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長忠の保険代理店経営診断



 
  【保険業界を斬る】
<新手数料のインパクト> 家業から企業へ
今回から数回にわたり、前回ご説明した筆者が開発した代理店経営シミュレーションモデル(BSCシミュレータ)を使い、家業から企業へ脱皮するとはどういう意味かを、検証したいと考えています。
http://www2.biglobe.ne.jp/~cho/edoc010502/sld020.htm

第1回目は、新代理店手数料体系の経営に対するインパクトを測定してみます。

新手数料については、ご存知の様にいわば先送りで、代理店の中にはほっと一息入れたところもありますが、インスウオッチの読者には、手綱を緩める方はいないと思います。厳しい冬に向かっての小春日和(インディアンサマー)と考えるべきでしょう。

今後、手数料率は、IT化による代理店チャネルの急速な生産性向上を背景に、かなりのテンポで水準の切り下げが起こるとともに、代理店間での格差も拡大することでしょう。

新手数料体系については、保険会社各社の戦略に合わせ、現在様々な形となっておりますが、基本的には、当該代理店の収入保険料の規模、その成長率(増収率)、顧客の質を表す損害率の3つで概ね決まります。
http://www2.biglobe.ne.jp/~cho/edoc010502/sld023.htm

筆者は上記体系に合わせ算出モデル作りましたが、このモデルを使って、家業に留まるケースと家業から企業へ脱皮を果したケースで手数料を比較します。それぞれの経営上の前提は、前回ご説明の通りです。
http://www2.biglobe.ne.jp/~cho/edoc010502/sld024.htm

この手数料をシミュレーションモデルに入れて、売上をそれぞれ算出します。この売上の差を、家業から企業へ脱皮した効果と考えて良いと思います。手数料率はいわば売上単価の上昇ですので、売上増はそのまま利益の上昇につながります。
http://www2.biglobe.ne.jp/~cho/edoc010502/sld025.htm

今回の試算では、利益アップの額が、2001年から2005年までの5年間の累計で、約3千万円となります。

今回前提とした手数料算出モデルは、現在の構造がそのまま続くことを前提にしていますが、実は、経営力のある代理店には、今以上に厚く報いる体系になる可能性が高いと考えています。その場合は、企業へ脱皮のメリットが更に拡大することになります。

企業への脱皮はこのように、大きなメリットをもたらします。インスウオッチが、家業から企業へを標榜している大きな理由の一つがここにあります。

経営数理研究所代表 inswatch発行人 長 忠
http://www2.biglobe.ne.jp/~cho/

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