レポート課題

 

○平成19年度 後期末レポート (第28講)

 

次のテーマからひとつ選び、理解したことを500字程度にまとめよ。

(時間があれば2つ以上のテーマで書いてもよい)

「クローン技術」、「脳死移植」、「優生学」、「科学哲学」、「バイオ燃料」

 

 

○平成18年度 後期末レポート (第27講)

 

文章5から文章8は「天然」と「人工」にかんする記述を抜粋したものである。

ここで述べられていることを統括して科学的に検証し、自分の意見を述べよ。

 

「レーニンジャーの新生化学 上 第4版」(廣川書店・200610月) p56

文章5 <次のような章末問題がある。どのような解答を作るか?>

 

文章6 <自然海塩と精製塩>

「病気にならない生き方2実践編」 pp157-158 より部分的に引用

 

文章7 <黒砂糖と白砂糖>

「病気にならない生き方2実践編」 pp177-178 より部分的に引用

三好基晴著「ウソが9割健康TV」(リヨン社・2007年) pp88-89 より部分的に引用

 

文章8 <発酵法で作られる化学調味料のアミノ酸。天然菌と人工培養菌>

「ウソが9割健康TVpp113-114 より部分的に引用

「ウソが9割健康TVpp179-180 より部分的に引用

「ウソが9割健康TVpp140-142 より部分的に引用

「ウソが9割健康TVpp142-143 より部分的に引用

 

 

 

○平成16年度 後期末レポート (第26講)

 

別紙の解答用紙に自分の意見を書け。

回答スペースが足りなくなった場合は、解答用紙の裏面を使ってもよい。

問題用紙、資料等は必ず持ち帰ること。

 

  問題用紙   1枚(本紙)

  資料1−3 計5枚

  解答用紙   2枚

  合 計    8枚

 

 

問1 食の安全・安心について 遺伝子組換え食品を中心に

 

資料1(1枚)の新聞記事に引用したように、北海道は政府の安全性の検査が終わっている遺伝子組換え作物の栽培を規制する罰則付き条例の策定を計画している。

このような「条例」を検討しているのは北海道だけである(「ガイドライン」を制定している県はある)。

 

資料2(2枚)には典型的な「遺伝子組み換え」作物に反対するグループの意見を引用した。

これは、授業でも紹介した北海道の農家がすでに遺伝子組換え大豆を栽培、販売していたことに対する

意見である。

 

資料3(2枚)は一番熱心に活動している「遺伝子組み換えいらないキャンペーン運営委員会」の作成した「遺伝子組み換え入門」である。

 

資料4(4枚、紙とCD-ROMで配布済み)は中国新聞の記事で、前半の授業でも少しふれた。

 

これらの記事をまずよく読み、地方自治体、市民団体、マスコミの現状を把握せよ。

 

 1.この授業で習った基礎知識を総動員して、資料1から資料4すべてを「科学的」に検証し、地方

   自治体、市民団体、マスコミの取っている立ち位置を検証せよ。

 

 2.1.の検証と、我が国の食糧の自給率が40%を切ってから久しく回復の兆しもない現状もふまえ、

   今後、日本政府はどのように対応したらよいと思うか。

   具体的な政策をなかなか実行しない現在の内閣総理大臣や存在感の薄い農林水産相にかわって、

   遠い将来をも見越した我が国のあるべき政策を提案せよ。

 

 3.その提案をふまえて、ひとりの消費者としてどのような行動を取るべきか述べよ。

 

 

 

 

○平成15年度 後期末レポート (第29講)

 

次の二つの課題に関して、別紙に自分の意見を書け。

 

問1 安心と安全について

 

最近、BSE(狂牛病)、鳥インフルエンザ、遺伝子組換え食品など、食品にかんする騒動がおこっている。

スーパーや外食産業が揺れており、政策面でも食品の輸入禁止などで混乱している。

北海道は安全性の検査が終わっている遺伝子組換え作物の栽培を規制するガイドラインの策定を計画している。

 

いずれの問題でも、現在の日本政府は、「安全」より「安心」に重点を置いて対応している。たとえば、BSE対策として「全頭検査」を実施しているのは世界でも日本だけであり、欧米からは非科学的であると非難を受けている。日本政府は他国に同等の検査を要求しているが、当然非科学的な検査が受け入れられるはずもなく、輸入禁止が続いている。科学で対応可能な「安全」(「リスク管理」「安全性評価=危険性評価」)を評価するのではなく、「安心」のために全頭検査を実施しており、これを他国にまで押しつけようとしている。その一方で、食糧の自給率が40%を切ってから久しく、回復の兆しもない。

