タッチおじさんとF1レーサー

富士通のCMにしょぼくれたおじさんがあらわれて、「パソコンみん〜な持ってるし〜 なん〜も考えんとはじめよ〜」というのがある。80年代後半にF1レーサーの鈴木亜久里が東芝のCMに颯爽と現れたことからみると隔世の感がある。パソコンの大衆化なかんずく中高年をターゲットに、パソコン市場が動き出していることを反映している。

しかしながら、タッチおじさんがいうほど、中高年にとってパソコンは手軽に取り組めるものではない。パソコンにより知的生活をエンジョイするには、自動車免許取得にかける程度の努力は必要ではないかと思う。つまり、ある程度の覚悟はいるが、免許と同じくやれば殆どの人が達成可能な範囲であるということである。

われわれ高度成長を支えてきた中高年は、悲しい性ではあるが、追いつめられると大きな力を発揮する。このところ、短期間の努力で高レベルの使い手になった中高年ビジネスマンが続出している。

仕事場にパソコンがどんどん入ってくるに従い、パソコンが不得手の中高年に対するいじめ、パソコンハラスメントが横行し始めている。これをかいくぐり、定年までパソコンをさけて、生き延びるのも一つの選択肢である。しかし、生涯知的生活を望まれるパソコン未経験の読者諸兄には、これを機会に、ある程度の覚悟で取り組まれることをお勧めする。新しい世界が開けると思う。

それでは、本連載のテーマであるビジネスネットワーキングをスムーズに達成するには、現在、具体的にはどうすればよいのか。私の独断と偏見をまじえて要約すれば、Windows95搭載でインターネット接続環境を持った携帯型サブノートパソコンを調達、ワープロソフトと表計算ソフトをある程度使いこなし、電子メールのやり取りが出来ることが条件となる。次回からそのへんの事情を述べる。