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シューベルト:弦楽四重奏曲第14番「死と乙女」

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シューベルト:弦楽四重奏曲《死と乙女》、《ロザムンデ》≪クラシック・マスターズ≫

 シューベルト作曲の弦楽四重奏曲第14番二短調「死と乙女」」(D810)のご紹介です。
 31歳で早逝したシューベルトが、健康の衰えを意識してきた晩年(27歳時)の作品で、シューベルトの曲の一般的な印象からはかなり異なる、悲壮感と緊張感に満ちた傑作です。

 ニックネームの「死と乙女」とは、もともとシューベルトの歌曲であり、そのピアノ伴奏部分からテーマを得た変奏曲が第2楽章に置かれていることに由来しています。
 ちなみに歌の内容は、死の床に伏す乙女と死神との対話であり、死を拒否する乙女に対して、死とは”永遠の安息”であると死神が語るものです。
 この弦楽四重奏曲に、死が近いシューベルトが何かを予感して題材にしたのではないでしょうか。

 楽曲の特徴は、まず全楽章が短調であること。全体は、一部の長調の部分でさえも悲しみに覆い尽くされています。そしてベートーヴェンを思わせるような動機の徹底した活用が見出されることです。特に第1楽章と第4楽章は緊密な構成になっています。
 ”楽しく歌うシューベルト”という印象はこの曲で全く払拭されることでしょう。”戦い傷つき泣き叫ぶシューベルト”がここにいます。

 曲は4つの楽章から成っています。

 第1楽章は、二短調のソナタ形式。いきなり断定的な第1テーマで始まります(下譜A)。ここでの3連符は重要なモチーフになります。対位法的に展開されると第1テーマがもう一度強奏で悲劇的に繰り返されます。やがて少し感情が収まったようなヘ長調のフレーズが出て一度音が止まり雰囲気が変わって第2テーマが紡ぎ出されます(下譜B)。ここの付点音符も大事なモチーフです。このテーマは提示部だけで相当長く広げられます。その分展開部は若干短めです。先の3連符と付点音符のモチーフはある時は独立にある時は組み合わされて縦横無尽に展開されて第1テーマが再現してきます。再現部を過ぎて少し勢いが収まり、やがて今一度冒頭での対位法的な展開で最後の盛り上がりを見せた後、力を失い弱音で3連符の動機を用いながら曲は終わります。

楽譜A(第1楽章第1テーマ)
死と乙女第1楽章第1テーマ

楽譜B(第1楽章第2テーマ)
死と乙女第1楽章第2テーマ

 第2楽章は、ト短調で「死の乙女」のテーマによる変奏曲形式。テーマは暗く哀しく重々しくまるで葬列のようです(下譜C)。これが5回変奏されて行きますが、リズムに活気が出ても長調になっても結局は楽章冒頭の重苦しさを払拭はできないようです。この楽章を書きながら、シューベルトは早くも人生を振り返っていたのかもしれません。コーダは3連符の律動を含みながら静かにト長調で終わります。長和音であるのにここには諦念さえ感じられます。

楽譜C(第2楽章テーマ)
死と乙女第2楽章テーマ

 第3楽章は、二短調の急速なスケルツォ。飛び跳ねるようなテーマ(下譜D)による活力のある主部に対し、ニ長調のレントラー風な中間部が対照的ではありますが、それは陰と陽という対比ではなくて、暗闇と薄暮くらいの違いにしか思えません。

楽譜D(第3楽章テーマ)
死と乙女第3楽章テーマ

 第4楽章は、二短調でソナタ・ロンド形式でのフィナーレです。8分の6拍子でユニゾンで何かに追い立てられるようなせわしい第1テーマで始まります(下譜E)。無窮動的にタランテラ的に広がって行き一旦半終止すると、居住まいを正して息の長いコラール風な第2テーマがやおら現れます(下譜F)。それがやがて第1楽章の3連符のモチーフを思い出すような流れに飲み込まれていきます。そしてここから第1テーマが戻り第2テーマと再現されて、三たび第1テーマが現れます。いつ果てるかも知れぬリズムの奔流。そして属和音でその流れを断ち切ると速度を上げてコーダになります。ニ長調で始まり、最後くらいは明るく終わるのかと思いきや、結局は主調の二短調になって激しい和音で曲を締めくくります。

楽譜E(第4楽章第1テーマ)
死と乙女第4楽章第1テーマ

楽譜F(第4楽章第2テーマ)
死と乙女第4楽章第2テーマ

 ご紹介のCDは、アルバン・ベルク四重奏団による、この曲の緊張感がありのままに表現されている演奏です。これもまた名曲である弦楽四重奏曲第13番「ロザムンデ」との絶妙なカップリング。

どんな曲か試聴したい方はどうぞ。シューベルト作曲の弦楽四重奏第14番「死と乙女」から第1楽章です。(Youtubeより)

(他のCDも見てみたいという方は、以下もご覧下さい.)



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