平成23年度 定期試験問題

 

平成23年度 学年末試験問題 (第22講−第27講)

平成240210日(金) 9:1510:15

 

・教科書全般

基礎的なバイオテクノロジーの技術を理解しているか

 

基礎的な科学用語を正しく使って解説できるかどうかを問う問題です。

すべて記述式です。簡潔に解説するように。

極端な誤答は減点することもあります。

 

 

予定問題概要

植物のバイオテクノロジーにかんする問題

   遺伝子組換え技術を中心に

 

動物とヒトのバイオテクノロジーにかんする問題

   クローン技術を中心に

 

 

質問等は電子メールで

☆わかりやすい件名(Subject)を必ずつけること

 Subjectのないメールは受け取れません(迷惑メール対策)

☆必ず名のること

24時間以内に返事します。

 返事か無ければ受け取っていない可能性が高いので

 アドレスや件名を見直して再送して下さい。

☆試験前日の質問は、試験当日に回答します。

 

 

試験当日の注意事項:

・試験時間を60分とします。試験開始時間が通常より10分早まります。

 

・講義と同じ場所です。

 着席する順番は問いませんが、着席可能な場所は指定します(カンニング防止のため)。

 

・次の資料の持ち込みを認めます。

  教科書、副読本、配付資料、ノート

 

・次の機器の使用を禁止します。

  パソコン、電子辞書、ケータイなどの電子機器類

 

他人の文章を丸写ししないように。コピー解答は厳しく採点します。

 

・試験時間は60。時間配分には十分に留意し、白紙解答がないように。

 

・監督の方法が変わりましたので、定時に開始し定時に終了とします。

 すなわち、試験時間は9:1510:15です。

 

・答案は配布した所定の解答用紙に書くこと。

 解答スペースが不足した場合は、同じ解答用紙の裏面を使ってもよい。

 

・試験開始後30分以上経過すれば(9:45)途中退室を認めます。

 解答用紙の裏面も使っていいことにしているため、解答用紙のみ教卓の

 所定の場所に提出してから、他の受験者の迷惑とならないよう静かに

 退室すること(特にドアの開閉)。

 

・試験終了後、解答用紙のみ回収します。

 問題用紙は持ち帰ること。次回の解説で使います。

 

 

 

予定問題変更することがあります

 

次のゴシック体で書かれた引用文-1から引用文-7は、池内了著「科学と人間の不協和音」(角川Oneテーマ2120120110日発)の遺伝子組換え技術やクローン技術に触れた部分である(103-107ページ;引用文-3と引用文-4の間の1段落カットした以外ほぼ全文を引用している)。よく読んで、各問に科学的根拠や事実を挙げて簡潔に答えよ。全部で15問ある。少なくとも10問解答せよ。

 

#引用文-1から引用文-7は省略した(授業で配布)。

 

 

1-1

a)b)について(以下略)。

 

1-2

c)d)e)について。ここで「実質等価」と書かれているのは、いわゆる「実質的同等性」のことと思われる。実際に遺伝子組換え作物の食品としての安全性に関わっている専門家の書いた次の文章を参考にし、筆者はどのように誤解してしまったのだろうか。解説せよ。

 

鎌田博「遺伝子組換え作物の食品としての安全性」(「遺伝」55(6), 46-52, 2001

実質的同等性の概念はよく誤解されて説明されているが、遺伝子組換え食品としての安全性を考える際には、導入されたもとの作物と比較検討しても良いか否かを決定することであり、実質的に同等だからといって即安全であると結論するものではない。実質的に同等と判断された後、導入遺伝子に由来するタンパク質やその性質・機能、得られた遺伝子組換え体のさまざまな特性等について、表2(引用者注:授業で配布した資料に同等のリストがある)に示すような非常に多くの項目についてもとの植物とも比較検討し、最終的な判断を下すものであり、比較検討した結果、食品としては認可されない場合もある。

 

1-3

f)について(以下略)。

 

1-

g)h)について。実際に市販されている遺伝子組換え作物の種子はどのような種類だろうか? また、遺伝子組換え作物とは別に、一般に作付けされているF1品種を例に挙げて、著者の主張の矛盾点を解説せよ。さらに、f)との矛盾も解説せよ。

 

2-1

a)からd)について。遺伝子組換え作物に限定していないが、この主張通りの「予防原則」をテクノロジー全般に適応すれば、どんな社会になるだろうか?科学的根拠と事実に基づいて解説せよ。

 

3-1

1-1とも関連するが、c)の「実際上消費者は大量に摂取している」遺伝子組換え作物由来の食品にはどんなものがあるだろうか? 著者の主張通りのd)の「日本の法制度のおかしさ」が実際にありえるだろうか?解説せよ。

 

4-1

c)について。このような「遺伝子診断」で「中絶するという選択」はありえるだろうか?解説せよ。

 

4-2

e)f)について(以下略)

 

4-3

h)について(以下略)

 

5-1

a)について(以下略)

 

5-2

b)について(以下略)

 

5-3

c)について。両生類のカエルについて、事実に書き直せ。

 

6-1

b)について(以下略)

 

7-1

c)について。引用文-5f)、引用文-6c)とあわせて「倫理上の問題」とはなんだろうか? パーソン論で解説せよ。ちなにみ、この著者が言う「卵子の乱用という倫理上の問題」とは卵子を一度に10個も採取することのようである(p111)。

 

7-2

d)e)について。d)のようなことに「なりかねない」可能性はどの程度だろうか? 実際にありえるだろうか? そのためにはどのような技術的発展が必要だろうか?

