第6章 講義メモ

 

 

○第1回 0406日(金)

 

  自己紹介

  年間授業概要 週番など

  定期試験のやりかた

  教科書の説明

  「やさしいバイオテクノロジー」の紹介

  本Webサイト(http://www2.biglobe.ne.jp/~ashida/kurekousen/)の紹介

   表紙のページを印刷して配布

  サブテキストの「最新図説生物」を紹介

  「遺伝子組換え食品アンケート」を実施

  その結果に対する若干の解説 リスクに対する解説

  農薬、食品添加物の正しいリスク認識

  食品に含まれる発ガン物質 コーヒーのカフェイン 食品中のダイオキシン

  生野菜に含まれる有害物質

   目黒寄生虫館の紹介 生野菜や野生動物の危険性

  無農薬栽培野菜と農薬栽培野菜

   植物の生体防御機構

  ニセ科学と科学の違い

   科学的な説明の仕方とニセ科学の特徴

  代表的なニセ科学=血液型性格判断、水からの伝言、マイナスイオン、ゲーム脳

  松岡農水相ご愛飲のナントカ還元水=活性水素水の解説

   水素分子、水素イオン、活性水素の違い

  購入した活性水素水=「スーパー活性水素水 ミラクルスプリング」

 

次回は遺伝子組換え大豆使用の納豆(A-HITBio社「納豆のススメ」)を持参しますので、食べてください。

賞味期限は910日ですが、解凍させながら持っていきますので、必ず当日食べきってください。

あらかじめWebA-HITBioの「納豆のススメ」を参照しておくと、おいしく食べられると思います。

 http://www.a-hitbio.com/product/natto.html

 

 

  次回の講義予定

  教科書 「序章 基本用語の解説」

  教科書 「第1 1-1 マクロな生物学-生物とは何なのか」

  Web版  「2-1. 生物の基本

   生物の特徴(生物の定義ではない)

   生物進化 生物種 ウイルス 代謝などの説明

  DNA、遺伝子、ゲノムの簡単な説明

  通常の品種改良と遺伝子組換え食品の違い

   同じ生物種であるキャベツ、ブロッコリ、カリフラワーなどの説明に実物を持参

 

 

○第2回 0413日(金)

 

  DNA、遺伝子、ゲノムの簡単な説明

教科書 「序章 基本用語の解説」

Web版  「1-1. 資 料」の「基本用語の概説」

DNA、遺伝子、ゲノムの基本的な解説

タンパク質の基本的な構造や機能などの解説

 

  教科書 「第1 1-1 マクロな生物学-生物とは何なのか」

生物の特徴(細胞・代謝・自己複製)

種とは何か

オオカミとイヌ、ウマとロバ、イノシシとブタ

アブラナとケール、ブロッコリ、カリフラワー、キャベツ、ムラサキキャベツとの関係

(ブロッコリ、カリフラワー、キャベツ、ムラサキキャベツ持参)

 

  「遺伝子組換え食品」と「ゲノム組換え食品(通常の品種改良品)」の違いを解説

野球とのアナロジーで解説(教科書 p175 p177

遺伝子組換え食品の例として「納豆のススメ」全員に配布

 (添付のパンフレット回覧)

 http://www.a-hitbio.com/product/natto.html

通常の品種改良野菜として、キャベツ、ブロッコリ、カリフラワー、ムラサキキャベツ(以上、実物)、ケール(写真)

 

遺伝子のレベルでの両技術の違い タンパク質の構造と機能

 キャベツとムラサキキャベツの色の違いはなに?

 ブロッコリとカリフラワーの色の違いはなに?

 キャベツとブロッコリの形の違いはなに?

 ダイズと遺伝子組換えダイズの違いはなに? すべて遺伝子レベルで説明

両技術の安全性のチェック、法的な規制の違い

 

遺伝子組換えダイズと普通のダイズ(独立行政法人農業生物資源研究所で撮影した写真)

 

 

  次回の講義予定

教科書 「第1 1-1 マクロな生物学-生物とは何なのか」生物の分類 生物の進化

教科書 「第1 1-2 分子生物学の基礎と細胞生物学」遺伝子 ゲノム 染色体

 今日、話をしなかった染色体を中心に解説する予定です。

 

グリーンピース・ジャパンが配布している『トゥルーフード・ガイド』の紹介

http://www.greenpeace.or.jp/campaign/gm/truefood/

 

「青いバラ」はどうやって作ったのか

http://www.suntory.co.jp/company/research/blue-rose/

特別展『花 FLOWER 〜太古の花から青いバラまで〜』「国立科学博物館 324()617()

http://www.kahaku.go.jp/exhibitions/ueno/special/2007/flower/

 

 

科学技術週間(416()22()まで)

http://stw.mext.go.jp/

「一家に1枚 宇宙図 2007」(広島市こども文化科学館広島市交通科学館などでA2判を無償配布)

昨年度の科学技術週間で配布された「一家に1枚 ヒトゲノムマップ」の第1版第32007327日(有料)を配布予定

「元素周期表(第3版)2006325日発行を閲覽予定

 

 

○第3回 0420日(金)

 

  ブログの紹介 http://yoshibero.at.webry.info/

  教科書 「第1 1-1 マクロな生物学-生物とは何なのか」生物の分類 生物の進化

  教科書 「第1 1-2 分子生物学の基礎と細胞生物学」遺伝子 ゲノム 染色体

 

今週は科学技術週間416()22()まで)

http://stw.mext.go.jp/

「一家に1枚 宇宙図 2007広島市こども文化科学館広島市交通科学館などでA2判を無償配布している。

昨年度の科学技術週間で配布された「一家に1枚 ヒトゲノムマップ」の第1版第32007327日(有料)を配布

「元素周期表(第3版)2006325日発行を閲覽

 

遺伝子の役割は?(犬の体格に関与する遺伝子 46日のScience誌)

Nathan B., et al., A Single IGF1 Allele Is a Major Determinant of Small Size in Dogs.

Science, 316(5821), 112 - 115 (6 April 2007)

この論文のAbstract と朝日新聞の記事を配付

この論文をネタに、遺伝子の役割を説明 ヒトゲノムマップ活用

 

ゲノムとはなにか?(アガゲザルゲノム 413日のScience誌)

Human Genome Sequencing Center, et al.,

Evolutionary and Biomedical Insights from the Rhesus Macaque Genome

Science, 316(5822), 222 234 (13 April 2007)

この論文のAbstract と朝日新聞の記事を配付

この論文をネタに、ゲノムを説明 ヒトゲノムマップ活用

 

染色体ってなに?

ヒトゲノムマップ活用

DNA、遺伝子、ゲノム、染色体の簡単な解説とまとめ

 

DNAはどこにあるのか?

細胞核 核ゲノム

ミトコンドリア内 ミトコンドリアゲノム

葉緑体内 葉緑体ゲノム

 

 

進化ってなに?(恐竜コラーゲンのアミノ酸配列から現存の鳥類との類似性 413日のScience誌)

Mary Higby Schweitzer, et al.,

Analyses of Soft Tissue from Tyrannosaurus rex Suggest the Presence of Protein

Science, 316(5822), 277 280 (13 April 2007)

この論文のAbstract と朝日新聞、読売新聞などの記事を配付

この論文をネタに、進化の概念を解説

 

アガゲザルゲノムのAbstractに書いてあるヒト、チンパンジー、アカゲザルの各ゲノム間の相同性と進化への位置づけ解説

進化論の誤解を簡単に紹介(生きた化石、進化は進歩ではない、高等生物・下等生物という概念はない、創造論)

 

ヒトは進化の頂点ではない

「ヒトはサルから進化した」わけではない

「ヒトはチンパンジーより高度に進化している」わけでもない

 

Michael Hopkin

Chimps lead evolutionary race.

Nature, 446, 841 (19 April 2007)

ヒトとチンパンジーで対応関係にある遺伝子を調べると、意外な事実が、、、。

詳しくは上記記事を読んでみてください。なかなかおもしろい(記事のタイトルからもわかりますね)。

 

進化は、遺伝子・ゲノムを解析することでも解明可能

 

 

分子生物学のセントラルドグマ

転写・翻訳・DNA複製の概略を解説

 

 

遺伝子組換えの話

「青いバラ」=「不可能」 育種ではできない

 

青いバラを遺伝子組換え技術で作製

特別展『花 FLOWER 〜太古の花から青いバラまで〜』「国立科学博物館 324()617()」の紹介

特別展の「図録」を紹介

最相葉月著「青いバラ」(小学館・\1,680 20010520日初版第1刷)紹介

最相葉月著「青いバラ」(新潮文庫・\820 20040601日発)紹介

青いカーネーション

 

グリーンピース・ジャパンが行っている『トゥルーフード』運動の紹介

 グリーンピースが言うところの本当の食品とはなにか

 グリーンピースが言うところの悪魔の食品とはなにか

遺伝子組換え技術と古典的品種改良とのちがい-遺伝子・ゲノムレベルでの解説

 

遺伝子組換え食品の誤解の原因=>遺伝子とゲノムの混同

 誤解の伝播はどうやっておこるのか

 418日放送の「ザ!世界仰天ニュース」DNAスペシャル2 人格は遺伝が作る?環境が作る?

