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長忠の保険代理店経営診断



 
  【保険業界を斬る】
<家業から企業へ> 乗合代理店の情報化(4)
乗合代理店の営業スタッフが、顧客接点で全ての事務を行える条件、即ち、いつでも、どこでも、誰でも、どの社でも、を実現するためには、保険電子取引の標準化が不可欠ですが、我が国の1歩先を行くアメリカの現状を見てみましょう。

アメリカでは保険電子取引標準化をACORDという非営利の団体が担っており、1千を超える保険会社、2万5千のエージェント、主要なソフトウエアベンダー等が参加して、様々な標準化活動を行っています。
http://www.acord.org/about/frame.htm
アメリカでは代理店専門のサービス業者も多数存在しており、今年度のACORD TECHNOLOGY CONFERENCE のメンバー表を見ても、その奥行きの深さがうかがわれます。
http://www.acordconference.com/flash/exhibitors2.html

ACORDは、1970年に独立系のエージェントが母体となって組織化された伝統ある団体で、昨年(2000年)はメンバーが20%増加して、AIGも年末に参加を決めるといったように、かなり注目が集まっているようです。
このように標準化に注目が集まる理由は、やはり、インターネットと標準化が結びつくことで、極めて効率的な代理店システムが出来ることが、アメリカでは共通の認識となったということでしょう。

では、もう少し具体的にアメリカの動きを見てみましょう。なんといっても、重要なキーワードとしてXMLとASPが挙げられそうです。

XMLは、標準化のためのインターネット言語で、詳細は以下をご覧下さい。
http://www2.biglobe.ne.jp/~cho/columnGK/gk32-.html#p33
これを使うことで保険電子取引がシームレスに繋がることから、ACORDでは極めて精力的に取り組まれており、2000年度の表彰もXMLの先駆的活用例が多くを占めました。
http://www.acord.org/conf2000/award.htm

ASP(Application Service Provider)は、ソフトウエア(アプリケーション)をインターネットを通じて提供する事業者です。
http://www2.biglobe.ne.jp/~cho/columnGK/gk37-.html#p41
保険においても、アメリカではいよいよ本格的サービスが始まっています。
http://www.appliedsystems.com/tamcentral/

このようにアメリカでは、かなり進んだ取組みがなされていますが、代理店制度の違い等もあり単純な比較は出来ないものの、我が国においても代理店の効率的事務や効果的顧客対応を実現するには、一刻も早いインターネットに関する標準化への取組みが望まれます。次回はその辺を考えてみます。


経営数理研究所代表 inswatch発行人 長 忠
http://www2.biglobe.ne.jp/~cho/
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