三種の神器(15)

ワープロと表計算ソフトが、ビジネス用パソコンソフトの代表であった。これに、ビジネスネットワーキングに今や必須の電子メール用ソフトを加え、ビジネス三種の神器と呼ぶことにしたい。

今回は、ワープロについてのべる。最近まで日本では、ワープロ専用機が幅を利かしていた。たしかに、パソコンに比べ文書作成に特化していることで扱いやすい。しかしながら、三種の神器を使うためには、パソコンが必要となり、専用機は後退している。

我が国のワープロソフトは、事実上、ジャストシステム社の一太郎とマイクロソフト社のWordに絞られて来ている。国産のビジネスソフトは、残念ながら、あまりメジャーになったものがない。一太郎は、唯一の例外といってよい。

日本製のワープロソフトは原稿用紙の桝目を埋める感じ、外国製は文章を貼り付ける感じといった違いがある。文字の構造上の違い、すなわち、表意文字と表音文字の違いを反映しているのではないか。

日本語の特性に合わせて作られたことも、一太郎が日本人のマーケットに受け入れられた要因の一つであろう。しかしながら、ここでも、Windowsとのシームレスな使い勝手を売り物に、マイクロソフトのWordがシェアを伸ばしてきている。

なお、ジャストシステムは、徳島に本社を置く会社であり、先端ビジネスが地方においても立地可能なことを示している先駆的例である。ビジネスネットワークの新しいあり方を考える参考となる。

最近のワープロソフトで注目すべき動きは、インターネットとの連動である。ジャストシステムは、「一太郎からインターネットへひとっとび」とPRしている。また、マイクロソフトは、社運を賭けてインターネットに取り組みはじめた、くわしくは、あとでお話したい。