生涯知的生活
私は、年齢55歳、某大手メーカーで企画畑を長く歩いてきた。早期退職制導入を期に昨年思い切って退職し、中小企業診断士として、新たな一歩を踏み出している。
仕事柄、4半世紀にわたり、ユーザーの立場で、コンピュータと付き合ってきた。これからしばらく、コンピュータと知的生活をテーマに連載の機会を与えられた。今までの経験を生かしたながら、面白く、わかりやすく、しかも知的な雰囲気の連載になればと思う。
この四半世紀は、前半は汎用大型コンピュータを中心にした「IBM」の時代であり、後半はパソコンを主役にした「マイクロソフト、インテル」の時代であった。あったと過去形で述べるのは、いささか早いとは思うが、現在のインターネットの爆発的な拡大は、それを予感させる。そこで、私は、インターネットコミュニケーターと自称し、インターネットによる知的生産性の向上をテーマに活動を始めている。
現在のコンピュータをめぐる動きを一言で表現すれば、誰でもがパソコンと向き合う大衆化の動きである。CMにあるように、「おいお前、インターネット知ってるかい」「ああ、知ってるよ」と、知らなくても言わざるを得ない時代である。キーボードアレルギーの強い,我々中高年にとって受難の時代ともいえる。誰でも扱えるというふれこみのWINDOWS95も、依然扱いにくい存在であることは間違いない。
しかし、決して乗り越えられない壁ではない。壁を乗り越えれば、知的生活をしたい人々にとって大きな助けとなる。私と同じ中高年の読者が、この連載を契機に、 生涯知的生活を目指していただければ幸いである。
次回から、まず、コンピュータの過去、現在、未来を概観したい。