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プロコフィエフ:交響曲第5番

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プロコフィエフ:交響曲第1番、第5番、組曲「キージェ中尉」

 プロコフィエフ作曲の交響曲第5番のご紹介です。
 ソ連(現ロシア)の作曲家による交響曲の中でも、ショスタコーヴィチの交響曲第5番「革命」と並び立つ傑作。

 作曲年は1944年。第二次世界大戦が終わる一年前です。祖国の戦争に芸術家として何らかの貢献をしようとして作曲したと言われてますが、それから「作品100」という区切りの作品として気合が入ったこともあるかもしれません。かといって戦争を鼓舞するような即物的なものではなく「(第5交響曲は)自由で幸せな人間、その強大な力、その純粋で高貴な魂への讃美歌の意味を持っている。」と自ら語っていました。確かにこの交響曲には人生肯定の響きがしています。

 彼の楽器法や和声法の現代的な知的な部分と、いかにもスラブ民族的な野太いメロディーメーカー的な部分が程よく融合されており、幅広い方に気に入っていただける曲になっていると思います。

 曲は4つの楽章から成っています。
 第1楽章は、アンダンテという遅めなテンポのソナタ形式。しかしその運動性は際立っており緩慢な印象は与えません。フルートによるコラール風の第1テーマからいきなり始まります(下譜A)。それがヴァイオリンに引き継がれると彼特有の調性のズラし・・・いつの間にか半音下の調(変ロ長調→イ長調)に移るという技を出して彼らしい展開となります。やがて低音から湧き上がる野太い経過テーマ(下譜B)も加わってクライマックスに達した後、音が弱まって非常にメロディアスな第2テーマが高音で現れます(下譜C)。これも途中での調性のズラし(ヘ長調→ホ長調)が心憎いばかりに効果的です。やがて大股な歩みのフレーズからコデッタに入ります。せかせかとして上下する16分音符のリズム動機と大胆な音の跳躍が特徴的です(下譜D)。展開部はこれらの材料を多重に組み合わせており、その巧みさにただただ感心するばかりです。それがやがて金管楽器で高らかに奏される第1テーマに繋がってそこからが再現部。コーダでは第1テーマのモチーフを用いて少々くどい感じながらも盛り上がってゆき最後は輝かしい変ロ長調の主和音で決然と終わります。

楽譜A(第1楽章第1テーマ)
第5番第1楽章第1テーマ

楽譜B(第1楽章経過テーマ)
第5番第1楽章経過テーマ

楽譜C(第1楽章第2テーマ)
第5番第1楽章第2テーマ

楽譜D(第1楽章コデッタテーマ)
第5番第1楽章コデッタテーマ

 第2楽章は、急速な4分の4拍子のスケルツォ的な楽章。諧謔的なテーマと楽器同士のやりとりなどが楽しい。キビキビとした前奏からクラリネットによるとぼけたようなテーマを中心にした主部(下譜E)。中間部は速度を落として、賑やかなファンファーレのようなテーマ(下譜F)に導かれてゆったりとしたテーマ(下譜G)が悠然と歌われます。中間部から主部に戻る時に、テンポを上げながらトランペットが活躍するところは流石。最後は研ぎ澄まされたリズムによるダイナミクスが強調されて、あれよあれよという間に終わってしまいます。

楽譜E(第2楽章主部テーマ)
第5番第2楽章主部テーマ

楽譜F(第2楽章中間部テーマ1)
第5番第2楽章中間部テーマ1

楽譜G(第2楽章中間部テーマ2)
第5番第2楽章中間部テーマ2

 第3楽章は、彼の書いた緩徐楽章の中でも現代的で天国的な美しさが最もよく表れています。地の底から3連符で湧いてくる短い前奏の後で高音から世にも清らかなテーマが舞い降りてきます(下譜H)。この耽美的な宇宙的な感じは素晴らしい。それにロシア的な荘重な民謡的なテーマ(下譜I)、葬送行進曲的な暗い情熱のテーマ(下譜J)などが挟まっていき・・・それらがあるときには清澄にあるときは情熱的に展開されます。ここはプロコフィエフの歌に酔いしれましょう。最後は最初のテーマが名残惜しそうに展開された後、アルペジョが低音から高音に上昇して静かに終わります。

楽譜H(第3楽章テーマ1)
第5番第3楽章テーマ1

楽譜I(第3楽章テーマ2)
第5番第3楽章テーマ2

楽譜J(第3楽章テーマ3)
第5番第3楽章テーマ3

 第4楽章は、ロンド形式の快活なフィナーレ。第3楽章で内的にこめた情熱を思い切り外に放出するような解放感に溢れています。まず序奏。最初は木管楽器のふわふわとしたモチーフが登場して第1楽章の第1テーマが回想されます。主部に入ると、刻む音が弦楽器からホルンに受け継がれて木管楽器で軽快な第1テーマが高らかに奏されます(下譜K)。それを受ける16分音符の経過テーマは第1楽章のコデッタ動機に酷似しています(下譜L)。一段落すると滑稽なリズムに乗って見た目はのんびちしたような第2テーマが楽器を受け継がれながら提示されます(下譜M)。また第1テーマが戻ってきた後、ロシア的な野性的な第3テーマが低音に現れて豊かな時をつくります(下譜N)。それがやがてリズム的なところだけに収束された後で第1テーマが戻ります。第2テーマ、第1テーマの順に再現された後で充実したコーダに突入します。第1テーマと16分音符のモチーフの急速な交代、やがて第3テーマがそこに低音から割り込んできて交響曲最高のクライマックスに向かいます。高音のトランペットの叫ぶようなフレーズが登場すると全楽器が沸き立って収拾がつかないような部分、そして一度力が弱まって独奏楽器による部分で休憩した後で、急激にクレッシェンドして全楽器で上り坂を駆け上がるように終結音に達します。まさに息つく間もありません。

楽譜K(第4楽章第1テーマ)
第5番第4楽章第1テーマ

楽譜L(第4楽章経過テーマ)
第5番第4楽章経過テーマ

楽譜M(第4楽章第2テーマ)
第5番第4楽章第2テーマ

楽譜N(第4楽章第3テーマ)
第5番第4楽章第3テーマ

 ご紹介のCDは、小澤征爾指揮によるベルリン・フィルによる、端正で引き締まっていながらロマン的な部分を活かした演奏。交響曲第1番「古典」と、「トロイカ」で有名な組曲「キージェ中尉」もカップリングされています。

どんな曲か試聴したい方はどうぞ。プロコフィエフの交響曲第5番から第2楽章です。(Youtubeより)

(他のCDも見てみたいという方は、以下もご覧下さい.)



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