第5週

 

火山と地震の理解

マグマの生成と火山活動

プレート運動と地震

 

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概要

地球環境は安定しているようで変化しています。この項では大陸の活動からくる火山の噴火と地震について集中的に学びます。

 

課題(第5週)

「火山の噴火と地震についてどのようして起こるのか、分類しながら解説せよ」

 

参考書籍(第5週)

日本火山学会編

Q&A火山噴火127の疑問 噴火の仕組みを理解し災害に備える

(ブルーバックス \972 20150920日第1刷 初版)

 

山岡耕春著

南海トラフ地震

(岩波新書 \842 20160120日第1刷 初版)

 

授業内容(第5週)

マグマの生成と火山活動

断層運動、プレート運動と地震

 

 

○マグマの生成と火山活動

火山の噴火と災害

溶岩流: 地形によるが、比較的ゆっくり流れる。

火砕流(かさいりゅう): 高速(時速100kmを超えることも)で流れる。

詳しい説明は p190

 

噴火警報レベル

気象庁 「噴火警報・予報の対象範囲」

http://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/STOCK/kaisetsu/volinfo.html

全国110の活火山を対象として、観測・監視・評価の結果に基づき噴火警報・予報を発表

「活火山110:概ね過去1万年以内に噴火した火山及び現在活発な噴気活動のある火山」

 

活火山

気象庁「活火山とは」

http://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/STOCK/kaisetsu/katsukazan_toha/katsukazan_toha.html#katsukazan

 

火山とプレートの境界

火山は海嶺、海溝付近で帯状に分布しています。

地殻は10数枚のプレートからなり、プレートの境界と火山や地震の分布はよく一致しています。

プレートの境界付近ではその地下で起こっている現象が火山の噴火や地震につながっていると予想されます。

 

世界の火山分布

世界の火山分布はマグマの成因によって3つに分けられます。

沈み込み帯:プレートが収束する境界付近で噴火

海嶺:海嶺のように、プレートが拡大する境界付近で噴火

ホットスポット:プレート境界とは関係なく、海洋や大陸の内部に存在する火山

 

日本の火山分布

日本はプレートの収束境界(沈み込み帯)が多くあるため、火山も多い。

日本列島に沿って海溝があり、多くの火山帯があります。

 

マグマの生じる場所

マグマは地下の岩石溶融体で、沈み込み帯、海嶺、ホットスポットなどで生じます。

 

沈み込み帯の火山

プレートの沈み込み帯ではプレートの沈み込みに伴う水が作用してマグマが生じます。

沈み込み帯では地下100km以下で沈み込む海洋プレートと一緒に引きずり込まれたかんらん岩とそれに含まれる水から生じると考えられています。

 

海嶺の火山

海嶺では、マントルの上昇が起こっています。上昇した岩石の圧力は低下するため、岩石は部分的に融解し、マグマが生じます。

 

ホットスポットの火山

ホットスポットの多くはプレート境界から離れたところにあります。

 

プレート境界ではないところにも火山活動が活発なところがあります。

ハワイはその典型的な例です。

プレートは年間数cm動いていますが、ホットスポットはほとんど動きません。

そのため、ハワイ諸島などのように列になった火山が見られます。

ホットスポットにおける火山活動の年代と現在位置から、プレートの動きが推定できます。

 

ハワイ諸島と天皇海山列は折れ曲がっており、プレート運動が大きく変化したことが読み取れます。

実際、沈み込み帯の配置が換わり、プレートの動く方向が変わったと推定されています。

 

ホットスポットはホットプルームのうち地殻側につきでた部分にあり、かんらん岩が上昇しています。

地表面に移動するため、その圧力が低下することで岩石の融解が起こります。

これがマグマとなります。

ホットスポットは基本的には動かないため、その上を滑るように移動している海洋プレートに火山の噴出口が列をなすことになります。

 

マグマの上昇

液体のマグマは周囲の固体物質より軽いため、浮力によって上昇します。

周りの岩石の密度が大きく変わる地殻とマントルとの境界であるモホ不連続面でいったん留まった後、その周りの岩石が部分融解し、さらに上昇したマグマが地震の密度と釣り合う場所でマグマだまりとなります。

