フロントフォークOH    2006/06/05


YAMAHA FZR250R(3LN)のフロントフォークをOHしてみました。

正立フォークです。カートリッジ式ではありませんからアマチュアでも

難しくないと思います。 それなりに工具は必要ですが。

これからOHするフォークです。インナーは点錆が結構あります。

ダストシールは取り外せる様にしました。

 

まずは取れるところから着手します。

  フォークTOPのねじを外します。 このねじは三叉に付いている

 状態で緩めておくと簡単です。 ねじを外す時、ばねで飛ばさない

 ようにねじを押さえながら緩めて外してください。

  TOPのねじが取れたら、カラー、スプリングを抜きます。

 スプリングにはワッシャがありますからこれも忘れずに。

  ダストシールとオイルシールを押さえているクリップを外します。

見にくいですが、スプリングは吊るしています。 下の黒いのがダストシールとオイルシール押さえのクリップです。

画像のフォークはインナーが一番縮んだ状態です。

 

ここまで外したら、オイルシールの取出しです。

 サービスマニュアル通り油圧で押し出します。 プレスは持っていません

のでプレスの代用品を使います。

 脚立と、角材、油圧ジャッキで組み立てています。

見にくいですね。脚立の適当なところに角材を入れて、そこにジャッキを

おきます。ジャッキの上にフォークを置いてこれをジャッキでプレスします。

 プレスする前にフォーク内にはオイルを目いっぱい入れておきます。

(両方のオイルを片側にまとめると大体目いっぱいになります)

 

オイルシールを押し出しました。

 縦においてあるフォークのオイルシールが見えますかね(無理?)

押し出しています。

 次にインナーピストンを外します。

アウターの底にあるヘキサゴンボルトを外します。 標準では上の画像の

用に、インナーピストンを押さえる特殊工具(YAMAHAから購入)を使い

ボルトを外します。  特殊工具がないなら。。。インパクトレンチで外します。

(私はインパクト派です。 でも今回は特殊工具が必要でした。 ねじロックが

 きつくて、特殊工具で押さえないとインパクトでは空回りしました。)

 

 ボルトが外れたら、インナーとアウターを持って軽く左右に引き抜きます。

(オイルシールが押し出されていると本当に軽く引き抜けます。)

引き抜いた状態です。 見にくいですね。 OILが

真っ黒でした。スラッジも多いし。

後はアウターを掃除して。(洗剤でざぶざぶと洗って、内部もきれい

します。

 

組み立て前の状態です。

 アウターと、インナーピストン周りは洗浄しています。

オイルシール、ダストシール、スライドメタル、オイルシール固定用

クリップ、ガスケット(ヘキサゴンボルト用)、インナーチューブ

インナーピストンのピストンリンク(白いプラスチックのリング)

これらを新品にします。

 今回はインナーチューブASSYで新品使いますので、インナー側の

スライドメタルは準備していません(Assyで組んである為)

今回は部品代だけでも大枚が3枚前後掛かっています。

 

組み立て中です。各部品にはOIL、グリスを塗りまくっています。

この当たりから時間が迫っていましたので画像がありません。

 インナーチューブにインナーピストンを入れるときはゆっくり横から

入れます。縦にすると勢いよく出てきます。(インナーチューブ内にも

プラスティック部品が組まれています。)

メタル類には必ずオイルを塗ってください。

インナーチューブにオイルシールを通すときはインナーチューブの

端をラップで保護してください。(オイルシールのリップ部保護)

 

 部品を組み込んでインナーピストンを固定するときは、軽く固定した

あと、インナーチューブをスライドさせ、インナーピストンの位置決めを

行ってください。位置決め後は、フォークを縦にしてボルトを締めます。

(このときも特殊工具を使いますが。私はインパクトで締めました。)

(インパクトの締め付け強さは調整しています。 最弱です)

 

 この後、オイルシールを打ち込みます。 方法は色々。

私は水道パイプを流用しこれで打ち込みます。

 

 最後にオイルを入れて、油面を調整します。

 YAMAHAの油面は、スプリングを外して、最短状態でTOPからの距離で

 規定しています。私は 金尺で測っています。(オイルゲージと同じ方法)

 油面測定用の金尺です。        オイルシール打ち込みツールです。

金尺は基準点をフォークTOPに合わせてそのまま内部に挿入し、その後

引き出し、OILの付いた位置を油面として調整しています。

 オイルシール打ち込みは右側の短いビニール管をオイルシール上に

セットし、これを左側のチューブで打ち込みます。

 

はい完成です。 前のほうの置いているのが交換した部品です。

(インナーピストンのピストンリング抜けています)

 

 ここまで、午後1時に開始して、終了午後6時。 途中休憩1回のみ。

YAMAHAの標準作業時間では1.2時間。  出来るかそんなの。

洗浄をちゃんとしながら作業すると格好時間が掛かるのだが。。。

いくら道具がそろっていても2時間は掛かるでしょう。

(それとも洗浄もしないで行うのかな???)

 

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