 この番組の結論は、双子の研究から、人格形成は環境より「遺伝子」の影響が大きいというもの

  「遺伝子」の使い方が変

  「氏か育ちか」論争の極端な一方の説のみ紹介

  多くの双子研究は「捏造」だと判明している

 

 

  次回の講義予定

教科書 「第1 1-2 分子生物学の基礎と細胞生物学」の残り

細胞の種類と体細胞分裂 生殖細胞 減数分裂 受精と胚発生

 

 

 

○第4回 0427日(金)

 

  教科書 「第1 1-2 分子生物学の基礎と細胞生物学」

細胞の種類と体細胞分裂 生殖細胞 減数分裂 受精と胚発生 など

 

参考教科書を紹介し、回覧

「エッセンシャル発生生物学 改訂第2版」(羊土社・20072月刊)

「ケイン生物学」(東京化学同人・2004年)図書館蔵

「新しい発生生物学」(ブルーバックス・2003年)図書館蔵

 

先週は科学技術週間 http://stw.mext.go.jp/

今年度配布された「一家に1枚 宇宙図 2007」(2007327日 第1A2判)を配布

 

内閣府食品安全委員会が作成しているDVDソフトを紹介 実物を持参、回覧

・「気になる農薬」

・「遺伝子組換え食品って何だろう?」

 食品安全委員会のWebサイトより、送料のみで手に入れることができる。

 政府公報オンライン(http://www.gov-online.go.jp/)から、ネット上で観ることができる

 

興味深い書籍の紹介:

・農林水産省中国四国農政局監修、橋本崇夫他作画「食の安全・安心の実現に挑む まんが 農業ビジネス列伝5 秋川牧園物語」(家の光協会) \350 20070315日第1刷

農林水産省中国四国農政局が監修・企画しているマンガシリーズの1

農薬、遺伝子組換え技術に対して、食品安全委員会が作成したDVDとは全く正反対の主張をしている。

 (この本を食品安全委員会のDVD版と比較して批判したブログを公開中)

 

シルヴァー著、楡井浩一訳「人類最後のタブー バイオテクノロジーが直面する生命倫理とは」(日本放送出版協会)

 \2,730 20070330日第1刷

最高におもしろい!

生命科学の科学者が書いた生命倫理の本。クローンの話題の他、これまでに話した農薬などの化学物質と天然の話、遺伝子組換え技術の話など、興味深い話題をわかりやすく解説している。科学的思考とはどういうものか、具体例を挙げて解説しており、日本のテレビ・新聞で垂れ流されている通説、常識をことごとく覆してくれる。ニセ科学、科学分野の捏造の話も。どの章からでも興味のあるところから読めるようになっている。

 

 

多細胞生物の細胞の種類

 体細胞と生殖細胞の違い

 染色体レベルでの違い

 

以下、ヒトの場合を中心に解説

 

細胞分裂の種類

 体細胞分裂と減数分裂

 体細胞分裂の細胞周期

  DNA合成

 細胞分裂の時の染色体の伝わり方

 減数分裂の時の交叉 キアズ

 生殖細胞の種類 卵子と精子の違い

 

受精と胚発生

 受精卵のゲノム構成 卵子ゲノム+精子ゲノム+卵子ミトコンドリアゲノム

 体細胞は受精卵のクローン細胞

 細胞レベルと染色体レベルと遺伝子レベル

 

生殖はなぜ進化したのか

 

直系であっても遺伝情報は意外に早く薄まる

 

Y染色体の特殊な遺伝形式

 交叉がほとんど起こらない唯一の染色体

 天皇の男系継承の説明に利用

 

ミトコンドリアの特殊な遺伝形式

 母系遺伝する唯一のゲノム

 

遺伝情報の伝わり方

 細胞から細胞へ、親から子へ伝わるのはゲノムの遺伝情報

 

 

  次回の講義予定

教科書 「第1 1-3 ミクロな生物学 遺伝子の一生」

DNAの構造 DNAの複製 アミノ酸とタンパク質の構造

 

社団法人 農林水産先端技術産業振興センター 作製の資料を配付予定

 

 

 

○第5回 0511日(金)

 

  教科書 「第1 1-3 ミクロな生物学 遺伝子の一生」

DNAの構造 DNAの複製 アミノ酸とタンパク質の構造 タンパク質の種類

遺伝子の転写と翻訳の概要 など

 

農林水産省本省「消費者の部屋」で配布しているパンフレット類 から

次のふたつの資料を配付、紹介

(膨大なパンフレット類がある。チェックして、興味を持ったものは取り寄せてみるとよい)

 

社団法人 農林水産先端技術産業振興センター 作製

・『バイテク小辞典 遺伝子組換えハンドブック』第1版

・『Step up 「遺伝子組換え農作物」を知るために ステップアップ編』200701月第7版

 

Web版「バイテクコミュニケーションハウス」を参照

http://www.biotech-house.co.jp

 

「ハンドブック」は2004年の初版から改訂されていない。コンパクトな事典として使える。上記のWeb版にも「ハンドブック」に納められている「用語集」や「バイテクQ&A集」がある。

「ステップアップ編」は毎年のように改訂されており、新しいデータが追加されている。改訂により、説明の仕方や記述内容がより洗練されている。

 

参考書籍紹介:

1.   武村政春著「生命のセントラルドグマ RNAがおりなす分子生物学の中心狭義」(ブルーバックス・200702月刊)図書館蔵

転写・翻訳の仕組みをRNA分子中心に解説。文章は一見平易だが、かなり突っ込んだ最新の話題も含まれている。高校生の学力でも理解できる程度に書かれているので、授業で得た転写・翻訳の基本的概念を理解すれば、すんなりと通読できるはず。同じ著者がDNA複製について書いた本もある(「DNA複製の謎に迫る」(ブルーバックス・2005年刊)図書館蔵)。

2.   ワトソン、ベリー著、青木薫訳「DNA 上 二重らせんの発見からヒトゲノム計画まで」(ブルーバックス・2005年刊)図書館蔵

3.   ワトソン、ベリー著、青木薫訳「DNA下 ゲノム解読から遺伝病、人類の進化まで」(ブルーバックス・2005年刊)図書館蔵

著者のワトソンはDNAの二重らせん構造を発見(1953)したグループのひとり。2003年がその50年目ということで、様々な催しがあった。本書の原著はその2003年に刊行され、同じ年に講談社から翻訳本が刊行された。紹介する本はそのブルーバックス版。当事者による恐ろしく多岐にわたる話題が詰め込まれている。どこからでも読めるので、興味ある話題から読めばよい。ワトソンの名著「二重らせん」(講談社文庫)と同様、ズケズケと物言うところが楽しい。たとえば、上p269を見よ!

 

 

DNAの構造

ヌクレオチドの重合体

ヌクレオチドの種類と構造

二重らせん構造と相補性(ATGC

 

DNAの表記方法

合成方向と相補性を考慮

一本鎖の場合、二本鎖の場合

 

DNAの複製

半保存的複製

DNAポリメラーゼ プライマ

岡崎フラグメント DNAリガーゼ

 

アミノ酸の構造と種類

タンパク質合成に使われる20種のアミノ酸

 

アミノ酸の表記

三文字表記

一文字表記

 

タンパク質の構造

ペプチド結合

アミノ酸配列の表記方法

タンパク質の高次構造

 

タンパク質の種類

 

遺伝子の転写と翻訳の概要

分子生物学のセントラルドグマ その2

 

地球上の生物にみられる基本分子とセントラルドグマの共通性

 

 

  次回の講義予定

教科書 「第1 1-3 ミクロな生物学 遺伝子の一生」

RNAの構造と種類 転写と翻訳の詳細 翻訳後修飾

 

 

 

○第6回 0518日(金)

 

  教科書 「第1 1-3 ミクロな生物学 遺伝子の一生」

RNAの構造と種類 転写と翻訳の詳細 翻訳後修飾

 

参考書籍の紹介:

岡田吉美著、「遺伝暗号のナゾにいどむ」(岩波ジュニア新書・20073月刊)図書館蔵

分子生物学の黎明期のワクワクするような人間くさい発見物語。遺伝子の本体がDNAであること、DNAの構造、遺伝子の発見、各種RNAの発見、コドンの発見、転写や翻訳の仕組みなどについて、誰がどのような背景でどのようにして発見したかをわかりやすく解説している。授業では時間の関係で紹介することができない人間模様が描かれている。

 

賀藤一示、鈴木恵子、福田公子、村井美代著「図解入門 よくわかる最新ヒトの遺伝の基本と仕組み 教養としての身近な遺伝学入門 ゲノムの常識」(秀和システム・20073月刊)