すでにiPS細胞から生殖細胞が作られているが、そのことがe)のような「人造人間作り」につながるだろうか? 仮につながるとするなら、どのような技術的発展が必要だろうか?解説せよ。

 


実際の試験問題

平成24 210  915 1015

 

平成23年度 学年末試験問題 (第22講−第27講)

「バイオテクノロジー」

 

問題用紙(本紙を含めて3枚)と解答用紙4枚を配布する。

解答スペースが不足した場合は、同じ解答用紙の裏面を使ってもよい。

小問の解答順序は問わない。ただし、必ず小問番号を左カラムに明記して解答すること。

 

 

次のゴシック体で書かれた引用文-1から引用文-7は、池内了著「科学と人間の不協和音」(角川Oneテーマ2120120110日発)の遺伝子組換え技術やクローン技術に触れた部分である(103-107ページ;引用文-3と引用文-4の間の1段落カットした以外ほぼ全文を引用している)。よく読んで、各問に科学的根拠や事実を挙げて簡潔に答えよ。

全部で15問ある。;少なくとも10問解答せよ。                 (110点)

 

引用文-1

a) 既に開発され商業化されているのは、遺伝子改変の技術を農作物に応用した遺伝子組み換え作物である。b) 除草剤耐性のダイズやナタネ、殺虫剤耐性のジャガイモやトウモロコシ、日持ちのよいトマトなどが市場に出回っている。c) 農薬が少なくて済むというのが謳(うた)い文句で、安全性の根拠は「実質等価」にある。d) 新たに組み入れた遺伝子が作り出す物質が通常の作物と同様に(人工胃液の実験で)分解されることから、実質的に同じと判断して安全だと言っているのである。e) しかし、アレルギーやガンを引き起こす物質や他の有害物質ができる可能性について、作物全体をチェックしていないことに注意すべきだろう。f) また、組み換えた除草剤耐性(殺虫剤耐性)の遺伝子が雑草に移行して除草剤(殺虫剤)が効かない雑草(虫)が広まり、生態系に大きな影響を及ぼす危険性もある。g) さらに問題であるのは、遺伝子組み換え作物の種子は不稔(ふねん)化されており、毎年種子会社から購入しなければならないことである。h) 種子会社の農業支配が貫徹するのだ。

 

1-1

a)b)について。実際に日本で市販されている「遺伝子組換え作物」はどのようなものだろうか?

b)のように「出回っている」のだろうか?

 

1-2

c)d)e)について。ここで「実質等価」と書かれているのは、いわゆる「実質的同等性」のことと思われる。実際に遺伝子組換え作物の食品としての安全性に関わっている専門家の書いた次の文章を参考にし、筆者はどのように誤解してしまったのだろうか。解説せよ。

 

鎌田博「遺伝子組換え作物の食品としての安全性」(「遺伝」55(6), 46-52, 2001

実質的同等性の概念はよく誤解されて説明されているが、遺伝子組換え食品としての安全性を考える際には、導入されたもとの作物と比較検討しても良いか否かを決定することであり、実質的に同等だからといって即安全であると結論するものではない。実質的に同等と判断された後、導入遺伝子に由来するタンパク質やその性質・機能、得られた遺伝子組換え体のさまざまな特性等について、表2(引用者注:授業で配布した資料に同等のリストがある)に示すような非常に多くの項目についてもとの植物とも比較検討し、最終的な判断を下すものであり、比較検討した結果、食品としては認可されない場合もある。

 

1-3

f)について。同趣旨で「遺伝子」と「ゲノム」を適切に使って書き直せ。また、このような「危険性」がありえるだろうか?

 

1-4

g)h)について。実際に市販されている遺伝子組換え作物の種子はどのような種類だろうか? また、遺伝子組換え作物とは別に、一般に作付けされているF1品種を例に挙げて、著者の主張の矛盾点を解説せよ。さらに、f)との矛盾も解説せよ。

引用文-2

a) 科学の商業化の一例であるが、おそらく完全に安全を証明することも、生態系への悪影響はないと示すことも不可能だろう。b) 安全性の証明のためには、あらゆる年齢層、あらゆる体質の人について人体実験しなければならないし、生態系についても、あらゆる状況を設定して、長年にわたって調べなければならないからだ。c) そのような未来について不確実なこととしかわからない場合、予防原則を適用するしかない。d) 安全性が保証できない場合には、その使用を差し控えるという原則である。e) 遺伝子組み換え作物については二〇〇〇年にカルタヘナ議定書(生物多様性条約)で予防原則が宣言されたが、輸出入に関する取り決めに終始し、実際には拡大する一方である。f) 限界を知る科学者は、予防原則の精神を守り、もっと主張しなければならないのではないだろうか。

 

2-1

a)からd)について。遺伝子組換え作物に限定していないが、この主張通りの「予防原則」をテクノロジー全般に適応すれば、どんな社会になるだろうか?科学的根拠と事実に基づいて解説せよ。

 

 

 

引用文-3

a) EU諸国では、あらゆる食物・飼料について遺伝子組み換えの有無の表示義務を課したが、アメリカでは野放しで有機農産物として認めないと規定しているだけである。b) 日本においては、使用、不分別、不使用の三つのタイプの表示が義務付けられたが、豆腐やポップコーンなどの主要材料として使っているものにだけ限定している。c) そのため、遺伝子組み換え作物の多くは表示されておらず、実際上消費者は大量に摂取している状況にある。d) 日本の法制度のおかしさがここに現れている。

 

3-1

1-1とも関連するが、c)の「実際上消費者は大量に摂取している」遺伝子組換え作物由来の食品にはどんなもの

があるだろうか? 著者の主張通りのd)の「日本の法制度のおかしさ」が実際にありえるだろうか?解説せよ。

 

 

 

引用文-4

a) 遺伝子に関わる人間への現在可能な応用技術として遺伝子診断(セラピー)がある。b) 人の体液、血液、組織、受精卵などを用いて、遺伝的な異常(遺伝病、たんぱく質や代謝物の異常)を解析するもので、診断の確定、新生児のスクリーニング、出生前診断、疾患発症リスクの予測などを行うのが目的である。c) 一番問題となるのは受精卵の遺伝子診断で、遺伝子の異常があれば中絶するという選択が可能になる。d) さらに、この診断と遺伝子操作を組み合わせれば、好みのタイプの子どもとすることができる。e) いわゆるデザイナー・ベビーの誕生で、自分の子どもは好(よ)い子であって欲しいという欲望を充足させるための科学になりつつあるのだ。f) これが進むと人間の品種改良に結びつき、新しいタイプの優生学を招く可能性がある。g) 優秀な遺伝子の選別と淘汰(とうた)が可能になるからだ。h) また、究極のプライバシーである遺伝子型が明らかになってしまうため、就職差別や生命保険の差別など遺伝子を理由とした人間差別につながる懸念もある。

 

4-1

c)について。このような「遺伝子診断」で「中絶するという選択」はありえるだろうか?解説せよ。

 

4-2

e)f)について。e)の「科学」は本当に「科学」だろうか? f)の「新しいタイプの優生学」とはどのようなものを想定していると考えられるか。解説せよ。

 

4-3

h)について。この「遺伝子型」と「遺伝子」という学術用語は妥当だろうか? 妥当でないなら書き直せ。a)からg)までの文章とh)の「また、」に続く文章の間にどのような文章を挿入すれば論理の通った文章になるだろうか?