 

「安心」と「安全」を取り違える、あるいは区別しないことにより、議論がかみ合わないことがよく起こる。

 

そこで、食品はすべて生物であることもふまえ、この混乱した状態を打開するため、日本政府はどのように対応したらよいと思うか。内閣総理大臣になったつもりで、将来をも見越した政策を考えよ。

またその考察をふまえて、ひとりの消費者としてどのような行動を取るべきか考えよ。

 

 

問2 優生学・優生思想と出生前・着床前診断

 

DNAの二重らせん構造の発見者のひとりJ. D. ワトソンの近著「DNA」(講談社・200312月刊)の導入部分で「優生学の誕生」を取り上げている。この本の書評として、25日付の週刊文春の読書欄に評論家の立花隆氏は次のように書いている。「歴史的話題では、ナチスのユダヤ人迫害が、実はアメリカ生まれの優生学思想から生まれたという話など、驚きである」。世間では「知の巨人」と崇められている氏の認識は残念ながらこの程度である。

 

最近、着床前診断(受精卵診断)が話題になり、25日付の新聞各紙は大きく報道した(先週配布した資料参照。朝日新聞は1面トップ)。いずれも着床前診断を実施した医師に対して批判的に報道している。しかしその根拠は、学会の自主規制ルールを無視したという以外、生命倫理上問題がある、という記述のみで、なぜこの「診断」が問題なのか、記事からは全く読み取れない。

 

そこで、生命科学に詳しい気鋭の新聞記者になったつもりで、この「事件」の解説記事を書け。

 

 

 

 

○平成15年度 後期末レポート (第31講)

 

遺伝子組換え・クローン技術について、次の文章を読み、各ページ最後にある二つの課題を別紙にまとめよ。

 

○植 物

植物の場合、そのクローンの作成や正常細胞の培養が容易なことより、早くから組換え植物が開発されており、すでに多くの食材で実用化されている。

第一世代の遺伝子組換え食品としては、農作物の生産性向上に向けた品種改良を中心に開発され、実用化された。第二世代として、有用な栄養素や医薬品などをつくる品種改良がなされている。開発が成功すれば、たとえば医薬品等を低コストで途上国でも自前で植物を栽培するだけで生産できるようになるであろう。

しかし、遺伝子組換え植物に対する世間の評判はかなり悪く、残念ながら第二世代以降の実用化はまだ先である。

 

○細 菌

細菌類はその増殖力が旺盛であるに注目し、また、培養法、遺伝子導入法が多く開発されていたおかげで、早くから組換え菌体から医薬品などの有用タンパク質が生産され、すでに多くの医薬品が実用化されている。

しかし、大腸菌からは、遺伝情報に則ってアミノ酸をつなぎ合わせた、いわゆる単純タンパク質部分のみしか作ることができない。ヒトを含む動物タンパク質は、アミノ酸のポリマー部位以外に糖鎖が結合するなど翻訳後に修飾が起こっており、その翻訳後の修飾がタンパク質の機能に必須である場合がある。大腸菌には動物と同じような翻訳後修飾システムが存在しないため、そのような修飾タンパク質は大腸菌から作ることができない。そのため、動物を利用した遺伝子組換えの必要性があった。

 

○大型哺乳動物

動物のクローン技術は大型哺乳動物であるヤギやヒツジが中心になって開発された。

大型哺乳動物にヒトにとって有用な医薬品などのタンパク質を作る遺伝子を導入し、その組換え動物を安定して増やすためにクローン技術が開発された。一度クローン動物が作成されると、その乳汁中に高濃度で有用タンパク質を大量生産させることができる。そのような状態を動物工場とも呼ばれている。この方法ならヒト遺伝子からヒトと同じ修飾を受けた機能性タンパク質を大量に得ることができる。

しかし、大型哺乳動物は性成熟期までの飼育期間が長く、一頭あたりの飼育スペースも必要などの欠点がある。

 

