おかえり.jp 放哉 孤高の詩 愛句連々(他の放哉の俳句紹介) 放哉年譜

一句拝掌

尾崎放哉の俳句を一つ一つ味わっていきます.
この透明感、清澄感をしっとり感じていただきたい.



入れものがない両手で受ける

放哉の晩年の生き様が素直に表現されています。

浮世との全てのしがらみを捨てて孤独になりきっていく中で、当然「清貧も極まれり」な生活になっていきます。お金が常時ないのはもちろんのこと、食べるものには当然こと欠く毎日。炊事や洗濯をするのにも最小限のものしか放哉にはありません。

そんな時に思わず喜捨を受けることとなったのですが、あいにく入れものがありません。かといって、いただける時にはいただくのが相手のためでもあります。そういう時に何もないことを言い訳しつつ両手を差し出す放哉。両手で硬さや重さを感じることで、精一杯の感謝の気持ちを伝えたかったのでしょう。

私たちも子供の頃は、両手で色々なものを受け取った記憶があるはず。その時の満足感と充実感はもう感じられないのでしょうか。店でおつりを片手で無造作に受け取る度に寂しく思うことです。


★放哉の他の俳句にもご興味のある方はこちらへ → 愛句連々(過去に紹介した俳句)

         



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