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バルトーク:弦楽器と打楽器とチェレスタのための音楽

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バルトーク:打楽器、弦楽器、チェレスタのための音楽、ディヴェルティメント、中国の不思議な役人

 バルトーク作曲の「弦楽器と打楽器とチェレスタのための音楽」のご紹介です。長い曲名なので「弦チェレ」と略することが多いです。
 バルトークが民族音楽の研究に没頭していた頃に、バーゼル室内管弦楽団を率いていたパウル・ザッハーに委嘱されて作曲しました。初演は1937年。

バルトークに特徴的な現代的かつ理知的なパッションが感じられる曲で、いわゆるクラシックっぽい和声や調性や拍子や楽器編成とは異なった味わいをもっているので、ある程度クラシック音楽を聴き込んだ方に特におすすめします。

 題名通り、弦楽と打楽器とチェレスタという、管楽器を除いた編成であることにより、情緒性がほとんど排除されて鋭くピュアな響きが直接的に響いてきます。各楽章がそれぞれに非常に個性的に色付けされていることも楽しみの一つになるでしょう。

 曲は4つの楽章から成っています。
 第1楽章は、不気味な感じで始まる自由なフーガ形式。ビオラがピアニシモでイ音から始める音階を行きつ戻りつするようなテーマで始まります。通常フーガというのは主調でテーマが提示された後で次に五度上の調、そしてまた主調・・・といったようにテーマが追いかけてくるのですが、この曲では特殊な構造をとっています。最初のテーマの次には五度上でテーマが追いかけ、次は主調の五度下でテーマが追いかけ・・・といったようにどんどん上に五度ずつ下に五度ずつ拡がっていくように曲が展開するのです(冒頭:下譜A)。ほとんどは弱奏ですが、途中でシンバルの打音をきっかけにクライマックスに達します。そしてテーマと音の動きが上下逆のテーマも現れながらまた弱奏の世界に戻っていきます。チェレスタの夢幻的な装飾が微妙な色付けをする部分を経て、最後はまたイ音で曲を閉じます。

楽譜A(第1楽章冒頭)
弦チェレ第1楽章テーマ

 第2楽章は、前の楽章とは一線を画す活気をもった急速なカッコイイ曲。ソナタ形式です。ピチカート音による導入から決断的な第1テーマが始まります(下譜B)。ちょっと水の上を渡っていくような伸びる音の経過句を得てそれをティンパニが収めると、戯けた感じの第2テーマがひょいひょいと現れます(下譜C)。さらに進んでピアノが駆け上がるようなコデッタテーマが現れますが(下譜D)、それが四度ずつ音を下げていくと展開部に入ります。ピアノがリズムを強調する打音を繰り返す部分やフガート的な部分も経てまた第1テーマが明確に奏されます。ここからが再現部。第2テーマは3拍子でさらにふざけたような感じになり、コデッタテーマも取り急ぎ登場し、最後は第1テーマ中心となって奔流のように盛り上がり、決然と曲を終結します。聴いているとあまり感じませんが拍子は頻繁に変化しており、それを自然な形にまとめ上げているのがバルトークの真骨頂と言えます。

楽譜B(第2楽章第1テーマ)
弦チェレ第2楽章第1テーマ

楽譜C(第2楽章第2テーマ)
弦チェレ第2楽章第2テーマ

楽譜D(第2楽章コデッタテーマ)
弦チェレ第2楽章コデッタテーマ

 第3楽章は、真夜中といった雰囲気の緩徐楽章。「A-B-C-B-A」のアーチ形式です。木琴の拍子木を叩くようなモチーフから始まり、物憂げな第1テーマが始まります。木琴の音が時々点滅して独特な背景をつくっています。第1楽章のテーマを変形したような楽句が中心となる第2テーマが現れ、チェレスタ、ピアノ、ハープがさざめく中をひっそりと弦楽器が進めていき、速度を速めて5拍子のかっちりとしたリズムで盛り上がる部分に達します。そして第2テーマ、第1テーマというような順番で再現され、最後はまた木琴の拍子木のフレーズで終わります。
 第4楽章は、シンコペーションのリズムに特徴がある舞曲的なテーマが何回も現れてくる自由なロンド形式(変奏曲形式ともいえます)。ティンパニの開始の合図でピチカートの和音がリズム的に加速していき、テーマが飛び跳ねるように登場します(下譜E)。この楽章はバルトークの魔術にすっかり嵌り込んでしまう方が面白いでしょう。時々現れる楽しい場面・・・ピチカートによる4度音程の経過句(下譜F)、ピアノがテーマをのどかに奏するところ、ピアノが不協和音でしつこく追い回すようなところ(下譜G)、などなど。曲の後半は、第1楽章や第3楽章の一部を垣間見るような部分も経て、テーマでゆったりと盛り上がってから、テンポをもとに戻して舞台の幕が急速に落ちるように全曲を閉じます。

楽譜E(第4楽章テーマ)
弦チェレ第4楽章テーマ

楽譜F(第4楽章経過句)
弦チェレ第4楽章経過句

楽譜G(第4楽章切迫モチーフ)
弦チェレ第4楽章切迫モチーフ

 ご紹介のCDは、バルトーク作品を得意としていたショルティ指揮シカゴ交響楽団によるこの曲の特徴をよくとらえている演奏。「弦楽オーケストラのためのディヴェルティメント」と「中国の不思議な役人」というこれまた傑作のカップリングもなかなか良い。

どんな曲か試聴したい方はどうぞ。「弦楽器と打楽器とチェレスタのための音楽」から第2楽章です。(Youtubeより)

(他のCDも見てみたいという方は、以下もご覧下さい.)



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