おかえり.jp 放哉 孤高の詩 一句拝掌(最新の俳句) 愛句連々(過去に紹介した俳句) 放哉年譜

愛句連々

尾崎放哉の俳句をイラストと一緒にご紹介します.



うそをついたやうな昼の月がある

これは須磨寺時代の作。

なんとも乾いた皮肉な響きをもった句です。「昼の月」は、太陽輝く日中に、ほとんどの人に忘れ去られたままで天空を彷徨っています。それがいきなり放哉の視界に飛び込んでます。当惑する放哉。孤独を愛する者として、月は友ではありますが、それは夜の月の話。昼に見える半透明でぼやけた月は、妙にしらじらしく目を背けたくなります。

そこで放哉は思わず我が身を顧みるのでした。
 俗世間を捨て、煩悩を忘れ去ろうとする自分ではあるが、悟りを得るほどの決心もなく気持ちはふらふらとしてまさに朦朧と生きているようなもの。これでいいのか、と我を叱咤するものの、それはどこか自分の生き様を騙し続けているような気もして、後ろめたさをそっと感じているのです。

いずくんぞ知らん、「昼の月」とは放哉自身のことだったのです。


★放哉の他の俳句にもご興味のある方はこちらへ → 愛句連々(過去に紹介した俳句)

         


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