引用文-5

a) ES細胞(胚性幹細胞)は、その遺伝子工学の究極の技術と言えるもので、受精卵からあらゆる臓器を作り出すことが可能な幹細胞を培養することができる。b) クローン羊ドリーは、受精卵を使わず、卵子の核(DNA)を取り除いて体細胞の核を挿入し、刺激を与えることで受精卵と同じ状態にして子宮に戻し育成させることに成功したものである。c) 哺乳類のクローンが実現したのだ(両生類や爬虫類においては既に実現していた)。d) その後、牛、犬、猫などにおいてもクローン作成に成功しているが、まだ霊長類のサルやヒトにおいては成功していない。e) しかし、実際の受精卵を使ったES細胞からの幹細胞作成は着々と進んでいる。f) ただ、受精卵を使うことで倫理上の問題があることや、クローン人間作成という重大な問題につながることが指摘されている。

 

5-1

a)について。実際のES細胞の性質に書き直せ。

 

5-2

b)について。実際にクローン羊ドリーが作られた技術に書き直せ。該当部分だけ指摘すればよい。

 

5-3

c)について。両生類のカエルについて、事実に書き直せ。

 

 

 

引用文-6

a) 新たに登場したのがiPS細胞(誘導多能性幹細胞)で、二〇〇六年に日本の山中博士が世界で最初に成功したことで名高い。b) 体細胞に四種類の遺伝子をレトロウイルスで挿入して培養すれば、好みの幹細胞を作ることが可能であることを示したのだ。c) この場合、受精卵を使わずに済むことから、倫理上の問題が生じない利点がある。d) 今、こぞってiPS細胞の研究が推進されている。e) ただ、レトロウイルスを使うことから、細胞のガン化の危険性が指摘されている(最近になってレトロウイルスを使わずに幹細胞作成手法が開発されている)。

 

6-1

b)について。問5-1と同様であるが、iPS細胞の特性がわかるように書き直せ。

 

 

 

引用文-7

a) これらの幹細胞作成は、将来の再生医療に大きな福音をもたらすと期待されているが、その欲望と抱えている多くの問題とを秤(はかり)にかけねばならない。b) クローン羊は若いうちから病気がちであり、たとえ臓器の再生治療であっても安全性に問題があることだ。c) ES細胞には卵子の乱用という倫理上の問題が依然としてある。d)さらに、もしヒトのクローンを作ることができるなら、人間の工場生産が可能になり、臓器移植用の子どもの誕生ということになりかねない。e) iPS細胞からは生殖細胞も作成できる可能性があり、人造人間作りにつながっていくだろう。

 

7-1

c)について。引用文-5f)、引用文-6c)とあわせて「倫理上の問題」とはなんだろうか? パーソン論で解説せよ。ちなにみ、この著者が言う「卵子の乱用という倫理上の問題」とは卵子を一度に10個も採取することのようである(p111)。

 

7-2

d)e)について。d)のようなことに「なりかねない」可能性はどの程度だろうか? 実際にありえるだろうか? そのためにはどのような技術的発展が必要だろうか?

すでにiPS細胞から生殖細胞が作られているが、そのことがe)のような「人造人間作り」につながるだろうか? 仮につながるとするなら、どのような技術的発展が必要だろうか?解説せよ。

 


解説

 

1-1

)には遺伝子組み換え「作物」と書かれている。日本で販売が許可されている作物は8種類で、ダイズ、トウモロコシ、ナタネ、ワタ、アルファルファ、テンサイ、パパイアである。トマトは含まれていない。従って、トマトが「出回っている」わけではない。日本の話ではなく世界だとしても、日持ちのよいトマトは味が悪いなどから人気がなく、早々と撤退している。また、ダイズやトウモロコシは「出回っている」が、それは作物として出回っていることはなく、加工品として売られているに過ぎない。日本では、穀物としてのトウモロコシの9割以上をアメリカからの輸入に頼っているが、8割は家畜のエサである。残りのほとんどはコーンスターチなどの加工用であり、粗食用は1%以下である。遺伝子組換え「作物」が市場に出回っているわけではない。

 

1-2

引用文にもあるように、実質的同等性は、安全性の評価をしてもよいかどうかを判断する入口の考え方であり、比較して同等だから安全だというわけではない。この入口をクリアしてはじめて安全性評価がはじまり、実際に多くの安全性の試験や調査等が行われている。著者の言い分は何も知らない反対派の人達と同じであるが、もう少し実際の評価方法を調べてから書かないと、とんでもない恥をかくことになる。e)で「可能性」と述べているが、これは単なる著者の得意技であり、読者を脅す効果はあっても科学的には全く意味がない。「作物全体のチェック」についてもどのような方法をとれば満足するのか不明。万一その様な方法があるのなら、逆に教えて欲しいものだ。

 

1-3

これもちまたに流布するホラー話そのもの。組換えに使った遺伝子が他の植物や昆虫などに移行するといっているが、どのようなルートを通って移行すると考えているのかで答え方が変わってくる。単に遺伝子組換え作物から遺伝子が飛び出して他の植物や昆虫に移るというのであれば、これは単なるSFの世界なので、無視するしかない。まともに批判するだけムダであろう。交雑によって広まるというのなら、遺伝子組換え作物のゲノムとその辺にはえている雑草のゲノムとが一緒になり、新しい生物が誕生することになる。確かにこの場合、組換えに使った遺伝子が出て行っているように見えるが、全く新しい生物が誕生することになり、遺伝子組換え作物云々などどうでも良くなるという重大な問題に発展するはずである。遺伝子組換え作物だけが交雑しやすいということは考えにくいことから、作物を栽培している周辺ではこのような化け物が次々と誕生していると著者は考えていることになる。さらに恐ろしいのは、「虫」と書いてあることで、これだと、植物と虫が交雑しさらにワケのわからない新生物が誕生することを予想しておられることになって、この著者の想像力の豊かさに舌を巻くしかない。SFでもここまでリアリティを無視したのを書く人はいないであろう。そんなワケで、著者が心配している「生態系に大きな影響を及ぼす危険性」というのは、SF顔負けの想像力の賜物ということになる。

