イントラネットとインターネット

企業内にインターネットの仕組みを導入することで、情報の共有化を効率的に行うこと、これをイントラネットという。インターネットの個々のサービスについてはおいおい述べるが、イントラネットは、電子メールやWWW(俗にホームページと言われるもの)を、企業内に蓄積されたデータベース等と結び付けて構築する。

インターネットは、通信の決め事を守れば、どんなコンピュータでも繋がると前回のべた。そのオープンさを生かして企業内のコミュニケーションや情報の交換、共有をインターネットの仕組みを使って実現する動きが急である。WWWブラウザ(WWWを見るためのソフト)のトップ、ネットスケープ社では売上の80%がすでにイントラネット関係と言われている。

コンピュータシステムは、一般的にはRASISが必要とされる。信頼性、可用性、保全性、完全性、機密性が重要ということである。インターネットは、その成り立ちやシステムがオープンであるという特性からRASISの確保がなかなか難しい。

しかしながら、インターネットの企業利用すなわちイントラネットが進む中で、RASISを確立するための技術開発に、大量の資金が投入されはじめている。私がインターネットの将来に明るい見通しを立てている理由に、前回、時代の雰囲気を挙げたが、もうひとつの理由はこれである。

オープンさを特長とするインターネットが、逆にクローズドな世界を追求するといった一見矛盾する動きが見られる。ボランテアに支えられた第一世代のインターネットが、商業利用による第二世代に移ってきている。この先世紀末にかけてどのような展開が見られるか、十分楽しみたい。