○鳥 類

その対策として、最近鳥類の遺伝子組換えが注目されている。ニワトリやウズラなどでは小型で性成熟期までの期間が短く、多品種生産にも向いている。

鳥類では放卵後の胚は胚盤葉期であり、すでに細胞数は5万程度にまで増えてしまっている。この時期に遺伝子を導入するのは難しい。1細胞期の胚は親鳥のまだ殻がついていない状態で体内にあるため、親鳥をそのつど殺さないと利用できない。また、組換えのためのベクターや基本的な遺伝子導入技術、クローン技術などはまだまだ開発途上である。

しかし、これらの技術的な問題点がクリアされれば、飼育期間やスペースなどの利点などから多品種の生産が可能になる。将来、大量生産には大型哺乳類、多品種には鳥類の利用といった使い分けが予想される。

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このような人間の生活改善に向けた細菌や動植物の利用は留まることを知らない。ここにあげた例だけでなく、魚などでも染色体単位で改変したものが市販されている。

いわゆる安全性や環境への影響を考慮して開発するのは言うまでもないが、この開発の方向性・推進力を止めることはもはやできない。

 

多くの市民は遺伝子組換え食品に対して、無条件で反対を唱えている。組換えられた食品さえ食べなければよいとさえ思っている市民も多いようだ。

しかし、医薬品や食品添加物、加工食品の製造工程など、すでに多くの組換え体由来の物質を我々は利用し、そのおかげで豊かな生活を享受しているのが現状である。

 

<<課題1>>

上記のような現状をふまえ、農林水産大臣になったつもりで、将来の遺伝子組換え食品のあるべき政策を考えよ。

○人 類

さて、次に、我々人類を含む霊長類である。霊長類、とりわけ人類に対する遺伝子組換えやクローン技術の適用は、今のところ強く規制されている。その根拠は曖昧であるが、概ね次のようなものである。

 

 1. 技術的に未熟だから 成功率が低いから 異常を持って生まれるケースが多いから死産や出産直後に

死ぬケースが多い 老化して生まれることもある 巨大胎児になる安全性を考慮しない危険な人体

実験だ

 

 2. 個人の独自性をおかすことになる 人格の尊厳を侵害する 人権侵害にあたる

  (一卵性双生児はどうなるのだろう?)

 

 3. 生物としての人類集団の多様性が損なわれるので望ましくない

 

 4. 神の領域を侵すのはよくない

 

 5. クローン人間を作ろうと企てるのは邪悪な精神の持ち主だけだ

 

また、次のような例が実際に起こっている。

 

 6. 固定したパートナーを作らずにカタログで精子を選んで子供を作るのはいいが、愛するパートナー

との子どもを望みながらかなえられず、最後の手段として相手のクローンを妊娠するのは非倫理的か

 

 7. 先に生まれた白血病などの病気の子供を治療するために、適合する別の子供を作る

 

たとえば次のような例がある。

1990年 アメリカ カリフォルニア州 43歳の女性

20歳の娘が白血病に 骨髄移植が必要 一致するドナーが見つからない

 新たに子供を作ってドナーにしようと考えた

 夫は精管結紮術をうけて永久避妊をしていたが娘を救うため精管開通手術

 自然妊娠して幸運にも適合する妹を出産 姉妹で骨髄移植をして姉は回復

 

先に生まれた子供の命を救うためだけの目的で妊娠することは許されない

しかし、新たに生まれてくる子供を一人の独立した人格を持つ人間として育てる心構えがあれば、

子供を作ろうと決めた動機が移植のためであっても許容される

   この方法がイギリスでは2001年12月 公式に許可された でもクローンはダメ

 

 8. 体外受精と受精卵診断の組み合せで、望ましい子供をもうけるという人為的な方法は許される

しかし、クローン人間はとにかく許されない

移植用のドナーとしては、クローン人間のほうが効果は抜群 免疫抑制剤も不要になる

 

健康なヒトにメスを入れるのはゆるされるのか?それは権利だろうか?

 

 9. 生体間移植は治療といえるのか?

 

10. イギリスのサッカー選手ベッカムの婦人は第二子を帝王切開で出産

医学的な適用ではなく、サッカーの試合を犠牲にすることなく妻の出産に立ち会えるように

いつ出産するかを決めるのは両親の権利か?

