ホロンとインターネット
組織のあり方について、大きな変化つまりパラダイムシフトが起こっている。ホロンとかネットワーク組織といわれるものである。個と全体が微妙な形で併存するこれら組織のありようは、単に企業組織だけでなく、あらゆる組識に表現されはじめている。
インターネットは、四半世紀前にアメリカで始まったことはよく知られているが、その後大学や研究者のボランタリーな活動により今の形になった。ポストベトナムのクリントン世代が担い手であり、オープンさとある種のいかがわしさを漂わせている。
インターネットの語源は「ネットワークのネットワーク」である。それぞれのネットワークは、自立性を維持しながら、協調して動くための最小限の約束事を共有している、分散型のシステムとなっている。まさにホロンの定義そのものである。
世紀末にかけての人間組織のパラダイムシフトとインターネットのこの性質は良くマッチしているように見える。これが前回インターネットが世に定着するのではないかと考えた大きな理由である。世の中のシステムは時代の雰囲気に合っていなければ生き残れない。
インターネットのビジネス利用も、結局このオープンさを味方につけることがポイントであろう。顧客を組織化した上で、その資材調達を地球的規模で行って成功を収めているなどが典型例である。
次回は、クローズな世界にインターネットのオープンさを活用している、企業内での利用、イントラネットについてお話したい。これが、インターネット発展のキーのひとつと考えるからである。