 

 

○断層運動、プレート運動と地震

震源と震央

地震は地下の岩石が破壊されることによって発生する対置の揺れで、岩石の破壊は断層となって現れます。

断層面上の破壊が始まった点を震源といい、震源の真上の地表の点を震央といいます。

3カ所以上の観測点から震源までの距離を初期微動継続時間から推定し、その距離から震源と震央を推定します。

 

震源:最初に地震の揺れが発生したポイント

震源域:地震の時にずれ動いた断層を囲む範囲

地震は点ではなく面で起こっています。

 

地震と震度

地震によるある地点の揺れを地震動といい、その揺れの強さを震度と言います。

マグニチュードは地震そのものの規模を表し、放出される全エネルギーの大きさを数値化したものです。

震度はかつては気象庁の専門家が感じた揺れの大きさや被害程度から階級表に当てはめることで決めていましたが、1995年の大地震で震度判定に混乱があったことから、震度計による計測に変わりました。

全国に4200台以上の計測器が設置され、増えています。

 

地震とマグニチュード

マグニチュードは地震のエネルギーを表し、その数字が1違えば約32倍に、2違えば1000倍になります。

算出方法はたくさんあり、日本では気象庁が独自に定義した気象庁マグニチュードが発表されています。

国によって異なるため、同じ地震でもマグニチュードが異なることがあります。

 

 

気象庁 「よくある質問集」 http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/faq/faq27.html

震度とマグニチュードはどう違うのですか?

震度は、ある場所での地震による揺れの強さをあらわし、マグニチュードは地震そのものの大きさをあらわします。これは電球の明るさと周りの明るさとの関係によく似ています。電球の明るさをあらわす値がマグニチュード、電球から離れたある場所の明るさが震度に相当します。つまりマグニチュードが大きくても(電球が明るくても)震源から遠いところでは震度は小さく(暗く)なります。

 

マグニチュード(M)とエネルギーの関係を教えてください。

マグニチュード(M)と地震波の形で放出されるエネルギーとの間には、標準的にはMの値が1大きくなるとエネルギーは約32倍に、Mの値が2大きくなるとエネルギーは1000倍になるという関係があります。M8の地震の1つでM7の地震約32個、M6の地震1000個分のエネルギーに相当します。

 

マグニチュードや震度は世界共通なのですか?

マグニチュードは大まかに言うと世界共通(定義としては一つ)です。ただし、使っている地震計や地震観測網が違うために、それぞれ異なるマグニチュードの値が計算され、その結果、新聞などで見る外国の地震のマグニチュードが同じ地震なのに少し違っている場合があります。

震度は、その国の建物の壊れやすさなどにより異なり、したがって国によって異なっています。日本では、0、1、2、3、4、5弱、5強、6弱、6強、7の10階級で表し、震度計で観測します。一方、外国では主にMM震度階(モディファイド・メルカリ・スケール(改正メルカリ震度階))という12階級での表現を使っています。これは体感や被害によるものです。

日本でも以前は体感による震度観測を行い、震度7の地域については事後の現地調査で決定していました。現在は、震度計により震度を観測し、速報する体制をとっています。

 

 

地震と震源の深さ

プレートの境界付近では多くの地震が起こっています。

震央が密集する帯状の地域を地震帯と言います。地震帯はプレートの境界に多い。

海洋プレートが他のプレートの下にもぐり込む環太平洋地域は

浅発地震:震源が浅い地震

深発地震:震源が深い地震

ともに多い。 海嶺では主に浅発地震がおきます。

 

深発地震は沈み込むプレートにそって面状に分布します。

 

断層の種類

地下で長年岩石に力が加わるとしゅう曲が起こり、地層が波のように曲がった構造を取ります。このように、固い岩石も長時間かかることで曲がることがあります。

さらに、岩石に力が加わることで割れ目が生じ、その割れ目に沿ってずれを生じることがあります。これを断層と言います。断層には力の加わる向きにより3種類あり、

正断層

逆断層

横ずれ断層

があります。

図のようなきれいな断層が見られるのはまれで、しゅう曲と断層が複合的に組み合わさって複雑な断層ができます。

 