 

 

<<課題2>>

以上、110の例に対してどうすればよいか?厚生労働大臣になったつもりで「公」の立場で我が国の方針をたてよ。

 

 

 

 

○平成14年度 後期課題 (第22講)

 

以下の文章は、fj.sci.bio に投稿されたものである。授業で配付した資料などを参考にして、科学的根拠をあげて、遺伝子組換え食品全般に関して自分の意見をまとめ、この投稿記事に対する返信記事を書け。

別紙に解答せよ。別紙の裏面を使ってもよい。

 

From: "T.T" <t-takahiro@geocities.co.jp>

Newsgroups: fj.sci.bio

Subject: 遺伝子組み替え食品について

Date: Fri, 13 Jul 2001 09:10:47 JST

 

あるテレビ番組で、遺伝子組み替え食品の安全性についての話題を取り上げていたのですが、その報道を聞いていてなんだか余計に不安になってきました。

 

彼らの報道を大まかに解説すると、

・アメリカ・カナダでは承認されている。しかし、日本の厚生省は慎重であるために認可が遅れており、そのために回収という事になる(芦田注:オーザックなどの一連の菓子類回収騒ぎのことか?)。

・遺伝子組み替え食品に危険性があるという実験には科学的根拠がなかった(芦田注:プシュタイとロージーの実験のことか?)。

・遺伝子組み替えと、交配は、生物学的に全く同じである。

大まかにこんな感じでした。

 

気になった点を具体的に上げると、

・アメリカ・カナダでは承認されている。しかし、日本の厚生省は慎重であるために認可が遅れており、そのために回収という事になる。

 

『アメリカ・カナダでは承認されている』というが、認証のしかたや、認めた安全性の程度、社会的な認知度(その国の消費者の受け止め方・対応)などはどうなのか?

100%アメリカ・カナダの厚生省を信頼できるのだろうか?

 

・遺伝子組み替え食品に危険性があるという実験には科学的根拠がなかった。

  これ以外の実験結果はどうなのか?試みられているのだろうか?

  一つの実験を批判して、それを元に

  『危険であるという根拠はない。よって、安全である』というのははたして正しいのか?

 

・遺伝子組み替えと、交配は、遺伝学的に全く同じである。

  交配は『雄しべと雌しべによって遺伝子を組み替えて子孫を作った』

  遺伝子組み替えは『DNAを操作して遺伝子を組み替えて子孫を作った』

  確かに遺伝学的に同じような感じを受ける解説でした。

 

しかし、別の視点から考えて、遺伝子を組み替えると言うことは、プログラムを変更するということであり、違った性質を持ってしまう危険性があるのではないだろうか?

今までは気が付かなかった、必要の無かった対策が必要になってきたりするのではないだろうか?

例えば、従来は腐りにくいと思っていた植物が、ある一定条件下では異常に速く腐ってしまったりするのではないだろうか?

例えば、従来はこんな感染症にはかからないと思っていた植物が、ある一定条件下ではかかってしまったりするのではないだろうか?

全く予期しない物質が精製(芦田注:ママ)されたりするのではないだろうか?

交配では、方法がある程度限られていたため、そういった事態は考慮しなくて良かったが、DNAの組み替えでは様々な方法で改良がなされていく。様々な生物のDNAを移植するなど。

  #こういった事態は交配では起きにくい。これにどう対処すべきなのだろうか?

などといった危険性は無いのでしょうか?

むやみに『安全・安全』と宣伝されると、なんだか『危険性をひた隠しにしている』ように見えて、『経済的、政治的思惑』があるのではないだろうか?と考えてしまう。

 

科学物質も原子力も、科学者は当初は『安全』と言っていた。それは、科学者は方法論や可能性を示すのが科学者であって、基本的に『社会的な安全を守る』というのが主な役割ではないという点に立脚している。これはこれで良いと思う。

#要は使い方だ。どんな物も間違った使い方をすれば凶器にもなる。

商品として提供する以上、きちんとリスクを説明すべきなのではないだろうか?説明すると不味い事でもあるのだろうか?

