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長忠の保険代理店経営診断 ![]() |
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| 【保険業界を斬る】 <規模拡大は是か非か?> 第1回保険代理店経営実態調査より 今回よりしばらく、第1回保険代理店経営実態調査をベースにお話を進めます。この調査の過程で、何人かの読者の方々より、「inawatchでは、TOP1%を目指すとか家業から企業へとか、規模拡大を前提とした話が多いが、その可能性が実感できない、いたずらな規模拡大は危険で、世を惑わす議論ではないか」ときびしいご指摘を頂きました。 実は、この実感を裏付ける数字が今回の調査で浮き掘りになりました。前回ご紹介した代理店規模別のデータです。ここの生産性のデータをご覧下さい。個業の生産性が一番高く、規模のメリットが働かない状況が窺われます。 http://www2.biglobe.ne.jp/~cho/agresch0202f/sld010.htm この背景には、右肩上がりのなかで、規制で守られた、業界の特殊事情があると考えています。規制によりコストを価格(保険料)に容易に転嫁できる状況で需要が拡大すれば、保険会社がコストを考慮せずに販売網を拡大する戦略を取るのは、極めて合理的です。効率を考えずに、代理店を増やすことに、各社が最大限の努力をはらったのは当然といえます。 その結果、低生産性が温存され、消費者は高い買い物(保険料)を強いられることになります。お客様第一といいながら、顧客満足から程遠い状況が生まれています。 http://www2.biglobe.ne.jp/~cho/niigata0303/sld003.htm この状況が現在逆転し始めております。右肩下がりのなかでの自由化です。様々なルートからの合理化圧力が加わり、今後、急速な生産性の向上が期待できます。特に、インターネットを初めとした情報ネットワーク化は、大きな援軍と考えています。 下記は、今回調査に参加された63社の皆様を、横軸に従業員数、縦軸に生産性をとってプロットしたものです。今後、2005年の線に向かって、皆さんの努力を期待しています。 http://www2.biglobe.ne.jp/~cho/agresch0202f/sld012.htm 単純に規模拡大は是か非かというよりは、全体として、規模拡大による生産性の向上が進むことを前提に、各自がどのような対応を取るかが重要となります。勿論、激動の時代、戦略なきいたずらな規模拡大は、極めて危険で、命取りになりかねません。次回からこの辺を議論したいと思います。 2002/03/04 経営数理研究所代表 inswatch発行人 長 忠 http://www2.biglobe.ne.jp/~cho/ |
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