電子メールのメリット(20)

牛丼の吉野屋のキャッチフレーズに早い、安い、旨いがある。電子メールのメリットもこれに尽きる。

郵便では、宛先を書き、書類を封筒に入れ、切手を貼り、封印し、投函する。それが配達されるが、国内では最低でも丸1日、海外では航空便でも相当かかる。これに対して、電子メールでは、パソコンで書類を作成、宛先をパソコンに登録したアドレス帳より選択し、電子メールソフトを立ち上げ送信すればよい。座ったままで、パソコン通信では、ほぼ即時、インターネットでもそう時間がかからずに相手に届く。同報通信を使えば、複数の相手に一回の操作で配信ができる。また、電話とちがい相手がいなくても届くところが良い。

電子メールの経済性については、一通あたりの直接コストの比較では、郵便では封書で80円+アルファにたいし、電子メールでは電話代+パソコン通信あるいはインターネット接続業者の料金で20円程度である。海外に送る場合も、電子メールでは国内とほぼ同じで、コストメリットはより大きい。私の場合、中小企業診断士仲間での共同研究、異業種交流団体のパソコンネットワークの世話役、中小・中堅企業の海外進出支援等比較的電子メールを使う機会が多い。そのため、電子メールの直接的コストメリットだけで、パソコンの投資を回収できている。

早い、安いは以上の通りであるが、旨みの最たる点は、デジタル化により書き写す手間がなくなることである。広い意味の事務処理は、従来書き写すことの連続であった。情報処理の流れ、即ち、収集、加工、蓄積、配送の流れがスムーズになるメリットは大きい。これにより、情報のデータベース化とペーパーレス化も進む。ただ難点は、電話のように双方向でないこと、現在のところ電子メールの普及率が低いことである。