ワインフリーク伊藤友泰のエンジョイ・ワイン!

1995メルロー(アロイス・ラゲデール)7,900円
1995Merlot (Alois Lageder)



 ごぶさたしております。

 さて,今回取上げるワインは,この1995年が初リリースとなるオーストリア国境に近いトレンティーノ・アルト・アディジェ州のメルロー100%の1本だ。

 アロイス・ラゲデール社はズュートティロール(南チロル)地方ボルツァーノに本拠を置く醸造所。レーンホーフやレーヴェンガングといった単一畑で秀逸なワインを産出している。たまたま95年に高品質のメルローが収穫できたため,完熟した果実のみを特別のキュヴェとして仕込んだものが,この『メルロー』なのだ。

 ここでラベルを見てもらおう。白地にグレーの文字で1段目は“MERLOT”(メルロー)と印刷されている。では2段目の“MCMXCV”(写真では最後のVが切れている)は???

 それでは,開栓してみよう。

 色は黒みがかったガーネット。濃密なベリー系の香りの中にスパイスやチョコレートのニュアンスが混在している。
 一口含むと果実味に並外れた凝縮度の高さを感じ,力強い酸は硬質な輪郭をワインに与えている。余韻の長さも尋常ではない。

 1時間を過ぎる頃から若さゆえの硬さがほどけて,味わいにも甘味が出てきた。意外にエレガントなニュアンスもあり,風格すら感ずる。

 まるでポムロルの“ヴュー・シャトー・セルタン”だ。

 比較のため,スーパー・トスカーナの代表選手『1995マセット』を同時に試してみた。ご存知の通り,マセットは『ル・パン』を造り上げたミシェル・ローランがコンサルタントをしている。彼はボルゲリ地区のテロワールを最大限に生かしたワインを創造した。しかし,それは同時に「ポムロル的」な味わいではないといえる。ラゲデール社の『メルロー』はなぜか「ボルドー」しているのである。

 この輝かしい南チロルのワインの生産量はわずか8,000本のみと聞いている(『ル・パン』並に少ない!)。さらに96,97年は造られなかったらしい。ということは例によってこれも幻のスーパー・イタリアワインとなることは必至だ。


 


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