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【保険業界を斬る】
<家業から企業へ> 乗合代理店の情報化(2)
◇ IT基本戦略
保険会社の代理店支援システムについて、ロードマップ(何時まで何をするか?)がないので、色々不都合が生ずるとのお話を前回しました。最近、政府が出したIT基本戦略は、この点で結構役に立ちますので、保険取引に関係が深い部分について項目を挙げてみます。
《常時接続》1年以内にすべての国民が極めて安価にインターネットに常時接続可能に《電子商取引》2002年までに電子商取引を阻害する規制の改革《電子政府の実現》2003年までに行政内部の電子化などを推進の3項目です。
営業スタッフが顧客接点で全ての事務を行える条件として、前回挙げた4つの"でも"、即ち、いつでも、どこでも、誰でも、どの社でも、の実現の時期がこれである程度読めます。
◇ いつでも、どこでも、誰でも
インターネットは本来常時接続している、つまり、"いつでも"使える状態にあることを前提にしています。筆者の場合、CATVの常時接続サービスを導入して1年を過ぎましたが、とても元には戻れないというのが実感です。
http://www2.biglobe.ne.jp/~cho/columnGK/gk32-.html#p36
"いつでも"の条件は、基本戦略にあるように、概ね1年以内に実現しそうです。オンライン計上に合わせて、常時接続された仲間が急激に増えるという、中小企業の業界では極めて稀な、恵まれた立場に保険代理店はなりましょう。
次に"どこでも"を考えてみましょう。携帯パソコンなどの端末をお客様に持ち込んで、全てを処理することが出来る条件です。これにより、キャッシュレスとペーパーレスが実現して、大幅なコストダウンと顧客満足の両立が図れます。
これを実現するには《電子商取引》、《電子政府の実現》の実現、具体的には電子商取引促進のためのガイドライン整備や商法などの改正、電子印鑑や決済などなどの規格の標準化等が必要ですが、概ね2003年までにはめどがつきそうです。
"誰でも"つまり、パソコンが苦手な代理店主でも、保険の知識さえあれば簡単に扱える条件です。この点については、最近、パソコンを買えば必ずただで付いている、インターネットの閲覧ソフト(ブラウザ)だけで、操作が可能な代理店支援システムが脚光を浴びています。
これについては、ビジネス用のソフトウエア(アプリケーション)を、インターネットを通じて提供する事業者を、ASP(Application
Service Provider)と称しますが、保険会社についても、ASPとしてサービスの提供が始まります。
http://www2.biglobe.ne.jp/~cho/columnGK/gk37-.html#p41
◇ どの社でも
以上のように、いつでも、どこでも、誰でもの条件は、かなり早い時期に実現しそうです。これで、専属代理店は極めて快適なシステム環境が得られます。
次回は乗合にとって死活問題の"どの社でも"を考えます。
経営数理研究所代表 inswatch発行人 長 忠
http://www2.biglobe.ne.jp/~cho/
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