充電系の考察です。
バイクの充電系はバイクにより色々あります。(主にYAMAHA車です)
70年代の6V OFF車は単一コイルで充電しています照明系は交流(AC)
になっていたりします。
80年頃から12V系に統一されるようになり充電系は以下のような
構成にまとまっています。
+-------------+ +--------------------+ +--------+
{ACジェネレータ }---{レクスチャーレギュレータ}----+----{バッテリー}
+-------------+ +--------------------+ +--------+
ACジェネレータ(発電機)は3相が普通です レクスチャーレギュレータ
(以下レギュレータ)までは3本の線(白の電線)で交流が流れています。
レギュレータは交流を直流に変換し、電圧を一定に保つ機能を持っています。
YAMAHAのレギュレータはホンダが一時やっていた発電機の励磁コイルの
制御は行っていませんのでAC発電機の出力はエンジンの回転数で電圧は
上昇します。(FZR750は励磁コイルの制御方式でした。 2005/11記)
しかしバイクの電圧は一般に12Vと言われています。実際は14V程度あります
この電圧を一定にする役目をレギュレータは持っています。 ではどうやって
一定にしているかというと、単にレギュレータで余計な電気を消費している
だけです。AC発電機の発電量はバイクだと140Wとか200Wもあります。
でもただ走っているだけの時バイクは20W(?)程度以下しか消費しません。
残りをレギュレータで消費(発熱させる)させます。(実際はもっと少ないですが)
つまりレギュレータは電熱器になるのです。
よくレギュレータが壊れるとかいいますが、信頼性を上げるにはレギュレータ
の温度を下げれば急激に改善します。 つまり電熱器の放熱を良くすれば
良いわけです。
またレギュレータの発熱を下げてもいいわけですが、発電量をバイクで消費
すればレギュレータの発熱は抑えられます。つまりヘッドライト点灯も効果的
です。
昔の開放型バッテリーはバッテリーがレギュレータの役目を一部行っていました。
充電電圧が高くなるとバッテリーが過充電になり、バッテリーが発電量を消費して
いましたので、レギュレータの負荷が軽くなります。(その分電解液の分解が多い
わけですけど)
今のMFバッテリーでこれを行うと過充電の電気分解ガス(酸素と水素)を吸収
できなくなりバッテリーがパンクします。(保護バルブが飛びます)
ですからレギュレータの異常はバッテリー寿命に影響します。
80年代のバイクは標準は開放型バッテリーになっている物が多いですが
これをMFバッテリーに変える方がいますが以下の点を考慮すれば問題なく
変更できると思います。
1 エンジン起動後の充電電圧が14Vから14.5V程度(エンジンを有る程度
回してみて測ってください)
2 レギュレータの発熱を確認してください。結構熱くなります。
気になるなら放熱の方法を考えてください。(ヒートシンク、風の当たる場所等)
開放型からMFになる事で過充電時の電流に制限が発生します。 この制限を
守れば、MF型に交換しても問題は発生しません。バッテリーの充電電流は
充電電圧で制御できます。MFバッテリーの規定を見ると容量に関係なく14.5V
程度が最大のようです。
本文中で発電量と書いている所は実際は発電電圧、発電電流と記載すべき
ところがありますが面倒なのでまとめて発電量と書いています。
実際は 電力=電圧X電流ですから電圧、電流と書けばいいのですが
実際の発電機は発電電流により逆起電力が働きまた、コイルの抵抗
等があり、直線的なグラフにはなりません。この当たりを考えながら書くと
面倒なので発電量と書いています。
これから先は余計なこと。
AC発電機はホンダが採用していた励磁コイル制御でも発電電圧を制御できます
これはレギュレータが規定電圧以上になった時、発電機の励磁コイルへの電流を
少なくし、発電電圧を下げる方法です。この方法では、レギュレータで放熱する
量が少なく、レギュレータの発熱が少なくて良いのですが、励磁コイルの制御回路
が故障しやすいようです、結局どっちもどっちだったようです。