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シューベルト:弦楽五重奏曲

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シューベルト:弦楽五重奏曲≪クラシック・マスターズ≫

 シューベルト作曲の弦楽五重奏曲ハ長調(D.956【作品163】)のご紹介です。
 31歳で早逝した彼の最晩年、死の2ヶ月前に完成されました。そして生前にこの曲が演奏されるのを聴くことはありませんでした。そういう背景を頭においてみると、この曲の味わいもさらに深まるでしょう。

 メロディメーカーとしては作曲家の中でも随一ともいえるシューベルトですが、美しいメロディーは特にソナタ形式の第2主題に現れることが多いです。この曲では、第1楽章の第2主題、第4楽章の第2主題がそれに当たり、特に前者は一度聴いたら忘れられないほど心に残るものになっていると思います。管理人もこのメロディーで虜にされました。

 また、第2楽章は静かで瞑想的であり精神的な高みを感じさせるため聴きどころとなっており、様々なシチュエーションで用いられます。例えば、指揮者カール・ベームの葬儀で演奏されましたし、ピアニストのアルトゥール・ルービンシュタインは葬儀にこの楽章を流すように要望したということです。

 もう一つのポイントとして、この曲は楽器編成に特徴があります。一般的に弦楽五重奏といえば、第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、第1ヴィオラ、第2ヴィオラ、チェロという編成ですが、これは第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、第1チェロ、第2チェロとなっており、低音が増強されどっしりとした響きをつくり出しています。

 曲は4つの楽章から成っています。演奏時間は1時間弱と長いので、時間に余裕の持てる時に心して鑑賞されることをおすすめします。
 第1楽章は、アレグロ・マ・ノン・トロッポのソナタ形式。さほど遅いテンポではないのですが、冒頭の息の長い第1主題はまるで緩徐楽章のように思えるほどです。しばらく運動性があまりないようなやり取りが続いたあと、高音から揺れながら落ちてくるような経過句が登場してから3連符が重なって活気を呈します。やがて地から沸き起こるようなフレーズが2回繰り返されてから属調のト長調の主和音が鳴ります。ここでソナタ形式の常道の通り第2主題がト長調で奏されると思いきや、長いト音から2小節で転調して、なんと変ホ長調で第2主題が現れます(下譜参照)。変ホ長調とハ短調の間を微妙に揺れ動いています。

シューベルト弦楽五重奏曲テーマ

 この流れがいつの間にかト長調にまとまると、再び変ホ長調になり高音で第2主題が繰り返されます。この辺の何とも言えない調性の揺らぎと癒しの感覚。同じ気分のまま少しずつ盛り上がって小結尾部となります。第2主題の2小節目の動機が巧みに使われます。展開部では、特に第2主題の動機を伸ばしたりひっくり返したりされながら徹底的に展開されます。再現部では第1ヴァイオリンが分散和音で上昇する中でチェロによって第1主題が登場します。経過部、第2主題、小結尾部と再現された後でコーダに入ります。第1主題の前半部で緊張した後、第2主題のモチーフで気分を鎮め、強い和弦に続いて弱層の全音符のフェルマータで名残惜しくも楽章を終わります。
 第2楽章は、かなり主調から離れたホ長調(シャープ4つ)でのアダージョの緩徐楽章。自由な三部形式で、主部は瞑想的な広い主旋律を第1ヴァイオリンが鳥の鳴き声のようにやさしく装飾しながら構成されます。中間部はヘ短調(フラット4つ)に突然変わり、3連符も交えた荒々しい悲歌が続きます。主部が戻ってきますが、そこでは中声部でテーマを奏して高音部と低音部で2重に装飾される複雑な色彩を出しています。
 第3楽章は、プレストのスケルツォ。これも三部形式です。ベートーヴェンの交響曲第2番と第7番のそれを思い出す人もいるでしょう。主部は引っ張っては千切って投げ千切っては投げといった激しい律動に満ちています。中間部はテンポを落として寂しげな歌謡風になります。(また遠隔調の)変ニ長調ですがヘ短調のような感じから始まります。遠い調を選んだことで中間部から主部の接続部はちょっと苦労しているようです。そして主部がそのまま戻ってきます。
 第4楽章は、アレグレットの最終楽章。自由なソナタ形式。アレグレットという穏やかなテンポ指定ですが、曲調はアレグロ・コン・ブリオ(快速に活気をもって)といった風です。冒頭から表れる第1主題はハ短調から入って坂道をエッチラホッチラ登っていくような泥臭い感じ。変ホ長調を通ってハ長調に入るとそのままの気分で経過部に入ります。それが結局転調しないままハ長調の主和音で伸ばされると、唐突にト長調で素敵な第2主題が始まります。”如何にも”なシューベルト・ワールド。これらの材料を中心に展開部も構成されます。そこでは第1楽章の第2主題のようなフレーズが現れてきます。再現部を経てコーダはやがてテンポアップして第1主題の動機を中心に盛り上がりますが、この辺のたたみ掛けるリズムは、ブラームスの交響曲第1番(注:この曲の約50年後に作曲されました)のフィナーレのコーダが想起されるところでしょう。最後は、第5音を半音下げた珍しい属七和音から主和音に解決し、全楽器が主音のハ音を鳴らして、この壮大な全曲を閉じます。

 ご紹介のCDは、アルバン・ベルク四重奏団による演奏。この曲の真髄をしっかりかみしめながら聴ける一枚。文句なしにこの曲の名盤です。

どんな曲か試聴したい方はどうぞ。シューベルト作曲の弦楽五重奏曲ハ長調から第1楽章です。(Youtubeより)

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