第5週

 

生態系とバイオーム

システムとしての生態系とバイオーム

 

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概要

「生態系の破壊」「生態系のバランス」など、環境問題や食糧問題などの話題で「生態系」という用語が使われることがあります。

この「生態系」とは一体何でしょうか?

また、よく似た用語として、「バイオーム」というのがあります。

両者は何が同じで何が違うのでしょうか?

システムとして理解を目標とします。

 

 

授業内容(第5週)

○生態系、バイオームとは何か?

日常生活ではエコポイントやエコカーなど、いろんなところで「エコ」が使われます。多くの場合、エコは自然にやさしくとか節約の意味で使われ、環境保全とセットで使われるようです。このエコの元は、これから説明する生態系(エコシステム)です。その学問が生態学(エコロジー)です。

バイオームも系(システム)で、バイオームは生物群系とも言います。

 

生態系(エコシステム)とは、

「生物的環境と非生物的環境を一体としてとらえたもの」

 

バイオーム(生物群系)とは、

 「ある空間に生息するすべての生物のまとまり」 

 

 

○システムとは何か?

システム   =互いに関連する要素やサブシステムのまとまりある集合体

サブシステム=システムの構成要素がシステムのこともある

要素: 空間 機能 物質 生物

起こっていること: 要素の相互作用 秩序を保つ 時間と共に変動

システム外との入出力 開放系 物質の循環 エネルギーの流れ

 

○生態系とは何か?

「非生物的環境」としては、太陽、温度、湿度、大気、土壌、地形、気候などがあり、これらが生物的環境に「作用」したり、生物的環境から「環境形成作用」を受けたりします。

 

一般的に、生態系の生物的環境には、光合成により無機物からエネルギー源となる有機物を合成する生産者、生産者が合成した有機物を消費する消費者、生産者や消費者を無機物にまで分解する分解者がおり、それぞれの生物がさまざまな物質を消費、生産しています。

 

○生態系の種類

具体的に、どのような生態系があるのでしょうか?

陸地には大きく分けて、森林生態系、湖沼生態系、河川生態系、草原生態系、水田生態系、里山生態系、都市生態系などがあります。

それぞれ独立しているわけではなく、お互いに絡み合っています。境界もあいまいです。

 

それぞれの生態系で、生産者、消費者、分解者の役割を検討してみよう。

 

○バイオームとは何か?

バイオームの中で鍵となるのは植物群集で、ある地域の植物の育成状態を表す「植生」やその見た目の広がりである「相観」がバイオームを語る鍵になります。

バイオームは広い地域の生物群集を扱い、ある一定の気候(平均気温や年間降水量)に適応して育った植物の群系を基盤とした生物群集を地球規模でとらえ、その特徴で分類されます。

 

○システムと植生

生態系は気候や相観で分類するのではなく、対象の環境や規模などの特徴で分類します。

生態系では、特徴ある地域の生物全体を調べ、土壌や気候などの非生物的環境も合わせて分析します。

植生は個別の生態系の生物的環境の鍵にもなります。

 

○植生から見た生態系とバイオーム

生態系やバイオームは共にその基本となるのは生体エネルギー源の生産者である植物です。植物は動けないことから、それぞれの環境に強く依存し、ある程度固定化されています。

生態系は河川や湖沼などの環境に適した生物群集による食物網だけでなく、生産者、消費者などの役割に注目しながら、物質の循環やエネルギーの流れなどを総合的に見ています。生態系の規模は大小様々で、生態系は実験室の小さな水槽から地球全体まで対象とします。

 

○バイオームの種類

地球上には様々な環境があり、特にそれぞれの地域の気候に適応した生物が生きています。

バイオームは植生の相観、その中でも優占種で分類し、それぞれのバイオームに生息する動物や植物など生物全体を集団としてとらえて分析します。

 

具体的にどのようなバイオームあるのか見てみましょう。

バイオームはそれぞれの気候に適応した特徴ある生物の集まりです。

バイオームは大きく森林、草原、荒原に分類されます。

 

それぞれのバイオームに生息する個体群集の個体群は、環境に適応し、種間相互作用をもっています。

バイオームは平均気温や年間降水量といった気候の影響を強く受けるため、バイオームの種類と気候分布はほぼ同じになります。

 

森林は樹木が中心で、熱帯多雨林、照葉樹林、夏緑樹林、針葉樹林などそれぞれに特徴的な樹木で分類されます。

草原にはサバンナやステップがあり、熱帯や亜熱帯、あるいは乾燥した地域に広がっています。

荒原は植生がほとんどなく、ツンドラや砂漠などが含まれます。

 

○水圏のバイオーム

バイオームは植生が基盤となるため、陸地が対象になりがちですが、海洋や湖沼にも光合成を行う生物がおり、海洋バイオームや湖沼バイオームがあります。

地球面積の7割は海です。海は陸に近い沿岸域と陸から遠い外洋域にわけられます。沿岸域は水深が浅く、固定化された珊瑚礁や海藻などを足がかりに、多様な生物群が暮らしています。

 

○バイオームの形成

生物集団の中で、光合成を行っている植物が有機物を作り、その有機物を食べることで動物、菌類、細菌などが生きています。

これは個体群の集まりである生物群集内の種間相互作用です。

バイオームの決め手になるのは植物です。ある地域に生育する植物全体、すなわち植生が基本となります。そして、その植生を決めているのが気候です。植物は気候によりある一定の植生を作ります。

 

生物集団の中で、光合成を行っている植物が有機物を作り、その有機物を食べることで動物、菌類、細菌などが生きています。

これは個体群の集まりである生物群集内の種間相互作用です。

バイオームの決め手になるのは植物です。ある地域に生育する植物全体、すなわち植生が基本となります。そして、その植生を決めているのが気候です。植物は気候によりある一定の植生を作ります。

 

バイオームは短い期間で見るとはある程度一定しています。

しかし、長期間で見てみると、地球環境が常に変化していることにともないバイオームも常に変化しています。

地球上の生態系やバイオームを知るためには、地球そのものの歴史や現在の地球の動態も知る必要が出てきます。

 

 

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芦田嘉之 ashida@msi.biglobe.ne.jp

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