ブレーキキャリパーのOH


  重要保安部品です。ここを見て安易に真似

しないでください。ご自身の技能をよーく考えて

行ってください。自己責任で。 最悪死にます。

 

 画像は少ないし、知っていると思われる内容は簡単に済ませています。

 ここで書いている事が理解できる人には、この内容は無駄かな?

このの内容が理解できない人はOHはバイク屋さんにまかせましょう

 

 某オークション等から入手したキャリパーのオーバホール作業です。

手入れがよければ苦労しないのですが、オークション購入や、不動車

等の場合九分九厘固着しています。

 

FZR250R(3LN)用フロントを分解しています

 

まずは分解からです。

まずはブレーキパッドを外してください。

パッドピンを抜けばパットは簡単に外れます。この時パッドの向きを

間違えないように印を付けてください。

 ピストンの分離

  キャリパーピストンの分離が大作業です。

 方法は色々あります。 この当たりはHPを探せば結構あります。

 サービスマニュアルには空気圧で出すように書かれていますが、

 固着したキャリパーはまず外れません。

 私はブレーキマスターを付けた状態でピストンを油圧で押し出します。

上の画像は正攻法で、1個ずつピストンを油圧で押し出します。

この時他のピストンはクランプ等で動かない用に固定しておきます。

この後1個ずつ抜いては、内部の掃除、シールを交換して行きます。

1個整備したら、エアー抜きをして次のピストンを同様に油圧で押し出し

整備します。 はっきり言って面倒です。

しかしYAMAHAの推奨ではこの方法で行うようになっています。

 

次に私が行っている方法です。 異論は有ると思いますが。

メーカ指定の方法から外れます。 他社なら交換部品と指定

してある ねじ、ガスケットがYAMAHAでは手配できませんので

再利用になります。 固着が発生していてばらしたほうが確実

なとき(今回のような時)に行うようにしています。

固着したキャリパーなら、シール溝の掃除も徹底しないと

いけないので分解したほうが確実に作業できます。

 ピストンがエアーで出てくるようなときは正攻法で行います。

 初めてなら正攻法で一回は作業してみてください。

#バイク屋さんではYAMAHA純正は正攻法で整備している

#はずです。 分解はあくまで非標準。

キャリパーの中心に厚めのアルミ板等(タイヤレバー)を入れます

この状態で油圧を掛けます。そうすると少しずつピストンが出てきます。

この時動きの良いピストンから出てきますので、アルミ板に押さえられ

これ以上でなくなると、次のピストンが出てきます。 これを全ピストンが

出るまで繰り返します。多分ブレーキオイルの補充が必要になると思います。

最後に中心のアルミ板を取り外し、さらに押し出します。

 この状態までピストンを出します。

2 分解

 キャリパーブロックを固定しているボルトを外し2つに分解します

こんな感じになります。画像の下のブロックについている小さなゴム部品

(画像では左右にある2個の黒い輪)は無くさないようにしてください。

(YAMAHAはこの部品が手配出来ません)。

しかし汚いですね。。。。。。

ここまで分解したら、ペンチでピストンを引き抜きます。

ペンチで。 と思われるでしょうが、当然ピストンに傷が付かないように

工夫しましょう。

下のペンチは挟むところがプラスティック製です。上のペンチは使う時

厚めの(3mm程度)ゴムを噛ませて挟みます。

本当はピストンプラーなる工具があるようですのでそちらをお勧めします。

ペンチでは固着がひどいとどうしても無理が掛かります。その結果ピストン

に傷つける事があります。(私も傷つけてしまった)

 

 ピストンが抜けたら、シール類をピッキングツールで取り出します。

キャリパーに傷を付けないように気を付けてください。

 

以上で分解は終わりです。

後は洗剤でひたすら洗ってください。

ピストンにも結構汚れが付いていると思います。私はピストンは1000番

程度の耐水ペーパで磨きながら汚れを落とします。その後はコンパウンド

で磨きます。

キャリパー内部はシールの入る溝を特に入念に掃除します。ここに汚れが

溜まり錆を発生していることが多いです。 私は傷を付けないように気を

付けながら小さなマイナスドライバーで掻き落しています。

灰色のゴミが結構でました。  ここがOHのキーポイントです。この溝の

掃除を徹底してください。組み立て後の動きが劇的に変わります。

 

こんな状態まで洗いました。

洗浄後の全部品です。 中央下の小さなゴムは無くさないようにしてください。

 

 後は組み立てです。

 分解の逆の順で行います。ピストン組み込みもキャリパー分解状態で行う

と簡単です。

この時シール類の交換(再使用は自己判断で)組み込みを行います。この時

グリスを塗ってください。(必ずブレーキ組み立て用のグリスを使ってください)

私はシリコングリスか、YAMAHA付属の赤グリスを使っています。

ピストンにもグリスを塗って組み立てます。

 ピストンが手できついながらもスムースに入ると思います。ここに違和感が

あるようだと溝の掃除が不十分だった為です。

 

キャリパー本体の組み立てボルトは、きつめ(2-3kg・m)に締めます。

キャリパー組み立てボルトは再利用しますのでねじ部をきれいに磨いてから

使います。(あまり状態がひどいと部品取りから流用したりします。)

(ボルトの再利用に問題として、分解に反対する方が多いですね)

後はブレーキパットを付けておしまいです。 この時パットピンの磨耗も確認

しておきましょう。磨耗が無いならこれも磨いてグリスを塗っておきましょう。

 

 

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