生態系への影響を心配したいのなら、人間が食べるためだけに栽培している作物や飼育している家畜などによって思いっきり乱れまくっている生態系を心配する方が先であろう。

ちなみに、除草剤耐性の植物や殺虫剤耐性の昆虫は色々誕生しているが、これは除草剤や殺虫剤を使うことで生まれているのであって、遺伝子組換え技術やそれに使った遺伝子そのものとは関係がない。遺伝子組換え作物を栽培していない周辺でも除草剤耐性植物や殺虫剤耐性昆虫が多数報告されている。

 

1-4

書きながらヘンだと感じなかったのであろうか?不稔化しているのであれば、交雑も心配しなくてもいいことになりそうですけど。一方で種の異なる植物同士、植物と昆虫の交雑というホラー話を心配しておきながら、他方で遺伝子組換え作物に種ができない仕組みを組み込むことにケチを付ける、意味不明の論理である。生態系を心配したいのであれば、不稔化は歓迎してもいいはずである。ちなみに、不稔化された遺伝子組換え品種は認可されたものに含まれていない。開発にも手間と資金がかかることから、ほとんど撤退している。

遺伝子組換え作物に限らず、ほとんどの農作物の種子はF1である。これは純系同士を掛け合わせた雑酒代一代で、多くの遺伝子型がヘテロなり揃うことから、クローンのように揃った作物ができる。F1同士の雑種第二代の遺伝子型は多様になることから、ふぞろいな作物になる。このことから、農家の人達はF1品種を毎年購入することになり、純系とその雑種を開発したところは。毎年種が売れることになる。「更に問題であるのは」と書いてある「問題」は遺伝子組換え作物に限った話ではない。

 

2-1

お得意の「予防原則」である。「予防措置原則」ともいっている。その使い分けは本書や類書「疑似科学入門」(岩波新書)などを読んでも不明。ちなみに、今回引用した文章のほとんどは「疑似科学入門」にも書いてある。これは解説不要であろう。カルタヘナ議定書云々も意味不明。もしかしたら、名古屋で開かれた生物多様性条約に関する不毛だった国際会議のことを言いたいのかも知れない。それなら、関係がない。結局何を「主張しなければならない」のかも不明。

 

3-1

1-1で述べたように、遺伝子組換え作物自身をそのまま食べているわけではない。細かいことではあるが、「作物」なら表示をする義務がある。著者が言う「作物」の意味が不明であるが、どうやらDNAやタンパク質を含まない加工品も「作物」とよんでいるらしい。確かにその様な加工品を「摂取」しているが、それなら、ここで述べている「法制度のおかしさ」にはつながらない。「実際上大量に摂取」しているのは家畜のエサとして使われ肉や牛乳や卵などを通して間接的に「摂取」するか、異性化糖のようにDNAでもタンパク質でもない単なる糖の形で「摂取」しているものである。これを作物として摂取しているかのごとき書くのは詐欺であろう。

日本の法律で表示義務がないのはDNAやタンパク質が含まれておらず、表示が不正であっても不正であると検査できないものに限られている。検査方法が発展し、これまで検出できなかったものが検出できるようになれば、義務表示に切り替えられている。このように合理的で科学的な制度である。著者の言う様な意味不明な「作物」であれば、「おかしさ」につながるかも知れないが、実際には上記のように「おかしさ」は見当たらない。

 

4-1

「受精卵の遺伝子診断」は確かに技術的に可能である。ただし、今のところ細胞を破壊しDNAを取り出さなければ「診断」することはできない。受精卵は1つの細胞であり、その中に各々のDNAは1分子しかない。「受精卵の遺伝子診断」を行った時点で、細胞は消滅している。従って、「中絶するという選択」はあり得ない。おそらく胚から得たひとつの細胞を使った遺伝子診断のことをいいたいのだと思われる。

 

問4-2

同じ本の中で「科学」と「技術」の違いを詳細に述べている。両者の違いは厳密に分類するのは不可能で境界がないとしながらも大まかな違い・特徴などをステレオタイプ的ではあるが解説している。その分類が単なる分類のための分類なのかどうかわからないが、ここで述べている「科学」は「技術」であろう。折角分類した日も関わらず、その用語の使い分けが成されていない。

「選別と淘汰」の「淘汰」の使い方が気になる。この文脈だと、「優秀な遺伝子」が残ることが「選別」でなくなることが「淘汰」のようである。しかし、「淘汰」は本来、砂の中から砂金を選び出す意味で使われ、進化学でも「悪いものがなくなる」という意味だけで使われるわけではない。

 

問4-3

ここで「遺伝子型」で述べたい概念はゲノムであろう。ここの遺伝子型を調べるだけでもある程度の「就職差別」もあり得るかも知れないが、その人の特性を表すものとしてはかなり限られている。そもそもg)までの文章とh)との話は飛躍しすぎており、たとえば、安価にゲノムシークエンスができるようになれば、など、ゲノム解析の話がないとつながらない。

ちなみに「遺伝子診断(セラピー)」の意味も不明である。a)の記述から、セラピーではなく単なる診断のようである。

 

5-1

そもそもES細胞と遺伝子工学を関連づけるのには無理がある。「受精卵からあらゆる臓器を作り出すことが可能な幹細胞を培養することができる」の技術のどこで遺伝子工学を使うのか不明。そもそもこのES細胞の説明も意味不明。まずスタートを「受精卵から」としたのは後に述べる体細胞との対比だろうが、ES細胞そのものを説明するのに受精卵をスタートにするのに違和感がある。また「あらゆる臓器を作り出すことが可能な幹細胞」も間違いではないが、実際の技術の説明としては不適切。臓器を細胞にすれば少しはマシになる。そもそも「ES細胞は」ではじまる文章だったのに、「培養することができる」で終わっている。今のところ、ES細胞から完全な臓器を作ることはできない。臓器の部分的な機能を持った細胞の塊ならできる。「可能」なのは確かだが、より確実で実際にもつくられているものとして「細胞」にするべきであろう。ES細胞からあらゆる臓器がすでに作られていると勘違いしている人が意外と多い。

 

問5-2

クローン羊ドリーは体細胞と除核卵の細胞融合によって作られた。マウスなどで体細胞の核を除核卵に挿入する方法で体細胞クローンが作られている例もあるが、哺乳動物の多くの体細胞クローンは細胞融合で作られている。少なくともドリーは細胞融合である。

 

