おかえり.jp 放哉 孤高の詩 一句拝掌(最新の俳句) 愛句連々(過去に紹介した俳句) 放哉年譜

愛句連々

尾崎放哉の俳句をイラストと一緒にご紹介します.



漬物桶に塩ふれと母は産んだか

これも須磨寺時代の作。

放哉は、年譜にもあるように、人生途中までは順風満帆の人生でした。しかし、自分の進路に疑問を一旦感じてからは、瞬く間にその道から外れて、孤独の道へひた走ることになります。それは彼本人にはともかく、彼の身内、とりわけ彼の誕生に歓喜した両親には本意でないことであったことでしょう。彼の意向に振り回されていた妻も疲れ果てていたことと思います。

それでは放哉本人はどうであったか。

将来を嘱望されていたことを内心誇らしく思っていたことであろう紅顔の時代をまさか忘れたわけではないでしょう。そしてその先に考えていたこともあったことでしょう。勤め先での周りのサラリーマン根性(他者を貶めることによって自らを相対的に高めようとする悪しき習い!)に疲れ果て彼が選んだ道は、孤独と極貧への道でありました。そして今や自分で漬物桶に塩をふりながらひっそりと暮らす日々。もし彼が今少しタフで丈夫な体であったなら...いえいえ望むべくもありますまい。

そして、この句があります。もはや説明も不要である程、放哉の懺悔に満ちています。これは全ての人に共通な思いには違いないのだけれど。


★放哉の他の俳句にもご興味のある方はこちらへ → 愛句連々(過去に紹介した俳句)

         


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