タイトルに図解で「よくわかる」とあるが、結構突っ込んだ内容。話題も多岐にわたっている。

 

 

 

セントラルドグマの概要 その3

 細胞核での転写、リボソームでの翻訳

 

RNAの構造と種類

 DNAとの違い 一本鎖 ウラシル

 mRNA tRNA rRNA

 

コドンとtRNA

 コドンとは tRNAの構造 アンチコドン

 

転写の仕組み

 mRNA エキソン イントロン スプライシング

 

翻訳の仕組み

 タンパク質合成 開始コドン 終止コドン

 翻訳制御

 

翻訳後修飾

 小胞体 ゴルジ体

 シグナルペプチド

 

ミトコンドリア、葉緑体での転写翻訳

 

 

  次回の講義予定

教科書 「第1 1-3 ミクロな生物学 遺伝子の一生」

進化と突然変異 病気と突然変異 塩基配列の変異とアミノ酸

細胞の多様性 ゲノムの多様性

Web2-7. 遺伝子と病気

 

平成19年度「世界禁煙デー」531日(木)

禁煙週間 531日(木)〜66日(水)

 

 

 

○第7回 0525日(金)

 

  教科書 「第1 1-3 ミクロな生物学 遺伝子の一生」

進化と突然変異 病気と突然変異 塩基配列の変異とアミノ酸

細胞の多様性 ゲノムの多様性

Web2-7. 遺伝子と病気

 

平成19年度「世界禁煙デー」531日(木)

禁煙週間 531日(木)〜66日(水)

禁煙週間のテーマ

「無煙環境を考える」

(参考)WHOのスローガン:「たばこ、煙のない環境」

Smoke-free environments

 

参考書籍の紹介:

レイリー著、高野利也訳、「病気を起こす遺伝子」(東京化学同人・20072月刊)

翻訳本のタイトルの「病気を起こす遺伝子」はあきらかにおかしい。帯には「どんな病気も、発病には遺伝子が関与している」とあり、これはやや変だがタイトルよりかなり言い表現になっている。原著のタイトルは「Is it in your genes? The influence of genes on common disorders and diseases that affect you and your family」と正確でわかりやすい。数多くの病気と遺伝子との関係を問答式に解説した良著。こんな病気まで遺伝子が関与しているのかと思えるものまであり、知識の幅が広がるであろう。それだけに日本語タイトルは損をしている。編集者のミス。

 

ルロワ著、上野直人監、築地誠子訳「ヒトの変異 人体の遺伝的多様性について」(みすず書房・2006年刊)

こちらの英文タイトルは「Mutants」。サブタイトルが「On genetic variety and the human body」で翻訳本タイトルもそのまま。数多くのヒトの変異例を古文書や古絵画もまじえて紹介されている。ゲノムの中のほんのわずかな変異で起こる奇形と呼ばれる変異体・ミュータントがあらわれる。しかし、病気といわれている変異だけがミュータントなのではない。そもそも正常体、あるいは標準体というヒトは存在しない。ヒトは全員ミュータントである。

 

中村桂子、山岸敦著「「生きている」を見つめる医療 ゲノムでよみとく生命誌講座」(講談社現代新書・200703月刊)

ゲノムレベルから見た「生きている」を実感する生命誌の解説書。わかりやすい。「生まれる」「育つ」「暮らす」「老いる」「死ぬ」過程をゲノムをキーワードにヒトの遺伝学を幅広くカバーした解説書。最近のトピックスも盛り込み、盛りだくさんの内容である。中村氏の著作は多いが、図書館に1冊しかないのは寂しい。興味を持てば、一度、高槻市の「JT生命誌研究館」を訪れることをおすすめします。

 

進化と突然変異

 染色体レベル 欠失、逆位、重複

 塩基レベル  置換、欠失、挿入

 フレームの説明 フレームシフト

 

病気と突然変異

 世界禁煙デー 531

 発ガン要因

タバコの害

 タバコパッケージ 警告表示8種を書いたパッケージ4個を回覧した。

 世界の警告表示例の印刷物を回覧した、

 

塩基配列の変異とアミノ酸

 突然変異(1塩基置換)によりタンパク質の機能が変化する理由

 アミノ酸置換

 終止コドンへの置換 ナンセンス変異

 

細胞の多様性

 体細胞は同じゲノムを持つのに、なぜ多様な細胞があるのか

 体細胞は受精卵のクローン細胞

 ゲノムと遺伝子と転写調節

 タンパク質の種類と構造と機能 -> 細胞の多様な構造と機能

 

ゲノムの多様性

 DNAは意外と満身創痍

 複製ミス 突然変異

 紫外線とチミジンダイマーと皮膚ガン

 テロメアと寿命 テロメアとガン細胞 テロメアと生殖細胞

ウイルス感染とゲノム

 抗体産生細胞B細胞 利根川進の業績 抗原・抗体反応と免疫

 

転写翻訳システムのまとめ

 遺伝子の構造(エキソン(翻訳領域と非翻訳領域)とイントロン)

 遺伝子(エキソンとイントロン)->mRNA(エキソン)

 mRNA(エキソン:翻訳領域と非翻訳領域)->タンパク質(翻訳領域)

 

試験対策

 4-1. 平成19年度 定期試験問題

 

 

 

○前期中間試験 0601日(金)

 

試験範囲:教科書「序章」「第1 1-11-21-3

 

シラバスに記載の通り、記述式の試験です。

試験対策はWeb上にも記載します。

4-1. 平成19年度 定期試験問題

平成16年度以降の過去問も公開していますので、参考に。

4-2. 平成18年度 定期試験問題

 4-3. 平成17年度 定期試験問題

 4-4. 平成16年度 定期試験問題

 

試験当日の注意事項:

・次の資料の持ち込みを認めます。教科書、副読本、配付資料、ノート

 (他人の文章を丸写ししないように。コピー解答は退学相当の犯罪ですので、厳しく採点します)

・次の機器の使用を禁止します。パソコン、電子辞書、ケータイなどの電子機器類

・試験時間50分。問題が多いので、時間配分には十分に留意し、白紙解答がないように。

・試験にコドン表を使いますが問題文にコドン表はつけません。

必ずコドン表の書いた資料(教科書など)を持参するように。

 

 

採点基準など:

最初の試験なので、甘めに採点した。

 

1

1)を完璧に理解している解答には+α(最大5)した。

 

2

「遺伝子を食べる」ことの奇妙さを書いて欲しかった。この点を言及した解答には+α(最大5)した。

遺伝子組換え食品そのものの安全性を解答している者が多かった。この点は授業ではあまり講義していないので、これを問いたかったわけではなく、「遺伝子」の理解力を問いたかった。

遺伝子組換え食品自身の安全性に言及したものも、一応採点した。

 

3

「コドンがアミノ酸の合成する」ことの奇妙さに気が付けば簡単な問題。この点を的確に言及した解答には+α(最大5)した。

翻訳機構を分子レベルで理解できていれば採点した。

翻訳機構の解説の部分なので、開始コドンの有無は関係ない。

 

4

単に「誤り」としただけのものは採点しなかった。

1) 「遺伝子の本体」という言葉は曖昧であるが、教科書などに使われている。化学的な本体の意味で、DNAのこと。

2) 問題文に「1個の細胞で合成される」とあるように、選択的スプライシングのことではない。

3) 1 3) で解答したことの応用。原理的には可能だが実際には膨大な数になることを解答してほしかった。

4) 男性にもミトコンドリアがあることに気がついていれば採点した。

5) 基本的にはクローンだが厳密にみれば違うことに言及してほしかった。

 

 

レポート:

試験の成績の悪かった人(特に39点以下, 40点代の人はいません)、本当はもっとできるのに試験時間の配分に失敗して充分に書けなかった、記述式の試験になれていなくてうまく書けなかったという人のために救済措置をとります。

試験時の解答を補う内容を書いて提出のこと

 

メール(ashida@msi.biglobe.ne.jp宛)での提出は614日(木)まで。

Word などで書いたファイルかPDFファイルに変換したファイルをメールに添付するのが望ましい。

もちろん、メールの本文に記載してもよい。

 

レポートを紙に書くときは、A4のレポート用紙を使用し、615日(金)の授業の時間に提出のこと。

 

必ず自分が理解したことを自分の言葉で表現すること。

レポートの内容が良ければ(オリジナリティがあれば)採点し、前期末成績を集計するときに加味します(前期中間の成績は試験の点のみ。締め切りの関係上)。

 

 

 

○第8回 0608日(金)

 

  教科書 「第1 1-4 ミクロな生物学 具体的な遺伝子の構造」

チトクロームC遺伝子の構造

分子生物学的な系統樹

 

参考書籍の紹介:

篠田謙一著「日本人になった祖先たち DNAから解明するその多元的構造」(NHKブックス・200702月刊)

日本人の起原。

 

秋篠宮文仁編著「鶏と人 民族生物学の視点から」(小学館・200006月刊)

