インターネットバブルの終焉(25)

このコラムの連載を始めて約半年が過ぎた。このへんで数回にわたり、インターネットの近況をレポートしたい。

私は、インターネットお仏壇説を唱えている。お仏壇は、実用性ではなく心の安寧を満たすもので、従って、機能とは無関係に、価格は心の満足に応じ、10万円前後から数千万円まで幅広い。インターネットも、とりあえず時代に遅れないようにと企業の精神安定用にいれるもので、従って、お仏壇のように、その運用費用も月数千円から数百万円に渡っている。今、各企業では、ホームページを立ち上げたものの、どう活用してよいかわからず、立ち枯れとなっているものが数多くある。また、インターネットによる商品やサービスの販売サイト(モール等)は、日本だけでも1000を超えているものの、ものになっているサイトは極めて限られている。

この間、インターネットで利益を上げたのは、出版社なども含めいわゆるインターネット支援産業だけといっても過言ではない。つまり、周りの応援団だけが利益を得る構造となっている。

前にこのコラムでインターネットブームは終焉し、いずれ静かに定着するのではないかと述べたが、その兆しが見えている。すなわち、インターネットを企業経営に如何に合理的に活用していくかについて、先進的企業は冷静かつ真剣に取り組みだしている。

これにつれて、インターネットバブルにのって、雨後の竹の子のように設立された第一世代の支援産業は、これからきびしい淘汰にさらされよう。その後に、タイミングを見計らって、第二世代の実力派が業界に登場する。これが、先端技術分野に関わる事業の常である。九州にお仏壇のはせがわがある。当社は、ユニークな経営戦略で多店舗展開を図り、仏壇業界に名をはせている。インターネット業界も新しい時代を迎えよう。