問5-3

両生類のカエルを例に挙げると、カエルの体細胞から核移植により成体のクローンガエルを作ることは実現していなかった。オタマジャクシまではできるが、その後変態せず、カエルにはならなかった。オタマジャクシの細胞や胚から核移植をした場合は成体のクローンガエルができていた。つまり、成体の細胞から成体を作ることはできなかった。このことから、成体になると必要な情報が欠落するのかもと考えられていた。比較的操作が容易で(卵が大きい)、生命力も強いカエルで繰り返し実験を行っても不可能であったことが、哺乳類の羊でいきなり実現したことにドリーの大きな意義がある。ドリーは単なるクローンでも体細胞クローンでもなく、大人の羊の細胞から大人の羊に成長したことに意味がある(ドリーに生殖能力があり、子を成している)。

ここでの記述を見ると、受精卵由来の卵割胚を利用したクローンや、受精卵由来の胚を利用した核移植クローンや、体細胞を利用した核移植クローンの区別が付いているとは思えない。話があちこちに飛び、問題だといっている指摘点が見えてこない。「倫理」を振りかざして問題を「指摘」する人は確かにあるが、著者の意見は書かれていない。

 

6-1

「好みの幹細胞を作ることが可能」。。。ちょっと認識がずれていますね。

 

7-1

ここで指摘されている「倫理上の問題点」はパーソン論で考えれば何ら問題ではないし、体細胞クローン人間も何ら問題にはならない。ただ単に心情的に気持ち悪いから問題だといっている程度にしか見えない。体細胞クローンであろうと受精卵クローンであろうと、体外受精であろうと、生まれてきて成長した人はあきらかにパーソンである。普通に生まれてくる人と何ら違いはない。単なるパーソンであるはずだ。

 

 

問7-1

「人間の工場生産が可能」になったり人造人間造り」につながったりという話が現実味を持つためには、人工子宮が必要であろう。

二倍体の培養細胞から人工的な減数分裂により生殖細胞ができる。このことの問題点は人造人間が工場生産されてしまうかも、というのではない。男性の体細胞から卵子を女性の体細胞から精子が作られると、通常の減数分裂を経た組換えられたゲノムを持つ卵子と精子を一人の個体から作れることになる。女性であれば、それらを受精させ、自ら子を産むことが可能になる。遺伝的な親はひとりである。

 


平成23年度 後期中間試験問題 (第14講−第21講)

平成231202日(金) 9:1510:15

 

・教科書全般

基本用語「DNA」「遺伝子」「ゲノム」等を理解しているか

基礎的なバイオテクノロジーの技術を理解しているか

 

基礎的な科学用語を正しく使って解説できるかどうかを問う問題です。

すべて記述式です。簡潔に解説するように。

極端な誤答は減点することもあります。

 

 

予定問題概要

植物のバイオテクノロジーにかんする問題(40)

   遺伝子組換え技術を中心に

 

動物とヒトのバイオテクノロジーにかんする問題(60)

   クローン技術を中心に

 

 

質問等は電子メールで

☆わかりやすい件名(Subject)を必ずつけること

 Subjectのないメールは受け取れません(迷惑メール対策)

☆必ず名のること

24時間以内に返事します。

 返事か無ければ受け取っていない可能性が高いので

 アドレスや件名を見直して再送して下さい。

☆試験前日の質問は、試験当日に回答します。

 

 

試験当日の注意事項:

・試験時間を60分とします。試験開始時間が通常より10分早まります。

 

・講義と同じ場所です。

 着席する順番は問いませんが、着席可能な場所は指定します(カンニング防止のため)。

 

・次の資料の持ち込みを認めます。

  教科書、副読本、配付資料、ノート

 

・次の機器の使用を禁止します。

  パソコン、電子辞書、ケータイなどの電子機器類

 

他人の文章を丸写ししないように。コピー解答は厳しく採点します。

 

・試験時間は60。時間配分には十分に留意し、白紙解答がないように。

 

・前回の試験から監督の方法が変わりましたので、定時に開始し定時に

 終了とします。すなわち、試験時間は9:1510:15です。

 

・答案は配布した所定の解答用紙に書くこと。

 解答スペースが不足した場合は、同じ解答用紙の裏面を使ってもよい。

 

・試験開始後30分以上経過すれば(9:45)途中退室を認めます。

 解答用紙の裏面も使っていいことにしているため、解答用紙のみ教卓の

 所定の場所に提出してから、他の受験者の迷惑とならないよう静かに

 退室すること(特にドアの開閉)。

 

・試験終了後、解答用紙のみ回収します。

 問題用紙は持ち帰ること。次回の解説で使います。

 

 

予定問題(変更することがあります)

2問の予定

「植物のバイオテクノロジー」の範囲から1問(40点)

「動物とヒトのバイオテクノロジー」の範囲から1問(60点)

 

1 植物のバイオテクノロジーにかんする問題

1-1(授業で配付した資料を題材とした問題)

 

2 動物とヒトのバイオテクノロジーにかんする問題

2-1(略)

2-2(略)

2-3  T型糖尿病は自己免疫疾患の一種と考えられている。インスリンを作る臓器の細胞が自己と認められないため免疫的な攻撃対象となり、インスリンの分泌が不完全となる病気である。この患者を移植治療するためには、問2-1にあげた3種のヒト由来の細胞のうちどの細胞を作るのが妥当か。また、その細胞から移植治療用の臓器を作るためにはどのような工夫が必要か。簡潔に解説せよ。

2-4(映画「猿の惑星 創世記」を題材とした問題)

 

 


実際の試験問題

平成23122日(金) 9:1510:15

 

平成23年度 後期中間試験問題 (第14講−第21講)

「バイオテクノロジー」

 


  試験中、教科書、ノート、配付資料の持ち込みを認める。パソコン、電子辞書、ケータイ電話などの電子機器の使用は禁止する

  問題用紙(本紙)と解答用紙(問1用、問2用)を配布する

  問題は2問ある。2問とも解答せよ。解答はそれぞれ専用の解答用紙に書け

  解答スペースが不足した場合は、同じ解答用紙の裏面を使ってもよい

  所定の解答用紙を使っていれば、小問の解答順序は問わない

  極端な誤答は減点する

  試験開始後30分以上経過すれば(9:45)途中退室を認める。解答用紙のみ教卓の所定の場所に提出してから、静かに退室すること

  問題用紙は持ち帰ること。次回の授業で使用する


 

1 植物のバイオテクノロジーにかんする問題

40点)

1-1 次の5つの文章は、ある漫画の記述に対してある啓発団体が訂正を求めた件を報じた記事に対するコメントである(授業で配布した文章と同一。誤字脱字等は原文のまま。句読点や改行は改変)。それぞれ科学的な視点で吟味し解説せよ。もし間違いがあれば指摘し、科学的に正しく解説せよ。

 

1.      遺伝子組替えが自然の産物ではないのは明らかだからね。「虫も食わないようなものが安全なのか」という不安は少なからずあるだろう。飼料にして一般市場には出回らないにしても、それを食べて血肉とした家畜の肉は出回る場合もあるだろうし。結局巡り巡って人間に返って来るんじゃない?

