成されます。

海底ではほぼ水平に堆積します。堆積物の物性により、縞模様ができます。

物質の沈降する速さはその大きさに依存するため、粒子の大きさや種類などにより、堆積物の境界が生じます。

 

海水面の上下運動により、異なる地層ができます。

海岸線が内陸部へ移動することを海進、沖合へ移動することを海退といいます。

この移動は海水面の変動や波が堆積物を削ることなどで生じます。

通常は、海岸付近に粗い粒子、沖合に細い粒子が堆積して地層ができますが、海進や海退で重なり具合が複雑になります。

 

不整合は地殻の変動や海面の変動により生じます。

上下の地層が斜めに接する不整合を傾斜不整合といい、上下の地層が平行な不整合を平行不整合といいます。

 

水中で水平に堆積した地層が、地殻変動に夜隆起や海面低下により地上に露出すると、風化や浸食作用を受けて凹凸のある面ができます。

その後再び沈降したり堆積する環境に変わると、新しい水平な地層が堆積します。

2層の間には不整合面ができ、そのすぐ上には粗い粒子や礫などが堆積する事が多い。

 

河岸段丘と呼ばれる土地の隆起や海面の低下で生じる段丘地形が関東平野などにあります。

河岸段丘は河川に沿って片側、または両側に分布する平らな階段状の地形で、

地盤の隆起や海面の低下によって河川の運搬、浸食力が復活し、段丘が形成されます。

 

地層ができるとき、前に堆積したものの上に新しいものが重なっていきます。

このことから、地球上で過去に起こった現象の順序を知ることができます。

生物の遺骸が堆積物中に埋没し、固い組織は残りやすい。

 

過去の生物の遺骸や生活の跡が、地層の中に保存されているものを化石といいます。化石になるのは腐敗や分解しにくい貝殻や骨の部分で、まれに柔らかい組織などが化石になることもあります。

化石の中には生物の遺骸が炭酸カルシウムや二酸化ケイ素に置き換えられて石化したものもあります。

 

生物はその種類によって生活の場所が限定されていることが多いため、現在の生態と化石とを比べることで化石になった生物の当時の環境を知る手がかりになります。このような化石を示相化石といいます。

 

造礁サンゴ → 水の澄んだ暖かく浅い海にのみ繁殖

植物示相化石の組み合わせ → 当時の気候を復元

 

生物には生息期間が短く、広範囲に分布したものがいます。

その生物の化石が見つかる地層は堆積した短い期間が絞られます。

このような化石を示準化石といいます。

 

 

○大陸の生成、移動

地球表面の高度分布は2つのピークがあります。

1つは陸地(平均840m)、もう1つは海底(平均3800m)。

なぜか?

これは、プレート運動に由来します。

大陸プレートと海洋プレートは構成成分(比重なども)が異なります。

 

地球表面で見られるプレートは太陽系の中では地球固有の構造です。

 

地球の内部プレートテクトニクス

現在の地球表面は水平に動く10数枚のプレートに覆われています。

プレートは厚さ70kmから140kmぐらいの固い岩盤で、それぞれが独自の方向に動いています。

 

プレート同士はぶつかり合って、片方がもう一方の下にもぐり込んだり、押し合ったりしています。プレート同士は遠ざかったりすれ違ったりしています。

 

3種類のプレートの境界

ぶつかり合う境界、海溝 大山脈

離れていく境界、海嶺 アイスランド エチオピア(大地溝帯)

すれ違い境界、サンアンドレアス断層

 

プレートテクトニクスは地球表面が10数枚のプレートで覆われていて、そのプレートが移動することにより、火山、地震、造山運動が起きるとする考え方です。

プレートは地球表面の薄い板のようなもので、それが水平に滑るように移動しています。

 

地球内部の区分:2通りある

地球内部の区分には2通りあります。物質の違いによる区分と流動しやすさによる区分です。

物質の違いによる区分では、陸の地殻、海の地殻、マントル、核などです。

流動しやすさによる区分はリソスフェア、アセノスフェア、メソスフェア、液体の核、固体の核になります。

流動しやすさというのは、力を加えたときにどのように変形するかです。

 

リソスフェアは地殻とマントルの最上部で、温度が低く、固く、流動しにくい。

アセノスフェアはリソスフェアの下の部分で、岩石が溶けるほどの高い温度をもっています。このため、柔らかくなっており、流動しやすい。流動速度は速いところで年10cmぐらいです。

メソスフェアはアセノスフェアより下のマントル部分に相当します。

 

マントルは地震波の伝わり方で2種類あることが分かります。

温度が低くて固い部分をリソスフェア(プレート)、温度が高くて柔らかい部分をアセノスフェアといいます。

 

リソスフェア  =岩石の層

アセノスフェア=やわらかい層

 