 教科書にも紹介している。

家禽の起原。分子生物学的手法を用いて、ニワトリを飼い始めた地域と時期を推定。

現存するニワトリのミトコンドリアゲノムを利用して推定している。

また、ニワトリの起源を文化的な視点からも考察している。

 

木寺良三写真、石原美紀子監「ドッグ・セレクションベスト200 見て楽しい、読んで役立つ世界の犬種図鑑」(日本文芸社・200701月刊)

 犬の多様性。人間の興味、好奇心、身勝手さの結晶。

 

リチャード・ドーキンス著、垂水雄二訳「祖先の物語 ドーキンスの生命史 上」(小学館・2006年刊)

リチャード・ドーキンス著、垂水雄二訳「祖先の物語 ドーキンスの生命史 下」(小学館・2006年刊)

地球上の生物の歴史を、現存する人からさかのぼることで進化を語る壮大な物語。

各ポイントに豊富なエピソードが語られていておもしろい。2冊で7千円近くするので、ちょっと高い。

 

リチャード・ドーキンス著、垂水雄二訳「神は妄想である 宗教との決別」(早川書房・200705月)(授業では紹介できなかった)

 ドーキンスの最新刊。神の存在をとことん否定する。途中にちりばめられた最新のドーキンス進化論も楽しめる。

 日本人にはなじみが薄いが、アメリカ人の信心深さには驚嘆するはず。親が子に同じ宗派の洗礼を受けさせることを犯罪的な行為と糾弾している。

 はたして、信仰心篤い人から宗教の呪縛をとくことができるか。

 

 

最近の話題:

DNAの二重らせん構造の発見者の一人、ワトソン博士のゲノムが公開される

 トホホな朝日新聞記事の紹介(ワトソン博士の写真を故クリック博士と間違える)

 

間違えられてしまったクリックの書籍として、クリック著、中原英臣、佐川峻訳「DNAに魂はあるか 驚異の仮説」(講談社・1995年)紹介

セントラルドグマの提唱者として紹介

 

 

具体的な遺伝子の構造

チトクロームC遺伝子を例にして解説

遺伝子の塩基配列の表記方法

転写:エキソンとイントロン スプライシング

翻訳:翻訳開始と翻訳終止 翻訳領域と非翻訳領域

 

アミノ酸配列から分子生物学的な進化の系統樹を探る

 チトクロームCタンパク質のアミノ酸配列の比較

全アミノ酸配列の判明している生物種から63生物種(ヒトから酵母、ミドリムシまで)を選び、そのアミノ酸配列のマルチアライメントズをパネルにして持参

 

進化とは何か

突然変異

あたらしい生物種の起源

 人類

  参考:

   ネアンデルタール人の一部の塩基配列

 イヌ オオカミとイヌの遺伝情報の比較

 ニワトリ

  参考:

全ゲノム情報

チンパンジー

アカゲザル 200704

フクロネズミ 200705月(有袋類)

メダカ 200706

 

  次回の講義予定

教科書 「第1 1-4 ミクロな生物学 具体的な遺伝子の構造」

鎌状赤血球症の発症メカニズム

遺伝病の仕組み 優性遺伝と劣性遺伝

 

 

 

○第9回 0615日(金)

 

  教科書 「第1 1-4 ミクロな生物学 具体的な遺伝子の構造」

鎌状赤血球症の発症メカニズム

遺伝病の仕組み

優性遺伝と劣性遺伝

 

参考書籍の紹介:

リドレー著、中村桂子、斉藤隆央訳「ゲノムが語る23の物語」(紀伊国屋書店・2000年)

リドレー著、中村桂子、斉藤隆央訳「やわらかな遺伝子」(紀伊國屋書店・2004年)

ちょっと古いが、リドレーの名著。

どの章を読んでも新しい発見がある。興味ある章から読んでもわかるようになっている。

巷に溢れる極端な遺伝子決定論、「○○の遺伝子」論の間違いをとことん追求している。

 

上代淑人監訳「イラストレイテッド・ハーパー・生化学 原書27版」(丸善・200701月)

 ヒトの病気と遺伝子との関係が数多く解説してある。医学系の生化学教科書。

 今回紹介した鎌状赤血球症の診断法など詳しく解説してある。

 巷に溢れるトンデモ健康情報を正しく理解するために必要な基礎医学情報が満載。

 人にはこんなにたくさんの代謝異常に関連した病気があるのかと驚嘆するはず。

 

 

最近の話題:

欧州人の肌の色が白くなったのは6,000年前?

欧州人のもつ皮膚の色を決定している遺伝子の塩基配列を調べると、均質で突然変異の後が見られないことから、その遺伝子が出現してから6,000年以上たってないと判断らしい。

(学会発表らしい)

http://news.livedoor.com/article/detail/3194722/

 

 

鎌状赤血球症の発症メカニズム

1塩基置換による1アミノ酸置換

 

メンデルの法則とはなんなのか

分離の法則 優性の法則 独立の法則

 

染色体と対立遺伝子

 

遺伝子型と表現型

 

優性と劣性

 アフリカ人やアジア人の皮膚の色と欧州人の皮膚の色

 ブラウンの眼とブルーの眼

 黒い髪の毛と金色の髪の毛

 

ハーディ・ワインバーグの法則

 

遺伝病の仕組み

 常染色体の遺伝子 相同染色体

 性染色体の遺伝子 女性XX 男性XY

 

優性遺伝と劣性遺伝

 

 

参考:

塩基配列の変異とアミノ酸との関係 教科書p88

 

 

  次回の講義予定

教科書 「第1 1-4 ミクロな生物学 具体的な遺伝子の構造」

お酒が飲める人と飲めない人の違い 血液型を決める遺伝子

 

 

 

○第10回 0622日(金)

 

  教科書 「第11-4 ミクロな生物学 具体的な遺伝子の構造」

お酒が飲める人と飲めない人の違い 血液型を決める遺伝子

 

参考書籍の紹介:

古川竹二著「血液型と氣質」(三省堂・1932年)

 古典的名著。日本における血液型性格論の開祖的存在。

 

古畑種基著「血液型の話」(岩波新書・1962年)

 岩波文庫版の古典。

 

松田薫著『「血液型と性格」の社会史』(河出書房新社・1991年)

 血液型と性格の話題がどのように変節してきたか、徹底的に検証している好著。

 

 

最近の話題:

614日〜16日まで第7回アジア学術会議が沖縄で開催された。

その会議で行われた「秋篠宮さま特別講演全文」がasahi.comで公開されています。

前々回紹介した家禽の起源にかんする研究手法について有意義な議論をされています。

 

 

お酒が飲めるということは

アルデヒド脱水素酵素2の遺伝子構造

遺伝子型と表現型 不完全優性

1塩基置換による1アミノ酸置換

 

 

アルコールパッチテスト

 市販されているキット

 ・アルコール体質試験パッチ(DNAパッチ)3枚入り(ライフケア技研)

 ・アルコール体質判定パッチ3枚入り(Pacheck)(大三)

 

 

血液型を決定する遺伝子 A, B, O遺伝子の構造と相違点

遺伝子型と表現型

A, B, O遺伝子由来のタンパク質の性質の違い 酵素活性の相違と有無

A遺伝子とO遺伝子

1塩基欠失 ナンセンス変異 酵素活性の消失

 A遺伝子とB遺伝子

  4アミノ酸置換 酵素活性の相違 基質特異性の違い

 

血液型と赤血球の表面抗原

 H抗原

 H抗原からA抗原、B抗原の作られ方

 

抗原と抗体 輸血

 自己と非自己 抗体を持つことと持たないこと

 凝集反応

 

血液型と気質・性格論のはじまり

 ヨーロッパから持ち込まれた白人至上主義とダーウィン進化論

  (B型はサルの血液型か?)

