ケーススタディ−インターネット最新状況

 

インターネットという言葉が一般的な用語になって数年が経過した。この間にインターネットを取り巻く環境は、猛烈なスピードで進化している。通信回線の拡充や接続料金の低価格化、表示機能の進化、動画・音声等を利用した表現力の強化、コンテンツ提供者の増加、セキュリティ技術の向上等、目を見張るばかりである。利用者も着実に増加してきた。国内におけるユーザは昨年1,000万人を突破したと伝えられる。

従来、インターネットはパソコンを端末として利用するのが当然であった。しかし昨年末あたりから様子が変わりつつある。パソコン以外でインターネットを手軽に利用できる端末が登場してきたのだ。まず昨年11月に発売されたセガの「ドリームキャスト」。通信機能を標準で備え、セガ自身がネットワークを運営、その会員数は発売後1ヶ月で15万人を獲得した。さらに先月NTTドコモは「iモード」のサービスを開始、携帯電話でもインターネットの利用が可能となった。既に60社以上がコンテンツの提供を開始し、4月以降さらに同業他社の追随が予定されている。つまり国内4,000万人を超える携帯ユーザが、潜在ユーザとなりうるのだ。

このような状況から今後インターネットの利用者は、男女問わずより幅広い年齢層へ広がり、その数もすぐに2,000万人を突破すると予想される。つまり既に無視できないほどの重要なマーケットに成長しているのである。

 

ではインターネットの具体的な活用のイメージをいくつか紹介しよう。現在インターネットの利用形態は、大きく電子メールとホームページの2つに分けられる。

まず電子メールの活用例を見てみよう。最近メールによるプッシュ型の情報配信を行うサイトが増えている。数十万人単位のユーザを集めてメールマガジンなどを配信するサイトもあり、広告利用においても効果の高い媒体として成長している。また企業独自でメールによる情報発信を行うサイトも増えてきた。例えば日本銀行は頻繁に情報を更新している有数のサイトであるが、さらにユーザがほしい情報のカテゴリーを登録することにより、その情報がホームページに掲載されたときにメールで通知する。携帯電話でもメールの送受信機能を備えた機種が増えており、今後の活用が期待される。

次にホームページであるが、ここではさらにさまざまな活用がなされている。金融機関を例にとると、株式や投信、保険等のダイレクト販売、クレジット決済の提供、顧客からの資料請求・アンケートの受付、特定顧客だけのページによる深い情報の提供、学生の採用受付、各種シミュレーション、顧客からの意見収集、さらに保険代理店への情報支援などがいい例である。また先に紹介した「iモード」では、携帯から銀行口座への振込を行ったり、株価を照会して売買の指示を出したり、またホテルや飛行機の予約を行うといったことが既に実現している。

ただ、いくらインターネットが無視できないといっても、目的意識のない利用は、ビジネスにおいては時間の浪費になる可能性が高い。目的を明確にして利用すべきであろう。

では保険代理店経営にとってのインターネット活用目的にはどのようなものが考えられるだろうか。@顧客へのマーケティングの媒体のひとつとして利用 A商品の販売チャネルとして利用 B顧客サービス向上のためのコミュニケーションに利用 C幅広い情報収集のためのソースとして活用 D保険会社とのコミュニケーション・情報交換に活用 E保険代理店どうしの協業の場として活用 などが挙げられよう。中でも特にBの顧客サービスのための活用は現時点での重要なテーマである。顧客へのメールによるタイムリーな情報提供、ホームページの掲示板を活用したコミュニケーション、意見・苦情等の収集、各種変更情報の受付等、低コストで実現できることも多い。その分対面の営業活動に使える時間も増えてくる。

先に無目的な利用は時間の浪費と申し上げたが、とはいえ実際に使ってみてはじめて、利用価値が見えてくるのも確かである。とにかくまずは体験してみることをお勧めしたい。最近ではユーザ数の増加に伴い、効果的に活用しているサイトが増えてきている。さまざまの成功・活用事例が各種の雑誌等で紹介されているので、これらを実際に見て使ってみることによって、その秘めた可能性が実感できるはずである。