おかえり.jp 放哉 孤高の詩 一句拝掌(最新の俳句) 愛句連々(過去に紹介した俳句) 放哉年譜

愛句連々

尾崎放哉の俳句をイラストと一緒にご紹介します.



淋しいからだから爪がのび出す

常高寺での作品。

放哉が自分の身体を題材とするとき、その負の方向に向かっている生々しさと青白い不健康なイメージには、何とも云えぬやるせなさを感じることがあります。ここに死ぬ直前まで丈夫体であった山頭火との決定的な違いがあるのではないでしょうか。

さらに爪に関して詠んだものに至っては、究極的に高密度な死との接近が露わになっているようです。どんなにやせ細っていく身体からも爪は容赦無く栄養を吸い取りながら虚空へと伸びてゆきます。これは髪も同じですが、仏道に入って既に剃髪している身では、やはり爪が目立つのでありましょう。
 爪は死神の手招きにも似て、死への階段を確実に昇らせていく不可避な時の流れの暗喩でもあります。

もう失うものはなにもないはずの身体から伸びだす爪をみている一人ぼっちの放哉。まだこの頃なら間に合ったかもしれないのに...


★放哉の他の俳句にもご興味のある方はこちらへ → 愛句連々(過去に紹介した俳句)

         


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