 

ゲノムにしめるひとつの遺伝子の意味

 ヒトゲノムに3万ある遺伝子のうちのひとつの遺伝子の意味

 

 

  次回の講義予定

2-5. 遺伝子の基礎知識

2-7. 遺伝子と病気

プリオン病(BSEなど) 遺伝子の多様性と異常 差別問題

 

 

 

○第11回 0629日(金)

 

  2-5. 遺伝子の基礎知識

2-7. 遺伝子と病気

プリオン 遺伝子の多様性と異常 差別問題

 

参考書籍の紹介:

岡田幹治著「アメリカ産牛肉から、食の安全を考える」(岩波ブックレット・200703月)図書館蔵

 いかにも岩波書店らしい本。岩波フリークには御用達。陰謀論と一局集中論を展開。

 

福岡伸一著「プリオン説は本当か? タンパク質病原体説をめぐるミステリー」(ブルーバックス・2005年)図書館蔵

 仮説に対する仮説。牛肉危険説の急先鋒。

 

ローズ著、桃井健司、網屋慎哉訳「死の病原体 プリオン」(草思社・1998年)

 プリオン病関連の初期の本としてよくまとまっている好著。巻末にある福岡伸一氏の解説が浮いている。

 

最近の話題:

 「ガリレオの遺伝子」が614日(木)に日本テレビ系列で放送された。

 ガリレオ仮説アカデミー責任編集「ガリレオの遺伝子 驚きの新仮説」(日本テレビ放送・200706月)

 DVD「ガリレオの遺伝子」ガリレオの遺伝子を受け継いだのは誰だ!(200706月)

 

 

遺伝子は同じだがタンパク質の構造の違いによる疾患

プリオン病

 そもそもプリオン病とはなんなのか

 

BSE 狂牛病 ウシ海綿状脳症

 ヒト クールーの発見と発病解明

 

 日本におけるBSE発生状況 http://www.mhlw.go.jp/topics/0103/tp0308-1.html#22q2

日本におけるBSE確認状況について(Excel file)上記サイトのデータを利用して自作

 

 ウシ海綿状脳症とヒト新変異型クロイツフェルト・ヤコブ病

 

 国内での騒動 吉野家騒動

 

 国産若牛 http://kokusanwakaushi.jp/

  国産若牛のパンフレット、ポスター

 

 

染色体数の「異常」による疾患

 第21染色体トリソミー(ダウン症)

 性染色体のトリソミーとモノソミー

 

 

  次回の講義予定

教科書 「第2 1-1 基礎的なバイオテクノロジー」

大腸菌を利用した組換えDNA実験 ポリメラーゼ連鎖反応法

 

 

 

○第12回 0705日(木) <<金曜日ではない>>

 

  教科書 「第2 2-1 基礎的なバイオテクノロジー」

大腸菌を利用した組換えDNA実験 ポリメラーゼ連鎖反応法

 

参考書籍の紹介:

上級バイオ技術認定試験問題研究会編「平成18年版 上級バイオ技術認定試験問題集」(IBS出版・2005年)

バイオ技術認定試験問題研究会編「平成18年版 中級バイオ技術認定試験問題集」(IBS出版・2005年)

 

 

最近の話題:

牛ミンチ偽装事件におけるDNA鑑定方法(PCR法による鑑定)概要と原理

参考;

 農林水産消費安全技術センター

 http://www.famic.go.jp/

  食のサイエンス ◆DNA解析によるスズキ・タイリクスズキ・ナイルパーチの判別法

  食のサイエンス ◆PCR法による遺伝子組換え食品の検知技術

  株式会社北海道加ト吉が製造した冷凍コロッケの分析結果について

 

 

基本的な組換えDNA実験

 大腸菌を使って作るヒトインスリン、ヒト成長ホルモン

 宿主−ベクター、制限酵素、DNAリガーゼ

 形質転換

 

目的遺伝子の調達方法

・制限酵素による切断

制限酵素とはなにか

制限酵素による生体防御

ヒトゲノムDNAを制限酵素EcoRIで切断するとどうなるか

 

mRNAから逆転写によるcDNAの調製

 逆転写とは(RNAウイルスの持つ逆転写酵素の利用)

cDNAとは

cDNAライブラリ

 

PCR法によるクローニング

 

PCR法の詳細

PCR法の応用例

PCR法の原理

 工夫

  ふたつのプライマーではさむ

  熱耐性DNAポリメラーゼを利用する

起こすこと

  ゲノムの特定の領域のみを選ぶ

  そこを増幅する

プライマーの設計

 

 

  次回の講義予定

教科書 「第2 1-1 基礎的なバイオテクノロジー」

アガロースゲル電気泳動法 塩基配列決定法(ジデオキシ法), DNA鑑定

 

 

 

○第13回 0713日(金)

 

  教科書 「第2 2-1 基礎的なバイオテクノロジー」

アガロースゲル電気泳動法 塩基配列決定法(ジデオキシ法), DNA鑑定

 

参考書籍の紹介:

遺伝子組換え実験安全対策研究会編著、吉倉廣監

「よくわかる!研究者のためのカルタヘナ法解説

 遺伝子組換え実験の前に知るべき基本ル−ル」

(ぎょうせい・2006年)

 

アガロースゲル電気泳動法

 DNARNAの分子量の違いで分離する

 分子量マーカーにより分子量の推定

  DNA溶液の濃度、純度の推定

 

ジデオキシ法による塩基配列決定

 ジデオキシリボヌクレオチドの構造

 塩基配列決定の原理

   (通常のDNA複製)

 

一般的なDNA鑑定法

 制限酵素を利用したDNA鑑定 RFLP

 PCR法を応用したDNA鑑定

 遺伝子診断やDNA鑑定による諸問題

 優性遺伝病の遺伝子診断

 

 

基礎的なバイオテクノロジーの応用例:

牛ミンチ偽装事件におけるDNA鑑定(PCR法を利用したDNA鑑定法)

 牛肉使用と表示された冷凍コロッケに豚肉、鶏肉、羊肉などの混入が疑われた。

どうやって鑑定するのか?

 

 前回と今回の授業の内容だけで、PCR法を利用したDNA鑑定方法が理解できる(はず)

冷凍コロッケからDNAの抽出

PCRプライマーの設計

PCR

アガロースゲル電気泳動法

ジデオキシ法による塩基配列決定

 

 

 

○前期末試験 0720日(金)

 

試験範囲:教科書「第1 1-4、第2 2-1

(遺伝子、ゲノム、DNAなどの基本用語理解も問います)

 

シラバスに記載の通り、記述式の試験です。

試験対策はWeb上にも記載します。

4-1. 平成19年度 定期試験問題

平成16年度以降の過去問も公開していますので、参考に。

4-2. 平成18年度 定期試験問題

4-3. 平成17年度 定期試験問題

4-4. 平成16年度 定期試験問題

 

試験当日の注意事項:

・次の資料の持ち込みを認めます。教科書、副読本、配付資料、ノート

・次の機器の使用を禁止します。パソコン、電子辞書、ケータイなどの電子機器類

・試験時間50分。時間配分には十分に留意し、白紙解答がないように。

・試験にコドン表を使いますが問題文にコドン表はつけません。

必ずコドン表の書いた資料(教科書など)を持参するように。

 

 

 

○第14回 0803日(金)

 

前期末試験について、解説

 

問題と解答例など

4-1. 平成19年度 定期試験問題 参照

 

レポート:

 返却した解答用紙の裏面に、授業時間内に書いてもらいます。

 成績入力システムの関係上、本レポートの成績は学年末の成績を集計するときに加点します。

 前期末の成績は、前期中間試験、前期中間試験のレポート、後期末試験を総合して集計しました。

 

宿題:

 授業で言い忘れました。

 特に宿題はありません。

 60日近く休みがありますので、最低でも50冊の本を読みましょう。

 ジャンルを問わず読みまくり、少なくとも数行のコメントを残すようにしましょう。

 

 

最近の話題:

免許講習で、県警OB講師が「O型は最も事故率高い」 (asahi.comより)

 

 

 

○第15回 1005日(金)

 

  教科書 「第2 2-2 植物のバイオテクノロジー」

植物の育種 遺伝子組換え技術以前の技術

伝統的な野菜って何だろう?

 

配布したサブテキストを持参のこと

社団法人 農林水産先端技術産業振興センター 作製

・『バイテク小辞典 遺伝子組換えハンドブック』第1版

・『Step up 「遺伝子組換え農作物」を知るために ステップアップ編』200701月第7版

 

参考書籍の紹介:

鵜飼保雄著

「植物改良への挑戦 メンデルの法則から遺伝子組換えまで」

(培風館・200509月)

伝統的な品種改良技術がかなり詳しく紹介されている

 

植物の有性生殖と無性生殖

組織培養

胚培養

葯培養

プロトプラスト培養

細胞融合

伝統的な野菜の作り方と問題点

 

 

  次回の講義予定

教科書 「第2 2-2 植物のバイオテクノロジー」

そもそも遺伝子組換え食品とは

アグロバクテリウム法 よく使われる遺伝子導入法

 

 

 

○第16回 1019日(金)

 

  教科書 「第2 2-2 植物のバイオテクノロジー」

そもそも遺伝子組換え食品とは

 日本の遺伝子組換え食品の現状

  法的な面から 安全性(厚労省)、栽培(カルタヘナ法)、表示(JAS法など)

 新しくJAS法に登場したアルファルファ、テンサイ

  アルファルファを使った齧歯類ペットの餌「ちびまるくんのミルキュー500g(アラタ)持参

  テンサイ(日本では北海道でのみ栽培)を使ったテンサイ糖

   いずれも非遺伝子組換え(遺伝子組換え種はほとんど栽培されていない)

    ロッテパイの実てんさい糖ミルクパイ(十勝産てんさい糖使用)

    北海道十勝産てんさい糖(日本生活協同組み会連合会)

    北海道産てんさい含密糖(ムソー)

 

アグロバクテリウム法 よく使われる遺伝子導入法

 ウイルス、プラスミドを利用した一般的な遺伝子導入法

 

