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【保険業界を斬る】
<家業から企業へ> (1)
経営数理研究所代表 inswatch発行人 長 忠
7月1日RINGの第2回オープンセミナーが大阪で開催された。プロ代理店の方々を中心に、全国から二百数十名が参加して熱気あふれる会となった。業界トップレベルのそうそうたる代理店から、開業したての意欲あふれる若手まで、また、北は北海道、南は九州から多数が参集した。
RINGは、本inswatch共同編集人中崎章夫が、1997年、各地の先進代理店に呼びかけて、インターネットを活用したメーリングリスト(ML)を立ち上げたことに端を発し、現在、代理店をメンバーとする正会員と、誰でも参加できるオープンMLがあり、オープンMLには現在約150名が登録されている。
http://www.mirai.ne.jp/~ring/public/openml/frame.htm
第1回セミナーを取仕切ったグローバルインシュアランスの村田さんが、今回のセミナーについて以下の総括をしている。
大阪オープンセミナーは、もしかしたら保険業界の歴史に残る(残すべき)1ページになるかもしれません。もっとも遅れている業界との評価が保険業界ですが、(中略)今後は、もっとも早く変革した業界との評価になるのではないでしょうか? そんな業界の地殻変動を感じたセミナーでした。
今回のセミナーの成功は、主催者側の努力も勿論だが、MLを通じた口コミ(メルコミ?)により、輪が広がって行ったことによるところが大きい。インターネットによる情報共有の威力をまざまざと実感できた。
大きく技術が変わる時期には、1周遅れが先頭に立つことが良く起こる。紙と鉛筆の事務を温存して、世間の流れに逆らっていた保険業界が、村田さんご指摘のように、インターネット活用で、一気にTOP集団に踊り出ることも夢で無いなとの感慨を持ち、興奮を禁じえなかった。
トップクラスの保険代理店でも、従業員10人未満のいわば家業レベルにとどまらざるを得ないのは、長く規制に守られ紙と鉛筆という前近代的事務が温存されており、そのために、企業化への前提である情報ネットワーク化に対するハードルが、代理店にとって著しく高いことにあった。
いよいよ、インターネットを代理店経営に活用することで、そのハードルを乗越えることが可能になりつつある。
本inswatchには、保険代理店が「家業から企業」へ脱皮するにはどうすべきかをテーマに、多彩な執筆陣にお集まりいただいた。特に、高いハードルを乗越え既に先進的取組みを進めている代理店やそれらを支援してきた関係者に、様々な切り口で、その取組みを語ってもらいます。大いに参考にしていただきたい。
筆者は、RINGのアドバイザーになるまでは、保険業界とは無縁の所にいたので、やや、距離をおいて眺めることが出来る立場にあると思っている。本コラムも、そのスタンスで書きますので、ピント外れには忌憚のないご意見を!! |
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