 

 

 

 

○平成12年度 課題 (第19講)

 

(動物)課題1:胚性幹細胞(ES細胞)について、以下の論点で自分の考えを述べよ。

 

解説:

マウスで、胚より誘導して未分化の多能性機能を持つES細胞を作る技術が開発され、種々の実験用マウス(疾患モデルマウスなど)が得られている。昨年末、ヒト由来のES細胞作出に成功したとの報告があった。

 

予測:

a)  ヒト卵を用いた遺伝子組換えは、ヒト卵の調製数に限りがあるため難しい。しかし、ES細胞は培養可能であるため、無限に増殖が可能で永久に保存も可能である。したがって、遺伝子組換えの標的細胞としてES細胞は最適であり、容易に遺伝子改変個体を得ることができる。

b)  ES細胞は未分化であるため、ある処理を施すことにより、人工的な培養環境である特定の臓器に分化誘導させることも可能である。ES細胞が体細胞より得られるなら、免疫的に自己の造血細胞(骨髄、リンパ球)を人工的に培養して得ることが可能になる。

c)  造血細胞以外の臓器も得られるなら、拒絶反応の全くないあらゆる臓器移植が可能になる。

d)  特定の臓器に分化させることが可能なら、特定の臓器のみ欠損している個体を(ヒト以外の動物の除核した卵と子宮を使って)作ることも可能かも知れない。例えば、脳のみ欠損したスペア個体を出生より誕生日ごとにつくり、各年齢層のスペアを維持させることも可能かもしれない(保管場所が大変だが)。

e)  ヒトと近縁種(霊長類など)とのキメラ個体を作り、その臓器を利用することも可能になるかも知れない。

 

論点:

a)   上記のような「予測」をふまえて、ヒトの人工臓器やヒトの改良個体が、将来誕生する可能性はあると思うか?科学的根拠をあげて自分の考えを述べよ(マウスで誕生する可能性は高く、技術的には可能)。

b)   この技術に歯止めがなければ、どんな暴走が考えられるか。

c)   この技術を使って、自分ならどんなものを作ってみたいか?神に成り代わって、新人類創造してみよ。

 

 

 

(番外)課題2:遺伝子兵器問題について、以下の論点で自分の考えを述べよ。

 

解説:

ヒトゲノム計画が完了し、すべての遺伝子の性質が判明すると、ある特定の民族のみ特異的に発現する遺伝子が発見される可能性がある。英国医師会は、この遺伝子を利用した特定の民族を選んで死に至らしめる遺伝子兵器が5年から10年のうちに出現する可能性がある、と警告を発し、これを阻止するための新たな条約の強化を呼びかけた。

 

 論点:

a)  国際テロリストになったつもりで、どんな遺伝子兵器を作ることが可能か、効率的かつ有効な兵器とはどんなタイプか、従来の原子爆弾のような破壊型兵器と比較しながら生物学的根拠をあげて考えてみよ。

b)  遺伝子兵器が実戦で使われた場合、どんな結末が予想されるかシミュレートせよ。

c)  このある民族特異的に発現する遺伝子を軍事目的に利用するのではなく、どんな平和的利用が可能か?

 

 

参考:従来の細菌兵器

    国連査察官の証言を信用するなら、イラクでは、アラブ地域に特有の細菌を使って、免疫のない

    欧米人をねらい撃ちにする生物兵器の開発が進んでいた(アラブ地域の人にはこの細菌の免疫が

    あるので、この細菌兵器に耐性)。

    また、南アフリカでは、黒人に対する細菌兵器の研究が知られている。

 

 

(植物)課題3:遺伝子組換え食品について、以下の論点で説明し自分の意見を述べよ。

 

解説:

遺伝子組換え技術を利用して組換え体食品が開発され、すでに我が国でも流通している。今のところ、特定の遺伝子を組み込むか特定の遺伝子を不活化させたりして、病害虫に強いものや除草剤耐性のもの、低肥料でも育つ組換え体など、生産コストの面で有利な改良を中心に開発・販売されている。

 

論点:

a)  危険性はどこにあるのか?厚生省や農林水産省の言うとおり安全なのか?

b)  近い将来、どうなっていると思うか?

c)  その未来像に対して、自分はどう対処するか?