プレート境界の種類

ぶつかり合う境界、       収束境界 海溝 大山脈

離れていく境界、          発散境界 海嶺

すれ違い境界、              サンアンドレアス断層

 

プレート境界と断層

ぶつかり合う境界          逆断層   海溝 大山脈

離れていく境界、        正断層   海嶺

すれ違い境界                 横ずれ断層 サンアンドレアス断層

 

地震の種類

日本で起こる地震は4種類に分けられます。

プレート境界地震

内陸地殻内地震

海洋プレート内地震

アウターライズ地震

 

地震の発生場所

地震は、プレートとプレートの界(プレート境界)で発生することが多い。

巨大な岩盤同士にかかる力により、接点の岩盤が割れたり、ずれが生じ、そこが震源となる地震が発生すると考えられています。

 

地震の種類

プレート境界地震

プレートの沈み込みに伴う力によって地震が発生します。

 

プレート境界地震(海溝型地震)

50〜200年周期で巨大地震が起こるとされています。

関東大震災の原因となった1923年の関東地震、

2003年の十勝沖地震がこのタイプです。

近い将来発生が予測されている東海地震、東南海地震、南海地震もこのタイプです。

南海地震は1946年に起こっています。

海底の地盤がずれるため、大津波が発生しやすい。

 

プレート境界地震での津波の発生。

内陸での揺れが小さくてもプレート境界が大きく滑ると

大きな津波が発生する場合があります。

 

内陸地殻内地震

海洋プレートが沈み込んで巨大な圧力をうけた大陸プレート内で起こる地震です。

上記の原因で生じた大陸プレートに断層が生じ、上下や水平に断層がずれることで地震が起こります。

同じ活断層で大地震が起こるのは数百年から数万年に1回とされています。

1995年の阪神・淡路大震災をもたらした兵庫県南部地震、2003年の新潟県中越地震はこのタイプです。

地殻表層で起こるため、マグニチュードが小さくても被害が大きくなりやすい。

都市の直下で発生すると直下型地震と言います。

 

海洋プレート内地震 スラブ内地震

もぐり込んだプレートの内部で起こる地震。スラブの上面は圧縮力がかかるため逆断層が、下面では張力がかかるため正断層が形成されやすい。

震源地は深い。

2001年の芸予地震、2003年の宮城沖地震はこのタイプです。

 

アウターライズ地震

海洋プレートが下方面に曲がろうと盛り上がった部分をアウターライズといい、ここに歪みが溜まる。プレートの盛り上がりの頂点に張力が働いて破壊が起きる。

陸地から離れた場所で起きるため、地震の揺れによる影響は小さいが、津波は大きくなりやすい。

海溝周辺の火山地帯やマグマの噴出しやすいホットスポットなどで火山活動やマグマの移動などによって起こる火山性の地震も該当します。

 

陸地から見て海溝の外側の盛り上がった地形で起こる地震。

1896年 明治三陸地震

1933年 昭和三陸沖地震

プレート境界地震

37年後

アウターライズ地震

 

プレート境界地震である

東北地方太平洋沖地震の余震の中にもアウターライズ地震があったと見られています。

今後もアウターライズ地震が発生すると予測されています。

 

地震と活断層

断層は一続きだった地層や地形が上下や左右へずれた状態で、断層面を境に別々の力がかかり地層が動いた状態です。

そのうち活断層は、今から数10万年前以降に繰り返し断層活動があり、今後も活動を継続すると考えられる断層です。

断層や活断層がある場所は、そこを震源とする地震が発生する可能性が高いことになります。

日本には2000カ所を超える活断層が見つかっており、いまだに未発見の活断層も多くあると見積もられています。

 

 

第6週 第4週 表紙

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芦田嘉之 ashida@msi.biglobe.ne.jp

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