 

2.      正直言って遺伝子組み換え食品はリスクが高いと思う。そもそも遺伝子を直接操作するということは、例えになるが自身の子供が生まれる前に人の手を加えて優秀な遺伝子のみにして作り変えるようなもの。大げさな例えであまり現実的ではないが、リスクがあまりにも高すぎる。そして最大のリスクだと思うのが突然変異!突然変異は食材だけでなく生きるもの全てにあるが、これが人の手による遺伝子操作の物だったらいったいどうなってしまうのか!!ブロッコリーの突然変異がカリフラワーだけど、あんな感じにいい結果になるのは極稀な話。突然変異の殆どが最悪の結果しかない。遺伝子研究も中途半端なのにそれを進めるのは間違いだと思う。どうしても安全だと言うのなら100年位かけての実験とデータが必要だと思う。短期間でのデータでは役に立たない。

 

3.      遺伝子組換えが100%安全なのでしょうか?遺伝子組換え食品を多量に摂取した人としてない人で何世代もの経過をみて異常が無ければ100%安全に近いと言えると思いますが、今は230年位の実験では実験経過中かと思います。科学者なら「100%安全」と言えるまでのデータを示さなければダメですね。簡単生産、コスト削減で売ってしまうとするのは現段階において金儲けだけのようにみえます。だから食品を買う場合に「遺伝子組換えではない」を確認して買ってるのが私の現状です。

 

4.      俺は遺伝子組み換えだろうが何だろうが、安かったり旨かったりするなら食うよ。ほっといても治るような病気になった時、医者に行って完全に人工物の薬を大量にもらい飲んでる人や、子供にも何の心配もなく与えている親とか、そんな人達がなぜ遺伝子組み換え食品には過剰に拒絶反応を起こすのか、俺には理解出来ない。化学物質の塊である薬の方が子孫にまで影響を及ぼしそうだと思う。

 

5.      人が意図的に変異させた「遺伝子組換え作物」と、自然に変異した「遺伝子組換えでない作物」。人体に予想外の影響を与える可能性に関しては、後者の方が大きい気がする。この漫画に限らず、天然物や自然食品に対する現代人の意識の持ち方は、もはや信仰に近い物があると思う。農薬に関しては、一度の摂取が微量で悪影響がなくても、長期間摂取を続けていれば影響が出てくるんじゃないのかなと思う。でも現状の農業で農薬を使わないなんてのは、あり得ないのも事実。無農薬栽培だの有機栽培だので、現在の収穫量や農家の収入を維持することは不可能に近い。「遺伝子組換えはダメ」「農薬はダメ」なんて無責任に言うだけでなく、現実的な側面で意見を発信しろよ。


 

2 動物とヒトのバイオテクノロジーにかんする問題

60点)

2-1  次の3種のヒト由来の細胞について、それぞれの細胞を作る方法の利点と欠点をまとめて解説せよ。

 

a. 受精卵由来の胚盤胞から作ったES細胞

b. クローン胚から作ったクローンES細胞

c. 患者の体細胞から作ったiPS細胞

 

 

2-2  2-1にあげた3種のヒト由来の細胞について、それぞれの細胞から移植用臓器を作ろうとした。それぞれ利点と欠点をまとめて解説せよ。

 

 

2-3  T型糖尿病は自己免疫疾患の一種と考えられている。インスリンを作る臓器の細胞が自己と認められないため免疫的な攻撃対象となり、インスリンの分泌が不完全となる病気である。この患者を移植治療するためには、問2-1にあげた3種のヒト由来の細胞のうちどの細胞を作るのが妥当か。また、その細胞から移植治療用の臓器を作るためにはどのような工夫が必要か。簡潔に解説せよ。

 

 

2-4 2ヶ月前に封切りされた映画に次のような場面があった(公式サイトの「ストーリー」より改変)。問に答えよ。

 

アルツハイマー病に対する画期的な新薬が開発され、これをチンパンジーに対して試験(ウイルスベクターを利用した遺伝子治療)していると、そのチンパンジーが高い知能を持つことがわかった。しかし、このチンパンジーは不運な事件により殺害されてしまう。ところが、このチンパンジーは妊娠しており、胎児は生きたまま密かに救出された。親の遺伝子を引き継いだ子チンパンジーは無事成長し、うまれながらにして親以上に知能が発達していた。人間に虐待されるなどの事件をきっかけに、この新種のチンパンジーは人類を敵視するようになり、アルツハイマー病新薬を利用して高い知能を持つように変異した新種の類人猿たちのリーダーとなり、彼らと人類との間で全面戦争が勃発した。

 

このストーリーならば、ある薬剤により遺伝子治療した個体(高い知能を持つ)からうまれた子が親以上の(ヒト並の)能力を獲得したことになる。このようなことが起こり得るためには、どのような変化や「遺伝子治療」が必要か。ゲノム、遺伝子の視点で遺伝情報の流れをからめて解説せよ。


 

 

 


平成23年度 前期末試験問題 (第7講−第13講)

平成23729日(金) 9:1510:15

 

・教科書 p143 までの範囲

基本用語「DNA」「遺伝子」「ゲノム」等を理解しているか

遺伝子の構造と転写・翻訳の基本を理解しているか

DNAの遺伝情報をもとに作られるタンパク質の機能の意味を理解しているか

基礎的なバイオテクノロジーの技術を理解しているか

 

 

質問等は電子メールで

☆わかりやすい件名(Subject)を必ずつけること

 Subjectのないメールは受け取れません(迷惑メール対策)

☆必ず名のること

24時間以内に返事します。

 返事か無ければ受け取っていない可能性が高いので

 アドレスや件名を見直して再送して下さい。

☆試験前日の質問は、試験当日に回答します。

 