固いリソスフェアの下に柔らかい物質でできたアセノスフェアがあるため、リソスフェアはアセノスフェアの上を滑るように移動しています。

リソスフェアには10数枚のプレートがあり、それぞれ別々に独自の方向に移動しています。

 

【・大西洋は中央部が浅く、大陸周辺に向かって次第に深くなる

・海洋プレートは薄く、若い。大陸プレートは厚く、古い

海嶺と海洋プレート 発散境界

海嶺で生まれた海洋プレートは移動し、海溝で大陸プレートの下にもぐり込み、消失します。海洋プレートの移動速度は年数cmぐらいです。

 

造山運動と海溝

プレートの動きにより、8千m級のヒマラヤ山脈から1万メートルの日本海溝まで形成し、プレートの境界などで火山が噴火し、地震を起こしています。

 

プレートの動きによる地形の形成

大陸プレートと海洋プレートがぶつかり合いと大陸プレート同士のぶつかり合いとでは、その後の動きが異なります。

ぶつかり合う境界

    大陸プレートと海洋プレート 収束境界(沈み込み帯)

    大陸プレート同士      収束境界(衝突帯)

両者の違いはなぜ生じるのか?

地球内部の性質 p54の表

 

【・アメリカ大陸の東側には山脈がないが、その西側には高いアンデス山脈がある】

収束境界(沈み込み帯) 造山運動 海溝

大陸プレートと海洋プレートがぶつかり合って、ロッキー山脈やアンデス山脈ができました。

長い時間かけて潜り込みが起こると、プレート境界の堆積物や岩石の一部が剥ぎ取られ、大陸起原と堆積物と共に大陸プレートの縁に付け加わります。これを付加体といいます。

両プレートの沈み込んだところが海溝です。

 

・大陸内部にあるヒマラヤ山脈は険しくて高い

収束境界(衝突帯) 造山運動

大陸プレート同士がぶつかり合ってヒマラヤ山脈やアルプス山脈ができました。

しゅう曲や断層など複雑な地質構造が見られます。山頂に海の生物の化石が発見されることもあります。

大陸プレート同士の衝突でも一方のプレートが他方のプレートの下にもぐり込み、両者のプレートが重なり合ったまま隆起し、大山脈が形成されたと考えられています。

 

火山の噴火と地震

プレートの移動は地形が作られる原因で、火山や地震などの現象も説明できます。

 

日本付近のプレート

日本近海には4つのプレートがあります。

そのため、地震や火山が多い。

このように多数のプレートが複雑に押し合っている場所は世界的に見ても珍しい。

 

 

プレートの動く原動力は何だろう? 第一の仮説

プレートの動きの原動力は、アセノスフェアが常に対流しているからという説があります。

アセノスフェアの対流により上昇する部分がホットプルーム、下降する部分がコールドプルームに相当します。プルームが上昇し地表面で冷えて固まった部分がプレートになります。

ホットプルームはマントルと核の境界から地表付近までつながっています。

プルームの深い部分は高温で、密度の低くなった岩石が上昇しています。

一般に熱は気体、液体、固体の順でよく伝わります。

固体の岩石からなるマントルの熱はそのままではほとんど伝わることはなく、プルームの移動にともなって地球内部の熱が地表に逃げていくといえます。

 

プレートの動く原動力は何だろう? 第二の仮説

プレートの動きの原動力は、海溝で沈み込んだプレートがそれ自身の重さで引っ張られる力に依存しているという説もあります。

海嶺で生まれた海洋プレートが冷えて重くなり、落ちようとして押し出す力も関与しています。

海溝で沈み込んだプレートは一直線に下降するわけではなく、深さ700km位の所で一度とどまり、水平に広がっています。

 

沈み込んだプレートが広がって溜まった部分をスラブといいます。

スラブはマントルと比べて重いため、いずれ地球の中心方向へ落ちます。

実際スラブはマントルの最深部まで落ちているとみられています。

この刺激により、詳しい理由は分かっていませんが、ホットプルームが出現して地表に向かって流れ、結果的にマントルの表層部分に水平な流れが生じます。

 

スラブの形成やその落下のタイミング、ホットプルームの形成理由などが解明されれば、マントルの流れがより詳しくわかるかもしれません。

スラブが溜まってから落下するまでに1千万年ぐらいかかり、ホットプルームの上昇も合わせると、マントルの対流周期は1億年ぐらいとみられています。これは過去の大陸移動からの推定です。

 

コールドプルームはプレートの沈み込み帯を出発点として形成され、アジア大陸の下部に存在します。

一方ホットプルームは南太平洋と南アフリカの2つあり、コールドプルームとは違って複雑に枝分れしていると推測されています。

 

 

第5週 第3週 表紙

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芦田嘉之 ashida@msi.biglobe.ne.jp

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