おかえり.jp 放哉 孤高の詩 一句拝掌(最新の俳句) 愛句連々(過去に紹介した俳句) 放哉年譜

愛句連々

尾崎放哉の俳句をイラストと一緒にご紹介します.



何かつかまへた顔して児が薮から出てきた

これは須磨寺時代の作品です。

瀬戸内海に面した穏やかな須磨寺での生活の中で放哉は、時に仏様のような心で、童心に戻ったかのような素直な句を詠んでおりました。この句のその一つでありましょう。

朝夕のお勤めが終われば放哉も所在ない時間を過ごすことになります。日差しも強くなく弱くなく丁度よい具合。何ともなしに窓から外を見ておれば、何やら薮の奥の方から子供のはしゃいだ声が聞こえてきました。
 それがどんどん近づいてくるや、おもむろに薮から子供の姿が現れてきました。満面の笑みで手には何やら握っている様子。とにかく自分の見つけたものを少しでも早く誰かに見てもらいたい、そういう自慢げなさまが可笑しく、またそういう無垢な感動する心が羨ましく思えるのでした。

おそらくその子は放哉の方にではなく、親か友だちにでも走って見せに行くようだが、そんなことはどうでもよい。ただ、その飛び跳ねるようにして自分の喜びを分かち合って欲しいという純粋な思いがあふれていて、放哉に目映いばかりの一瞬を投射するのでありました。

生気にあふれている子供の姿ににっこり微笑んでいる放哉にほっとさせられる句であります。


★放哉の他の俳句にもご興味のある方はこちらへ → 愛句連々(過去に紹介した俳句)

         


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