 

試験当日の注意事項:

・試験時間を60分とします。試験開始時間が通常より10分早まります。

 

・講義と同じ場所です。

 着席する順番は問いませんが、着席可能な場所は指定します(カンニング防止のため)。

 

・次の資料の持ち込みを認めます。

  教科書、副読本、配付資料、ノート

 

・次の機器の使用を禁止します。

  パソコン、電子辞書、ケータイなどの電子機器類

 

他人の文章を丸写ししないように。コピー解答は厳しく採点します。

 

・試験時間は60。時間配分には十分に留意し、白紙解答がないよう

 全問題解答するように(選択問題はない)。

 

・今回の試験から監督の方法が変わりますので、定時に開始し定時に

 終了とします。すなわち、試験時間は9:1510:15です。

 

・答案は配布した所定の解答用紙に書くこと。

 解答スペースが不足した場合は、同じ解答用紙の裏面を使ってもよい。

 

・試験開始後30分以上経過すれば(9:45)途中退室を認めます。

 解答用紙の裏面も使っていいことにしているため、解答用紙のみ教卓の

 所定の場所に提出してから、他の受験者の迷惑とならないよう静かに

 退室すること(特にドアの開閉)。

 

・試験終了後、解答用紙のみ回収します。

 問題用紙は持ち帰ること。次回の解説で使います。

 第8講から第13講までの授業前レポートも解答用紙と同時に回収します。

 

 


予定問題(変更することがあります)(随時公開します)

3問の予定

「具体的な遺伝子」の範囲から2問(60点)

「基礎的なバイオテクノロジー」の範囲から1問(40点)

 

 

平成23年度 前期末試験問題 (第7講−第13講)

「バイオテクノロジー」

問題用紙2枚(本紙を含む)と解答用紙3枚を配布する。問題は3問ある。3問とも解答せよ。

解答は所定の解答用紙を使用し、解答スペースが不足したときは、同じ解答用紙の裏面を使ってもよい。

小問の解答順序は問わない。極端な誤答は減点する。

 

130点)遺伝の形式に関する問題

2種類の品種のエンドウ、種子の形が「丸」で子葉の色が「黄」と、種子の形が「丸」で子葉の色が「緑」を交配させると、次のようなエンドウが収穫できた。

種子が「丸」で子葉が「黄」   300

種子が「丸」で子葉が「緑」   300

種子が「しわ」で子葉が「黄」 100

種子が「しわ」で子葉が「緑」 100

「丸」の種子は「しわ」の種子に対して優性、「黄色」の子葉は「緑色」の子葉に対して優性であり、ともに1組(1対)の対立遺伝子で説明できることがわかっている。また、コピー数多型は見つかっておらず、メンデルの遺伝の法則に従うとものする。次の問に答えよ。

「対立遺伝子」「表現型」などの遺伝学用語を正しく使って結論だけを示すのではなく

その答えに至った経緯も含め、簡潔に解説すること。

 

 1)

 2) 略(独立と連鎖 交叉(組換え)と連鎖)

 

 

230点)野菜などの品種に関する問題

 F1品種と自家受粉でできたF2品種の特徴

 形質に関わっている対立遺伝子が4種以上あるとする

 

 

340点)基礎的なバイオテクノロジー技術に関する問題

ヒトのある遺伝子Aの構造を解明するため、遺伝子Aの両端部分の配列からPCRプライマーを設計し、mRNAを鋳型としてPCRを行った。

このPCR増幅断片について、次の問に答えよ。

結論だけを示すのではなく、その答えに至った経緯も含め、簡潔に解説すること

EcoRI GAATTC 6塩基を認識し、1塩基目と2塩基目の間の結合を切断する酵素である。

 

 1) 略(アガロースゲル電気泳動法の原理)

 2) 略(制限酵素)

 3) 略(PCR増幅断片と制限酵素)

 4) 略(遺伝子の構造・エキソンとイントロン)

 

 


平成23年度 前期中間試験 (第1講−第6講)

平成230527日(金) 9:2510:15 予定

 

最初の試験ですので、基礎的な用語の意味を理解しているかを問います。

 

授業前に書いてもらっているレポートの課題をふまえて、以下の項目を理解しているかを問う試験です。

0. 基本用語「DNA」、「遺伝子」、「ゲノム」、「染色体」、「タンパク質」

1. 細胞から細胞へ、親から子への遺伝情報の流れ

2. DNAからタンパク質への遺伝情報の流れ=転写・翻訳=

3.「分子生物学のセントラルドグマ」が成り立つことの意味

 

 

科学用語DNA、遺伝子、ゲノム、遺伝情報、タンパク質など)を正確に使って(使い分けて)解説できるかどうか。

すべて記述式です。簡潔に解説するように。

箇条書きやメモは採点しません。

図示してもかまいませんが、必ず解説文をつけること(図のみは採点しません)。

極端な誤答は減点することもあります。

 

 

予定問題(変更することがあります)

1:細胞から細胞へ、親から子へ、細胞内での遺伝情報の流れにかんする問題

 基本用語を使って遺伝情報の流れを解説する。

基本用語の理解を問う。

2:農作物の品種改良にかんする問題

 新聞記事を題材に、基本用語の理解を問う

 ある性質を持つタンパク質の遺伝子が見つかったとする。

 この性質を既存の農作物に持たせるにはどうすればいいのか。

 従来の品種改良技術と遺伝子組換え技術の本質的な相違点

 

試験当日の注意事項:

・講義と同じ場所です。

 着席する順番は問いませんが、着席可能な場所は指定します(カンニング防止のため)。

 

・次の資料の持ち込みを認めます。

  教科書、副読本、配付資料、ノート

 

・次の機器の使用を禁止します。

  パソコン、電子辞書、ケータイなどの電子機器類

 

他人の文章を丸写ししないように。コピー解答は厳しく採点します。

 

・試験時間は50分。時間配分には十分に留意し、白紙解答がないよう

 全問題解答するように(選択問題はない)。

 

・教科書等の持ち込みを認めますので、ある程度人数がそろいしだい

 試験を開始します(朝一の試験でもあるため。10分程度)

 早めに出席するように。

 

・答案は配布した所定の解答用紙に書くこと。

解答スペースが不足した場合は、同じ解答用紙の裏面を使ってもよい。

 