害虫抵抗性遺伝子組換え作物

 Bt遺伝子、Btタンパク質の性質

 Btタンパク質の鱗翅目類、動物への影響

 

除草剤耐性遺伝子組換え作物など

 一般的な除草剤

 ラウンドアップの性質とそれを無効化するタンパク質

 

国産遺伝子組換え作物の花形 スギ花粉症緩和米

 厚労省の横やりにより販売延期になった不運な農水省スター

 「医療・医学ニュース」など「花粉症緩和米 厚生労働省」などでググると多数ヒットする。

 

グリーンコープによる「遺伝子組換原料不使用」表示戦略

 グリーンコープの活動を紹介

 「優良誤認」の思想紹介

 

グリーンコープによると、「遺伝子組換原料不使用」表示の商品は遺伝子組換え作物を使っていないか、原料配合率5%以上の主原料はすべて遺伝子組換え作物を使っていないそうです。

ところが、どうみても主原料として5%以上の大豆、トウモロコシ、ワタ、ジャガイモ、菜種、アルファルファ、テンサイを使っていなさそうな商品にまで「遺伝子組換原料不使用」と表示されています。

たとえば、緑茶ティーパップ、有機栽培特上煎茶、ソース、わかめ、もずく、糸こんにゃくなどなど。何か不純物がいっぱい入っているらしい。

無添加ワインや米と米麹・水だけで仕込んだはずの純米吟醸酒、大手メーカーのビール、発泡酒にも「遺伝子組換原料不使用」表示があります。

もし、この表示の対象が酵母など発酵にかかわっている微生物なのであれば、明らかな法律違反です。

 

それなのにコーンを使った商品には無表示なのが気になります。北海道産トウモロコシを使用と書いてあるにもかかわらず!!

 

不正表示をするとどうなるかの好例

「株式会社王将フードサービスにおけるラー油の不適正表示に対する措置について」(農林水産省)

 

 

遺伝子組換え飼料不使用表示

 例として牛乳 紙パックと空き瓶持参

 神石高原こだわり牛乳(山陽乳業・超高温殺菌牛乳)

  「遺伝子組換え飼料を使用していません」

 ブラウン・スイス牛乳ノンホモ(木次乳業・高温殺菌牛乳)

  「遺伝子組換え飼料不使用」

 特選函館3.8牛乳(函館酪農公社・低温殺菌牛乳)

 「NON-GMO 遺伝子組換えをしていない」

 ノンホモパスチャライズ牛乳(グリーンコープ・高温殺菌牛乳)

  「母牛の飼料に遺伝子組換え作物は使っていません」

  写真のみ

 

社団法人 農林水産先端技術産業振興センター 作製

・『バイテク小辞典 遺伝子組換えハンドブック』第1版

・『Step up 「遺伝子組換え農作物」を知るために ステップアップ編』200701月第7版

 

参考書籍の紹介:

種生物学会編

「農業と雑草の生態学 進入植物から遺伝子組換え作物まで」

(文一総合出版・200703月)

 

国産遺伝子組換え作物 スギ花粉症緩和米の写真(つくば市)

 

 

 

○第17回 1026日(金)

 

  教科書 「第2 2-2 植物のバイオテクノロジー」

遺伝子組換え食品をつくるときの問題点

 アグロバクテリウム法で目的遺伝子以外のマーカー遺伝子が導入される点

 遺伝子の水平移動は本当に起こるのか

 

遺伝子組換え食品の表示制度

 大豆、トウモロコシの国内生産量と輸入量

 主要輸入相手国であるアメリカの遺伝子組換え作物の作付け実態

 アメリカから日本への穀物の輸入実態

  分別流通とは IPハンドリング

 「遺伝子組換え」「遺伝子組換え不分別」「遺伝子組換えでない」のちがい

 「遺伝子組換えでない」表示を撤廃し、「遺伝子組換え不分別」表示を徹底しているパルシステムとイオングループの活動の紹介

 イオングループが販売している「遺伝子組換え不分別」商品の紹介 他種類持参した

 ふたたび、グリーンコープの「優良誤認」問題

 

古典的技術と遺伝子組換え技術

遺伝子組換え食品は種の壁を越えているのか

遺伝子を操作するのは神に対する冒涜か

 いずれの問題も、従来の品種改良方法と遺伝子組換え技術を使った場合で検討

 理解するには、「ゲノム」と「遺伝子」の正しい理解が必要

 

「リスク」と「安全・安心」

 マスコミの対応。

 記者は基本的には素人。素人に説明する科学者の責任。

 

国の「安全」に対する取り組み説明するのに、食品安全委員会の発酵している「食品安全」(全バックナンバー)を紹介した。

 

 

話題

三笠宮様がNew York Timesのインタビューに答えて、

Im blood type B, so I like to try new things.”と述べられています。

http://www.nytimes.com/2007/10/20/world/asia/20tomohito.html?_r=1&oref=slogin

2ページ目の最後のほう

記者は英語圏の人(非東アジア人)にもわかるように、発言の引用の前に

He then referred to a popular belief in Japan.

と注釈を加えています。

しかし、これでもなぜ「Blood type B」と「try new things」が結びつくのか、非東アジア人にはわからないでしょう。

 

 

 

○第18回 1102日(金)

 

  教科書 「第2 2-2 植物のバイオテクノロジー」

遺伝子組換え食品の人体への影響

遺伝子組換え食品の環境への影響

 

クリティカルシンキング

ゼックミスタ、ジョンソン 著、宮元博章他訳

「クリティカルシンキング 入門篇」

(北大路書房)19960925日初版第1刷

ゼックミスタ、ジョンソン 著、宮元博章他訳

「クリティカルシンキング 実践篇」

(北大路書房)19970915日初版第1刷

道田泰司、宮元博章ぶん、秋月りすまんが

「クリティカル進化(シンカー)論 『OL進化論』で学ぶ思考の技法」

(北大路書房)19990410日初版第1刷

シック・ジュニア、ヴォーン著、菊池聡、新田玲子訳

「クリティカルシンキング 不思議現象篇」

(北大路書房)20040910日初版第1刷

 

クリティカル思考とは何か

クリティカル思考ができるとどんないいことがあるか

 

科学とは何か

 

クリティカルな科学的思考により、遺伝子組換え作物問題、地球温暖化問題を考える。

 

ゴア著、枝廣淳子

「不都合な真実」(ランダムハウス講談社)20070105日第1刷

ゴア著、枝廣淳子訳

「不都合な真実 地球温暖化の危機 ECO入門編」(ランダムハウス講談社)20070627日第1刷

アル・ゴア著、小杉隆訳

「地球の掟 文明と環境のバランスを求めて」(ダイヤモンド社)19920918日初版

 

 

 

○第19回 1109日(金)

 

  教科書 「第2 2-3 動物とヒトのバイオテクノロジー」

クローンとはそもそも何なのか

有性生殖と無性生殖の違い

植物のクローンと動物のクローン

同じゲノムを持つ個体とは何なのか

普通の親子は異なるゲノム

一卵性双生児はお互いにクローン

 

受精卵クローン

卵割胚のクローン

核移植とは何なのか

 核移植を利用した初期胚のクローン

 

クローン動物の応用 クローン動物の作成技術

体細胞クローン

 核移植を利用した体細胞クローン

 飢餓培養(貧栄養細胞培養)と細胞周期 G0期とは何なのか

 体細胞クローンは核ゲノムのクローン

  ミトコンドリアゲノムは必ずしもクローンとは限らない

  通常の受精におけるミトコンドリアゲノムの遺伝

 

受精卵クローンと体細胞クローンの特徴

 

雑種とキメラの概要

 雑種:異なるゲノムの融合体 新ゲノムを持つ個体

 初期胚を混合してつくるキメラの例

 

クローン技術やキメラをつくる技術でどんな可能性があるのか

 

 

 

○第20回 1130日(金)

 

  教科書 「第2 2-3 動物とヒトのバイオテクノロジー」

雑種とキメラ

胚性幹細胞(ES細胞)の利用

 

幹細胞とは何なのか

胚発生過程と分化過程における不均等分裂

 

胚盤胞期の胚とES細胞 多能性細胞と全能性

 

初期胚からつくるES細胞を利用したキメラ、ノックアウト動物

ES細胞は培養できる→遺伝子組換え操作が可能→遺伝子改変生物ができる

ジーンエンハンスメント

 

クローン胚とは

クローン胚からつくるES細胞 体細胞クローン技術と移植医療

 韓国で起きた捏造事件は何だったのか

 今回成功したアカゲザルのES細胞は何なのか

 クローン胚からつくるES細胞の問題点は何なのか

 

クローン胚を使わない多能性幹細胞 iPS細胞=人工多能性幹細胞の可能性

 各種幹細胞を探して分化させるのではなく、普通の体細胞から多能性幹細胞をつくる

 ES細胞と分化した体細胞の違い 遺伝子発現の網羅的な探索(DNAチップ)

 iPS細胞の作り方

 iPS細胞をつくるときに導入する遺伝子とウイルスベクター

  転写因子 遺伝子のプロモータ

  テロメア ガン化

 

授業では言い忘れましたが、通常の体細胞クローン技術にはミトコンドリアゲノムの問題があります(前回の授業でも述べた)。

iPS細胞をつくる技術では、自己と同一のミトコンドリアゲノムを持つ多能性細胞をつくることができる。

 

 

話題

2007年ノーベル生理・医学賞

「胚性幹細胞を用いて、マウスの特定の遺伝子を改変する基本原理の発見」

for their discoveries of principles for introducing specific gene modifications in mice by the use of embryonic stem cells

狙った遺伝子を欠くノックアウトマウスを作製し、遺伝子の機能を調べることが可能になる。

 

 

アカゲザルのクローン胚からES細胞を作成することに成功

Byrne, J. A., et al., Producing primate embryonic stem cells by somatic cell nuclear transfer.