 

 

(植物)課題4:我が国の食糧自給率問題、世界の食糧・人口問題について。

 

農林水産省より公表された「平成9年度食料需給表」によると、我が国のカロリーベースでの自給率は41%にまで落ちこみ、穀物の自給率はわずか28%である。これらは、コメが大凶作だった平成5年を除くと過去最低の水準である。また、我が国の穀物自給率は、統計のある178ヶ国中135番目で、経済協力開発機構(OECD)加盟29ヶ国中では28番目に相当する。

一方、アメリカの自給率は非常に高く、飼料用の穀物も大量に生産・消費されている。アメリカで生産されている飼料用穀物の数%を第三世界の人たちの食料にまわすだけで、すべての飢えた子供たちが救える。つまり、肉類や乳製品の消費を(先進国の人たちが)少し我慢するだけで、地球上の飢餓はなくなる、との報告もある。

 

遺伝子組換えなどのバイオ技術を使った農産物は、上記の問題点の解決策となり得るか?

我が国の(ITしかしゃべれない)内閣総理大臣に代わって、有効な世界の食糧政策を考案せよ。

 

 

 

○平成10年度 課題・遺伝子組換え食品 (第28講)

 

課題1:以下のような技術を使って多くの農作物の品種改良がなされている。これらの技術の特徴やこ

れらの技術を使って作られた具体的な例を示し、その問題点と安全性について科学的根拠をあ

げて述べよ。

 

a)  交配による品種改良農作物

b)  組織培養農作物

c)  細胞融合農作物

 

 

課題2:課題1であげた技術の他に、最近、遺伝子組換え技術を利用して組換え体食品が開発され、す

でに我が国でも流通している。今のところ、病害虫に強いものや除草剤耐性のもの、低肥料で

も育つ組換え体など、生産コストの面で有利な改良を中心に研究されている。遺伝子組換え食

品の基本的な作り方を述べた後、以下の論点で遺伝子組換え食品にかんする自分の考えを述べよ。

 

a)  課題1であげた方法による品種改良と根本的に異なる点は何か?(「種の壁」など)

b)  危険性はどこにあるのか?厚生省や農水省の言うとおり安全なのか?

c)  近い将来、どうなっていると思うか?

d)  その未来像に対して、自分はどう対処するか?

 

 

課題3:遺伝子組換え食品作成技術を応用すると、植物製薬工場(或いは動物製薬工場)とも呼べる有

用物質を産生する組換え植物(動物)の作成も可能である。すでにヒトの遺伝子を組み込んだ

植物が数多く作られている(細菌類にヒトの遺伝子を組み込んで得られた組換え体は、医薬品

を中心に数多く作られ、すでに市販されている)。以下の論点で、自分の考えを述べよ。

 

e)  基本的にはどんな遺伝子もあらゆる動植物に組換えることができる。現在開発されている組換え遺伝子のほとんどは医薬品として使えるものである。この技術に歯止めがなければどんな暴走が考えられるか。

f)  自分で動植物昆虫工場を開発するとすれば、どんな遺伝子をどんなホストにくみ込みたいか。万能バイオ技術者になったつもりで、アイデアを記せ。

 

 

課題4(番外):我が国の食糧自給率問題、世界の食糧・人口問題について。

 

昨年12月24日に農林水産省より公表された「平成9年度食料需給表」によると、我が国のカロリーベースでの自給率は41%にまで落ちこみ、穀物の自給率はわずか28%である。これらは、米が大凶作だった平成5年を除くと過去最低の水準である。また、我が国の穀物自給率は、統計のある178ヶ国中135番目で、経済協力開発機構(OECD)加盟29ヶ国中では28番目に相当する。

一方、アメリカの自給率は非常に高く、飼料用の穀物も大量に生産・消費されている。アメリカで生産されている飼料用穀物の数%を第三世界の人たちの食料にまわすだけで、すべての飢えた子供たちが救える。つまり、肉類や乳製品の消費を(先進国の人たちが)少し我慢するだけで、地球上の飢餓はなくなる、との報告もある。

 

課題1から3にあげたバイオ技術を使った農産物は、上記の問題点の解決策となり得るか?

