おかえり.jp 放哉 孤高の詩 一句拝掌(最新の俳句) 愛句連々(過去に紹介した俳句) 放哉年譜

愛句連々

尾崎放哉の俳句をイラストと一緒にご紹介します.



打ちそこねた釘が首を曲げた

さて、この句も、物質的な事象に、心象的風景を当てはめているものであります。

現象としてはなんということはないのです。誰もが頻繁に目にすることです。しかしそれが、あまりに自分の生きざまに酷似していることに気が付いたとしたら...そう、放哉の前半生は順調に打ち込まれている釘のごとき様なものでありました。しかしいつからか蓋然的な要因(嗚呼、これは人間の性悪説に因ればオプテミスティック過ぎる解釈かも知れぬ)により、釘は曲がり、その本来の役割を果たさなくなるのです。

放哉は、この釘を抜き去って新しく同じ穴へ違う釘を打とうとするでしょうか。否。そうではありますまい。放哉はその釘をいとおしく見つめた後、しばしそのまま時を徒に過ぎるにまかせるのでしょう。そして苦笑しながら別の場所に釘を打ち出すに違いありません。それでこそ放哉、それでこそ孤独を楽しもうとした男の生きざまではないでしょうか。


★放哉の他の俳句にもご興味のある方はこちらへ → 愛句連々(過去に紹介した俳句)

         


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