Nature, Published online 14 Nov. 2007.

Nature, 450, 497-502 22 Nov. 2007.

韓国による捏造騒ぎで振り出しに戻っていたクローン胚からのES細胞の作成に霊長類動物を使ってはじめて成功。

再生医療に弾みがつくかと思われたが、次のニュースでこの実験はかすんでしまった。

従来からの除核卵に体細胞を融合させてつくるクローン胚を使う方法なので、倫理面の懸念が残る。

 

Nature Japan には日本語で読める解説など用意されています。一読を。

 

 

ヒト皮膚の細胞から人工多能性幹細胞(iPS細胞)を作成することに成功(京都大・再生医科学研究所)

Takahashi, K., et al., Induction of pluripotent stem cells from adult human fibroblasts by defined factors.

Cell, 131, Published online 20 Nov. 2007.

この論文はPDFファイル化して公開されている。読んでみよう!

成人の体細胞に初期化に必要と思われる4つの遺伝子(ヒト由来のOct3/4, Sox2, Klf4, and c-Myc)を導入することで多能性細胞(iPS細胞)をつくることに成功。

確立されたiPS細胞は次の点でヒトES細胞と同様であることを確認している。

morphology, proliferation, feeder dependence, surface markers, gene expression, promoter activities,, telomerase activities, in vitro differentiation, and teratoma formation.

iPS細胞から心筋細胞に分化した鼓動している細胞はCell press Supplemental Data より動画で見ることができる。

卵子や胚を使わないので、倫理面の懸念が払拭された。

c-Mycがいわゆる癌遺伝子なのと、ベクターに使うレトロウイルスretrovirusの影響が懸念されている。

Oct3/4Sox2は転写因子。このふたつの因子は、未分化能や多能性を持つのに重要と考えられている。分化した細胞では発現が抑制されていたり、ターゲットの遺伝子のプロモータに結合しない(DNAメチル化やヒストンの修飾などのため)。そこで、コントロールされたプロモータ下に両遺伝子を結合させたベクターを導入することで、分化細胞で両因子を発現させた。

メインに使った細胞HDFは、30歳の白人女性の顔面皮膚facial dermis of 36-year-old Caucasian female 由来の細胞で、Cell Applications, Inc. から購入。

同様の結果がHFLS細胞(synovial tissue of 69-year-old Caucasian male、これもCell Applications, Inc. から購入)でも得られている。

つまり、成人女性と成人男性由来の両方の体細胞からいわゆる「万能細胞」が得られたことになる(使われた細胞はいずれも市販の白人由来だが)。

 

通常の受精卵からつくられるES細胞を使った再生医療には次の3点で問題がある。

1. ヒトの卵子が必要(身体的にも精神的にも過酷)

2. 胚盤胞期の胚を壊す(生命の萌芽を壊す 受精卵からヒトだという認識なら殺人になる 母胎に戻せばクローン人間が誕生する)

3. 免疫的に自己でない(親子や他人からの臓器移植と同じで、免疫抑制剤が必要)

 

アカゲザルで成功したクローン胚を使ったES細胞は3.をクリアしているが、1. 2.の問題は残っている。

iPS細胞は、上記3点の問題点をすべて解決しているという点で、画期的な技術である。

 

これはビッグニュースです。

Webで読めるニュースに目を通しておくこと。

授業や試験の題材にします。

 

 

 

○第21回 1207日(金)

 

  教科書 「やさしいバイオテクノロジー」総まとめ

 

iPS細胞続報の紹介。

ES細胞とiPS細胞の違い。

iPS細胞の倫理側面と科学的問題点。

iSP細胞に遺伝子を導入して分化させるとどうなるか。エンハンスメントの問題

iPS細胞を生殖細胞系列に分化させるとどうなるか?

 

試験対策

試験問題に対する解説。

 

話題

ヒトとマウスの線維芽細胞からc-Mycを使わないで人工多能性幹細胞(iPS細胞)を作成することに成功(京都大・再生医科学研究所)

Nakagawa, M., et al., Generation of induced pluripotent stem cells without Myc from mouse and human fibroblasts.

Nature Biotech., Published online 30 Nov. 2007.

Cellで発表されたiPS細胞をつくる方法では、ガン化する懸念が残っていた。

それは、ベクターに使うレトロウイルスの危険性、導入する4遺伝子の内c-Mycが癌遺伝子であるからで、実際にマウスを使った実験では造腫瘍性が確認されている。

今回のNature Biotechnology の論文では、癌遺伝子であるc-Mycを除く3遺伝子をヒトとマウスの線維芽細胞に導入することでiPS細胞をつくることに成功している。

導入には従来通りレトロウイルスを使っていることから、ベクターの選択が今後の課題ということになる。

ただし、ベクターのレトロウイルスがすべて危険というわけではなく、癌遺伝子を導入するとガンになるというわけでもない。

ちなみに、Scienceに発表されたウイスコンシン大のグループは、4遺伝子の内c-Mycをはじめから除いていた。

 

NatureDigest誌の日本語編集版(volume 4, 4-6, December, 2007)に次の解説記事の翻訳が載っている。

David Cyranoski, Race to mimic human embryonic stem cells. Nature, 450, 462-463, 22 November 2007.

無料で公開されているので読んでみてほしい。

 

鎌状赤血球症のモデルマウス[humanized sickle cell anemia mouse model]由来の細胞から4遺伝子(‘Yamanaka factors’山中因子と呼ぶらしい)をレトロウイルスを使って導入してiPS細胞を作り、正常な遺伝子に組換え、分化誘導させてからマウスに戻すと、鎌状赤血球症の症状が改善したとのMITのグループの報告があった。

iPS細胞は培養できるので、遺伝子組換えも比較的容易にできる。

山中因子からc-Mycを除くという見直し、遺伝を導入するときに使うベクターの見直しにより、臨床応用が可能になるとも報告している。

もし可能なら、遺伝子治療を施した免疫学的に自己の細胞から分化誘導した細胞が移植に使えることから、従来の効率の悪い遺伝子治療は全く色あせたものになってしまうだろう。

Hanna, J., et al., Treatment of Sickle Cell Anemia Mouse Model with iPS Cells Generated from Autologous Skin.

Science, Published Online December 6, 2007.

 

 

 

○後期中間試験 1214日(金)

 

試験範囲:教科書「やさしいバイオテクノロジー」全体

遺伝子組換え技術とクローン技術

遺伝子、ゲノム、DNAなどの基本用語理解も問います。

 

シラバスに記載の通り、記述式の試験です。

試験対策はWeb上にも記載します。

4-1. 平成19年度 定期試験問題

平成16年度以降の過去問も公開していますので、参考に。

4-2. 平成18年度 定期試験問題

4-3. 平成17年度 定期試験問題

4-4. 平成16年度 定期試験問題

 

 

試験当日の注意事項:

・次の資料の持ち込みを認めます。教科書、副読本、配付資料、ノート

・次の機器の使用を禁止します。パソコン、電子辞書、ケータイなどの電子機器類

・試験時間50分。時間配分には十分に留意し、白紙解答がないように。

 

 

 

○第22回 1221日(金)

 

後期中間試験について、解説

問題と解答例など

レポートについて

 

 

 

○第23回 0111日(金)

 

3-2. 動物のクローン技術とその応用

 

クローン技術の規制法 日本の法律はどうなっているのか

クローン胚など「特定胚」について

ES細胞、iPS細胞について

生命倫理とはいったい何なのか 役に立つのか?

