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長忠の保険代理店経営診断



 
  【保険業界を斬る】
<面談生産性を上げるには?> 家業から企業へ
前回と前々回と2回にわたり、代理店経営をバランススコアカード(BSC)を使って、顧客と社内ビジネスプロセスの視点から考えましたが、今回は第3の視点、人材(成長と教育)の視点から見てみます。

BSCにおける人材の視点は、顧客や社内プロセスが主として現在の課題を扱うに対して、中長期的課題、いわば、未来への投資といった観点で考えます。人材を出発点に、社内プロセスを効率化し、顧客との効果的関係を構築して、その結果として、財務の視点で成果を確認します。
http://www2.biglobe.ne.jp/~cho/edoc010502/sld032.htm
筆者の代理店BSCには、人材の視点として、営業スタッフ数、人材装備率、一人当り賃金、面談生産性を上げています。BSCは経営の因果関係を示していますが、この場合でいえば、前3指標が因となり果(面談生産性)が生まれます。面談生産性とは、面談時間当りの獲得手数料をいいますが、必要に応じて契約獲得件数当りの面談時間等を使い細かい分析を行います。

面談生産性を上げる基本は、営業スタッフを増やし、分業化を進めるとともに、情報を共有化してチームで営業する体制を整備する必要があります。前に述べたように生産性は規模と比例しており、情報化はこれを加速することになります。
http://www2.biglobe.ne.jp/~cho/edoc010322/sld006.htm

ただ、いたずらに人数を増やしても烏合の衆になりかねません。能力開発が重要です。人材装備率は、資格等の取得率で測定します。最近では、代協の保険代理士が新代理店手数料においてインセンティブの対象となっており、能力開発の一環として計画的な取得を行えば一石二鳥です。
http://www.qchan.com/backnumber/2001/02/130207.htm

また、働いた成果、即ち、生産性の向上による収益UPを、スタッフに還元する仕組み、つまり、経営者も従業員も両方ハッピーになるWin Winの仕組みを作る必要があります。高収益と高賃金が両立する生産性の高い精鋭部隊の実現です。
http://www2.biglobe.ne.jp/~cho/edoc010502/sld033.htm

経営規模拡大により生産性を向上できた場合の効果を測定して見ました。社長以下5人、手数料が現状4000万円というモデルで計算して、今後5年間の累計で約4000万円の収益UPになりそうです。
http://www2.biglobe.ne.jp/~cho/edoc010502/sld034.htm
規模拡大のもう一つの効果として、前に代理店手数料UPを上げましたが、その効果を加えると、5年間で7000万円程度が期待できそうです。
http://www2.biglobe.ne.jp/~cho/edoc010502/sld025.htm

規模拡大と生産性の向上により、家業から企業へ脱皮を図る必要性がお分かりいただけたでしょうか?

経営数理研究所代表 inswatch発行人 長 忠
http://www2.biglobe.ne.jp/~cho/

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