おかえり.jp 放哉 孤高の詩 一句拝掌(最新の俳句) 愛句連々(過去に紹介した俳句) 放哉年譜

愛句連々

尾崎放哉の俳句をイラストと一緒にご紹介します.



淋しきままに熱さめて居り

南郷庵時代の作品。放哉の命が少しずつか細くなって死へと向かっている時期。

酒と句作で病気の身体をごまかしながらなんとか生きながらえてきたものの、結核という当時の死の病は、着実に容赦なく放哉を死へと追い立てていきました。もはやなすすべもなし。

微熱とだるさが続き、もはや起きていることもままならなくなり、一日せんべい布団に横たわるようになってしまいました。・・・もう俺もおしまいなのか・・・四十を超えて厄年にさしかかろうという放哉です。

この句は、ちょっと小康状態になった時の句でしょう。私たちが発熱した時でも、朝方には一時的に熱が冷めて落ち着くことがあります。体から毒気が一瞬抜けたようで、夜明けの澄んだ空気が首筋を抜けていき、快ささえ感じます。その後にまた激しい悪寒が襲ってくるのはありますが、人心地付けるひととき。

しかし・・・そんな放哉に声をかけてくれる人もそこにはいないようです。妻ともとうに縁を切り、家には廃嫡(はいちゃく)を願い出て、自ら選んだ天涯孤独。それを今さら悔やむではないが、たった独りで死と向き合わなければならない今がただただ「淋しい」のでありました。


★放哉の他の俳句にもご興味のある方はこちらへ → 愛句連々(過去に紹介した俳句)

         


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