 

資料配付

特定胚について(自作資料)

「ヒトに関するクローン技術等の規制に関する法律(平成12年法律第146号)」(法律の概要)

(法律の概要)http://www.mext.go.jp/a_menu/shinkou/seimei/2001/hai3/2_houritu.pdf

より p11-14

 

 

 

○第24回 0118日(金)

 

3-3. クローン技術の人への応用と生命倫理

 

クローン技術の応用

再生医学 臓器移植

脳死移植の現状と問題点

 

生物と無生物

生と死

生きているとはどういうことなのか

 ゲノム、細胞、臓器、組織、個体

 

脳死と植物状態の違い

 

資料配付

日本臓器移植ネットワークの紹介

http://www.jotnw.or.jp

日本の脳死移植の現状(自作資料)

臓器移意志カード

 

 

 

○第25回 0125日(金)

 

3-4. 優生学

 

優生学とバイオテクノロジー

優生学とは

病気とはなんなのか

 感染症と遺伝性疾患

 病気をなくす(減らす)ためには 感染源の撲滅と優生学

 病気と多型 遺伝子レベルの違いはあるか

 血液型は多型?病気?

 初期の血液型と気質の研究に見られる人種差別

優生学の歴史 欧米と日本

 配付資料

日本の優生保護法

 その成立経緯と内容 対象になっている疾患

現在の優生学

 遺伝子診断における優生学

 

ゲノムと遺伝子の理解の重要性

 ゲノムの理解がない優生学は100年前の優生学と同じだ

 だから、ゲノムの理解がない人に古い優生学がまだ残っている

 

授業で紹介した書籍

なぜバイオの授業で優生学を取り上げるのか

ワトソン著、青木薫訳「DNA」(講談社)\2,52020031218日第1刷

 

Herrnstein, Richard J.,  Murray, Charles,

The Bell Curve: Intelligence and Class Structure in American Life

Touchstone Books, A Free Press Paperbacks Book

 

検定教科書の今昔 教科書に見られる優生思想の変換

検定教科書 高等学校教科書「高等学校 改訂版 保健体育」(第一学習社、\60020070210日発)

検定教科書 中学校教科書「新編 新しい保健体育 中学校全」(東京書籍、\37520070210日発)

検定教科書 高等学校教科書「標準高等 保健体育 改訂版」(講談社、19770220日発)

 

厚生省による優生保護統計報告書の紹介

厚生省大臣官房統計情報部編「優生保護統計報告 昭和62年」(厚生統計協会)\70019880920日発

厚生省大臣官房統計情報部編「優生保護統計報告 平成5年」(厚生統計協会)\1,15519941003日発

厚生省大臣官房統計情報部編「優生保護統計報告 平成7年」(厚生統計協会)\1,23619961014日発

 

池田林儀編輯「優生運動2巻11号」(優生運動社)35銭、19271101日発

小南又一郎、岸松郷著「遺伝と結婚 断種と優生」(京都印書館)\1819460715日発

 

 

資料配付

自作の資料

「優生学の年表」

1970年代の厚生省や教科書などにおける優生思想」

 

 

 

○第26回 0201日(金)

 

科学哲学と技術とニセ科学

「帰納主義」「論理実証主義」「反証主義」

 

3−6.コラム集 ○科学的とはなにか

科学報道の信頼度 ニセとホンモノの見分け方

 

参考書籍

科学論・科学哲学

トマス・サミュエル・クーン著、中山茂訳「科学革命の構造」(みすず書房)\2,31019710305日第1刷

ポパー著、大内義一、森博訳「科学的発見の論理 上」(恒星社厚生閣)\2,50019710725日第1刷

ポパー著、大内義一、森博訳「科学的発見の論理 下」(恒星社厚生閣)\2,70019720715日第1刷

伊勢田哲治著「疑似科学と科学の哲学」(名古屋大学出版会)\2,94020030110日第1刷

松井孝典、南伸坊著「『科学的』って何だ!」(ちくまプリマー新書)\79820070910日初版第1刷

 

ニセ科学の例(代表的な参考書籍持参)

教科書から

ID論、化学物質有害論、コラーゲン、BSE騒動、血液型性格判断、天然信仰と農薬、遺伝子組換え食品

核酸栄養学 脳内核酸 活力核酸

活性酸素悪玉論 

活性水素水 電解還元水 酸素水 原子水素溶解水 クラスター水

岩盤浴(水素浴) トルマリン マイナスイオン

免疫力 自己免疫力

ゲーム脳

牛乳有害論(低温殺菌牛乳礼賛)

 

 

 

○第27回 0208日(金)

 

バイオ燃料とニセ科学

 

日本の政策

 バイオマス・ニッポン総合戦略新・国家エネルギー戦略

 

バイオ燃料は地球温暖化対策の切り札か?

 カーボンニュートラル?

 

光合成 アルコール発酵 アルコールの燃焼 化学式で書くと

 

工業用アルコール:発酵エタノールと合成エタノール

 合成エタノールの生産の今昔 エチレンの水和(直接水和反応)

 発酵エタノールの生産:

 1) トウモロコシなどのデンプン質から

  コーン(->湿式ミル->)デンプン乳(->アミラーゼ->)グルコース

->酵母->)熟成もろみ(->蒸留、濃縮精製->95%含水エタノール

->共沸蒸留->)無水エタノール

 2) サトウキビの糖蜜から

  粉砕するだけで発酵の原料がえられるため、糖化のステップが省ける

 3) セルロースから

  工業的な実用化にいたっていない

 酵母による発酵液 10%前後のエタノール

 蒸留を繰り返すことで濃縮 95%エタノール エタノールのみの車に利用

 無水化 99.5%エタノール ガソリンと混合して走らす車に利用

 

世界の現状

バイオエタノール生産量

ブラジル(1783kL2006年)、アメリカ(1985kL2006年)で7割以上

 ちなみに日本(試験段階7カ所で30L2006年)

ブラジル=サトウキビ:熱帯雨林の破壊

アメリカ=トウモロコシ:大豆から転作 食料、飼料が高騰

 

トウモロコシを使ったエタノール生産

 トウモロコシの栽培に多量の肥料が必要 要エネルギー

 単糖にする行程が必要(サトウキビは不要)

 生産過程で再利用できる廃棄物がない(サトウキビはバカス[絞りかす]を燃料に、蒸留は胃液は肥料に)

 もともと食料や飼料、肥料(大豆などから転作で不足)

 生産量、日本への輸入量などのデータは「遺伝子組換え農作物を知るために」p16

 

 

ピメンテルの計算

 トウモロコシからエタノールを生産すると・・・

 

用語

 多糖類と単糖類

 デンプン、セルロースとグルコース

 発酵と腐敗

 

 

発酵と酵素

発酵食品と酵素

健康食品と発酵素、エンザイム、酵素

酵素風呂と発酵、酵素

 

 

参考書籍

アルコール協会編「図解バイオエタノール製造技術」

(工業調査会)\3,36020071225日初版1刷

 

ナショナルジオグラフィック日本版200710月号

「特集:地球の悲鳴 バイオ燃料 実用案にもお国柄 二酸化炭素をめぐる新たな方程式

(日経BP社)\980 20071001日発

 

天笠啓祐著「バイオ燃料 畑でつくるエネルギー」

(コモンズ)\1,68020071005日第1刷

 

木谷収著「バイオマスは地球環境を救えるか」

(岩波ジュニア新書)\81920071120日第1刷

 

惣田夫編著「世界初のバイオマス村ドイツ・ユンデを訪ねて コストから見たバイオマス発電」

(ブイツーソリューション)、\800200711月第1刷

 

 

 

○後期末試験 0215日(金)

 

シラバスに記載の通り、記述式の試験です。

試験対策はWeb上にも記載します。

4-1. 平成19年度 定期試験問題

 

平成16年度以降の過去問も公開していますので、参考に。

4-2. 平成18年度 定期試験問題

4-3. 平成17年度 定期試験問題

4-4. 平成16年度 定期試験問題

 

試験当日の注意事項:

・次の資料の持ち込みを認めます。教科書、副読本、配付資料、ノート

・次の機器の使用を禁止します。パソコン、電子辞書、ケータイなどの電子機器類

・試験時間50分。時間配分には十分に留意し、白紙解答がないように。

 

 

 

○第28回 0222日(金)

 

1年間の講義の簡単なまとめ

「ヒトゲノムマップ」持参・ゲノムと遺伝子を再認識

「納豆のススメ」持参・唯一の「大豆(遺伝子組換え)」食品

「遺伝子組換え食品にかんするアンケート」4月の調査結果再認識

タバコの害 taspo(タスポ)について ICカード持参

 

後期末試験について、解説

解答用紙の裏面へのレポート

・高等学校の教科書(理科基礎、保健体育、現代社会)

・ブルーバックスの生物教科書

・農水省監修の本(2冊)

・特別栽培米

DNAローション

・新聞の全面広告 多数

・その他

 

次のようなレポー課題を実施した

このレポートは採点し、その成績は年間の成績に反映させます(シラバス記載の割合で)。

 

レポート課題

次のテーマからひとつ選び、理解したことを500字程度にまとめよ。

(時間があれば2つ以上のテーマで書いてもよい)

「クローン技術」、「脳死移植」、「優生学」、「科学哲学」、「バイオ燃料」

 

 

 

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無断転載を禁じます。 ashida@msi.biglobe.ne.jp・芦田嘉之

 

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