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長忠の保険代理店経営診断



 
  【保険業界を斬る】
<既存顧客と新規顧客> 家業から企業へ
前回は、外部環境要因として新代理店手数料の影響を見ましたが、今回は例のバランススコアカード(BSC)を使って、顧客の視点から考えて見ます。

個人として一匹狼で代理店を営む場合は、優良顧客の深堀をメインに、お客様の紹介で何がしかの新規顧客を少しずつ獲得していけば済みますが、家業から企業へ脱皮するには、優良顧客深堀(顧客内シェアアップ)と新規顧客開拓の両面作戦で進める必要があります。

以上の観点で、筆者の代理店BSCには、顧客の視点の指標として、顧客シェア、新規顧客獲得数、更改率、損害率、面談時間マッチング度を挙げています。貴重な面談時間を戦略や戦術に合わせてどのように配分するかを、筆者は面談時間マッチング度と称して重要視しております。
http://www2.biglobe.ne.jp/~cho/edoc010502/sld026.htm

ここでは、新規顧客開拓の時間捻出をどうするか、これをポイントに、面談時間マッチング度を考えて見ます。

先ず、戦略レベルの話としてどの分野を重点的に攻めるかを考えます。前に述べたように、顧客シェアと顧客ポテンシャルの関係をベースに、ポジションに応じてメリハリを利かして営業するようにします。
http://www2.biglobe.ne.jp/~cho/edoc010322/sld007.htm
この場合は、個人向け生保が重点分野に選択されました。

次に、上記の戦略をベースに、顧客ひとり一人の重要度を判断して、例えばA,B,Cにランキングしてメリハリを利かして営業するようにします。この場合は個人向け生保を重点分野としましたので、年齢と手数料のマトリックスで顧客ひとり一人の重要度を判定しました。
http://www2.biglobe.ne.jp/~cho/edoc010502/sld027.htm

最後に、Cランクの顧客について更改をパート化したり非面談化することで、面談時間を生み出し、新規顧客の開拓に回します。実は、多くの代理店営業は、行きやすい所に行き、行くべき所に行っていないのが実情です。例えば、長年の付き合いで高齢化した自動車単種目客に伺って、長時間話し込むといった按配です。

以上をベースに、面談時間の再構成を行った例をお示しします。面談時間マッチング度とは、再構成した面談時間構成にどれだけ合っているかを測定します。
http://www2.biglobe.ne.jp/~cho/edoc010502/sld028.htm

新規顧客の開拓には、その前提には見込み客の発見が必要です。最近は代理店再編の動きに合わせて、単純な新規開拓ではなく、提携、合併、買収等による新規顧客獲得の機会が増えており、この点への適切な対応が必要となってきています。

経営数理研究所代表 inswatch発行人 長 忠
http://www2.biglobe.ne.jp/~cho/

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