・試験開始後30分以上経過すれば(9:55)途中退室を認めます。

解答用紙の裏面も使っていいことにしているため、解答用紙のみ教卓の

所定の場所に提出してから、他の受験者の迷惑とならないよう静かに

退室すること(特にドアの開閉)。

 

・試験終了後、解答用紙のみ回収します。

 問題用紙は持ち帰ること。次回の解説で使います。

2講から第6講までのレポートも解答用紙と同時に回収します。

 

 

 

質問等は電子メールで

☆わかりやすい件名(Subject)を必ずつけること

 Subjectのないメールは受け取れません(迷惑メール対策)

☆必ず名のること

24時間以内に返事します。

 返事か無ければ受け取っていない可能性が高い。

 

 

 

試験前に公開していた試験問題問題文は試験終了後アップします

平成23527日(金) 9:2510:15

 

平成23年度 前期中間試験問題 (第1講−第6講)

「バイオテクノロジー」

問題用紙(本紙)と解答用紙4枚を配布する。問題は2問ある。2問とも解答せよ。

解答は所定の解答用紙を使用し、解答スペースが不足したときは、同じ解答用紙の裏面を使ってもよい。

小問の解答順序は問わない。極端な誤答は減点することがある。

 

1 ヒトを対象にして、「遺伝子」「ゲノム」「DNA」「細胞」「タンパク質」を

全て使い、次のテーマで200字以上のオリジナルな解説文を書け。

それぞれの学術用語の意味を使い分けて解説すること。(60点)

 問1-1 

 問1-2 

 問1-3 

 

2 次の新聞記事を読み、問に答えよ。(40点)

「シダのゲノム初解読=植物進化解明や農業応用期待―基礎生物学研や金沢大など」

 時事通信 57()1515分配信

 問2-1 (遺伝子 ゲノム 品種改良)

 問2-2 この記事が配信されていたインターネットサイトに次のようなコメントがあった

 (原文ママ)。これらのコメントをした人たちに、授業で学んだことを教えてあげてください

 (個別でもまとめてでもよい)。(おまけの問題です)

 

 

実際の試験問題(問2の新聞記事とそのコメントは省略)

 1-1 細胞から細胞への遺伝情報の流れ

 問1-2 親から子への遺伝情報の流れ

 問1-3 細胞内での遺伝情報の流れ

 

 問2-1 「乾燥や病害虫に強いという性質に関連する遺伝子」が仮に見つかったとして、この遺伝子を「農作物の品種改良」にどのように応用できるだろうか?

トウモロコシの品種改良を想定し、「遺伝子」「ゲノム」「DNA」「タンパク質」をすべて正しく使って解説せよ。

 

 


解答例と解説(唯一の正解というわけではない)

 

遺伝情報の流れを「ゲノム」「遺伝子」「DNA」などの用語を正しく使い分けて解説する。

 

1-1

細胞から細胞への遺伝情報の流れ

全ての生物は細胞からなり、細胞内には遺伝情報の化学的な本体であるDNAがある。DNAはヌクレオチド(塩基)の重合体であり、その生物を構成するのに必要な塩基配列全てがゲノムである。ゲノムの中でもタンパク質のアミノ酸配列の情報の書かれている領域が遺伝子である。体細胞分裂により、ゲノムが複製され、娘細胞に親細胞と同じ遺伝情報が受け継がれる。遺伝情報の本体であるDNAには塩基の相補性があり、アデニンとチミン、グアニンとシトシンは常に対になっている。この相補性により、DNAは正確に複製される。

 

 

1-2

親から子への遺伝情報の流れ

親の持つゲノムが減数分裂によって生じた生殖細胞のゲノムに再編され、両親のゲノムが合体することで子のゲノムができる。ヒトの体細胞には2346本の染色体が含まれている。対になっている相同染色体は卵子と精子に含まれていた染色体由来である。ヒト遺伝情報は多様性があり、塩基配列でみて0.1%ぐらいの違いがある。このため、相同染色体間でほとんどの塩基配列は同じであるが、0.1%ぐらいの違いがある。減数分裂時に相同染色体は分裂して生じる娘細胞に分配されるため、異なるゲノムを持つことになる。減数分裂で生じた多様な配偶子が受精することで、ユニークなゲノムを持つ子が誕生する。

 

 

1-3

細胞内での遺伝情報の流れ

遺伝子の単位で転写・翻訳が行われる。転写はDNAを鋳型としてmRNAが合成される過程で、翻訳はmRNAのコドンの情報によりタンパク質が合成される過程である。それぞれ核内、リボソームで起こる。

 

 

2-1

「乾燥や病害虫に強いという性質に関連する遺伝子」が見つかったとする。この遺伝子が単独で働くのであれば、この遺伝子の塩基配列を持つDNAをトウモロコシゲノムに導入することで乾燥や病害虫に強くなる可能性がある。

目的の遺伝子由来のタンパク質の性質を調べ、

 

 

2-2

1.      農作物の遺伝子操作に活かす…やめてくれ。

有史以来、農作物の品種改良は、結果的に遺伝子操作している。

 

2.      そりゃよかったが、遺伝子組み換え作物は勘弁してほしい。生き物が生かし合う仕組みまでいじって食べたくない。

遺伝子組換え技術だけが遺伝子操作ではない。従来の品種改良技術でも野生の植物などが大幅に遺伝子やゲノムが組みかえられて作られている。生物が生かし合う仕組みは、同時に殺し合う仕組みでもります。人間だけその連鎖から脱することはできません。

 

3.      人が入り込んではいけない領域な気がする。なにか重大なことが起きるんじゃないかと心配です。

遺伝子組換え技術がどのようなものかわからないうちは、確かに不安でしょう。しかし、従来の品種改良技術と遺伝子組換え作物の本質的な相違点を見てみれば、その不安のいくつかは解消できるはずです。遺伝子組換え技術が「人が入り込んではいけない領域」なら、今売られている野菜や家畜やペットなど、すべてその領域に入り込んで作られたものです。

 

4.      SFじゃないけど、遺伝子操作しすぎて歩き回って人を喰らう植物を生み出すのはカンベンな。

遺伝子組換え技術でできるのは、ゲノムに遺伝子を導入するだけです。生物の基本システムまで換えることはできませんし、新種ができるわけでもありません。

 

 

 

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無断転載を禁じます。 ashida@msi.biglobe.ne.jp・芦田嘉之

2014312() 更新

 

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