わが国の真空内閣総理大臣に代わって、食料政策を考案せよ。

 

 

 

 

○平成10年度 課題・クローン技術 (第29講)

 

課題1:クローン技術のヒトへの応用について、以下の論点で自分の考えを述べよ。

 

解説:

a)  近い将来、ヒトの体細胞クローン技術は可能になるだろうし、現在必要としている人もいる。

b)  一卵性双生児は同じ遺伝子をもっており、互いにクローンである。ヒトで体細胞クローン技術が確立すると、歳の離れた一卵性双生児が誕生することになる。

c)  異なった代理母からクローン人間を大量に生ませることも可能である。

d)  体細胞よりクローン人間を再生させることより、生殖行為なしに、しかも男性はいなくても子孫が残せる。

 

論点:

a)  ヒトの体細胞クローン技術の有用性と危険性。

b)  クローン人間作出の是非、倫理的側面。

 

 

課題2:ある最先端技術が、技術的にどこまで実行可能かという問題と、倫理的社会的宗教的にどこま

でも実行して良いのかという問題とは別である。

    以下の技術はすべて確立されている。許せるものと許せないもの、自分なら実行してもよいと

思うものと絶対関わりたくないもの、もっと推進すべきものと歯止めをかけないといけないも

の、等にわけて、その根拠をあげて論ぜよ。

 

・生体間臓器移植     ・脳死臓器移植      ・異種間移植(ブタなどの臓器をヒトに移植)

・人工授精、顕微受精   ・代理母

・出生前診断       ・受精卵遺伝子診断

・人工臓器(ペースメーカ、生命維持装置、人工透析器、人工皮膚、人工水晶体など)

・生物兵器(細菌兵器、ウイルス兵器)

 

 

課題3:マウスで、胚より誘導して未分化の多能性機能を持つ胚性幹細胞(ES細胞)を作る技術が開

発され、種々の実験用マウス(疾患モデルマウスなど)が得られている。昨年末、ヒト由来の

ES細胞作出に成功したとの報告があった。

 

予測:

a)  ヒト卵を用いた遺伝子組換えは、ヒト卵の調製数に限りがあるため難しい。しかし、ES細胞は培養可能であるため、無限に増殖が可能で永久に保存も可能である。したがって、遺伝子組換えのホスト細胞としてES細胞は最適であり、容易に遺伝子改変個体を得ることができる。

b)  ES細胞は未分化であるため、ある処理を施すことにより、人工的な培養環境である特定の臓器に分化誘導させることも可能である。ES細胞が体細胞より得られるなら、免疫的に自己の造血細胞(骨髄、リンパ球)を人工的に培養して得ることが可能になる。

c)  造血細胞以外の臓器も得られるなら、拒絶反応の全くないあらゆる臓器移植が可能になる。

d)  特定の臓器に分化させることが可能なら、特定の臓器のみ欠損している個体を(ヒト以外の動物の除核した卵と子宮を使って)作ることも可能かも知れない。例えば、脳のみ欠損したスペア個体を出生より誕生日ごとにつくり、各年齢層のスペアを維持させることも可能かもしれない(保管場所が大変)。

 

論点:

a)  このようなヒトの人工臓器やヒトの改良個体が、将来誕生する可能性はあると思うか?科学的根拠をあげて自分の考えを述べよ(マウスで誕生する可能性は高く、技術的には可能)。

b)  この技術を使って、自分ならどんなものを作ってみたいか?神に成り代わって、新人類創造してみよ。

 

 

課題4(番外):遺伝子兵器問題について

 

ヒトゲノム計画が完了し、すべての遺伝子の性質が判明すると、ある特定の民族のみ特異的に発現する遺伝子が発見される可能性がある。先月、英国医師会は、この遺伝子を利用した特定の民族を選んで死に至らしめる遺伝子兵器が5年から10年のうちに出現する可能性がある、と警告を発し、これを阻止するための新たな条約の強化を呼びかけた。

 

a)  国際テロリストになったつもりで、どんな遺伝子兵器を作ることが可能か、効率的かつ有効な兵器とはどんなタイプか、従来の原子爆弾のような破壊型兵器と比較しながら生物学的根拠をあげて考えてみよ。

b)  遺伝子兵器が実戦で使われた場合、どんな結末が予想されるかシミュレートせよ。

c)  このある民族特異的に発現する遺伝子を軍事目的に利用するのではなく、どんな平和的利用が可能か?

 

 参考:従来の細菌兵器

     国連査察官の証言を信用するなら、イラクでは、アラブ地域に特有の細菌を使って、免疫のない

     欧米人をねらい撃ちにする生物兵器の開発が進んでいた(アラブ地域の人にはこの細菌の免疫が

     あるので、この細菌兵器に耐性)。

     また、南アフリカでは、黒人に対する細菌兵器の研究が知られている。

 

 

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無断転載を禁じます。 ashida@msi.biglobe.ne.jp・芦田嘉之

 

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