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ベートーヴェン:交響曲第7番イ長調Op.92 [Import]

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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲「大フーガ」

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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第13番/大フーガ

 ベートーヴェン作曲の弦楽四重奏曲「大フーガ ( 独語:Große Fuge、英語:Great fugue )」作品133のご紹介です。
 ベートーヴェンの圧倒的なもの凄さがわかる曲であり、響きやリズムの緊張感は現代音楽にも通じるものがあります。あの『春の祭典』で有名なストラヴィンスキーでさえも「絶対的に現代的な楽曲。永久に現代的な楽曲」と称賛したほど。しかも驚くべきことに、作曲当時56歳だったベートーヴェンの聴力はすでに完全に失われていたのです…。

 この曲の価値が認められたのは20世紀初めになってからでした。
 もともと、弦楽四重奏曲第13番の終楽章として作曲されたのですが、曲の内容や性質があまりにも他の楽章とかけ離れていることがあってか、初演の時にもウケが悪く、結局は別のフィナーレを作曲せざるをえなかったということです。
 それだけこの「大フーガ」が当時としてはぶっ飛んだ作品であり、演奏者も聴衆も理解するには時間がかかったのでしょう。

「大フーガ」と名乗る以上は、フーガ形式が骨格ではあるのですが、ここに変奏曲形式などの他の形式も巧妙に組み込まれている構成になっています。最初に提示されるモチーフがどれだけ多様に展開されていくかを聴きとっていくのもこの曲を鑑賞する楽しみです。

 曲はまず大きく3つの部分、序奏部、フーガ部、後奏(コーダ)部に分けられ、全て連続して演奏されます。
 この中でフーガ部はさらに急・緩(緩徐楽章的)・急(スケルツォ的)の3つに分けられるので、全部で5つの部分として考えるといいようです。

 第1部(序奏部)。序奏であり、かつ基本モチーフの提示部です。ト音を2回強く伸ばした後で、楽章の個性的な基本モチーフがリズムやテンポを変えながら数回提示されます(下譜A〜C)。これらは全体の音高はともかく音の相対関係は同じ音型(今後赤色音符で示していきます)を縮めたり対旋律を重ねたりしていることがわかるでしょう。いわばこれから始まる全ての音楽の予告編です。モチーフ3(下譜C)でマゼンタ色の対旋律は第3部でメインに使われます。

楽譜A(第1部モチーフ1)
大フーガ第1部モチーフ1

楽譜B(第1部モチーフ2)
大フーガ第1部モチーフ2

楽譜C(第1部モチーフ3)
大フーガ第1部モチーフ3

 第2部(フーガ部(急))。フーガとして最も力が入っている部分です。テンポがアレグロになり、静かに引きずるようなフーガ主題(第1主題)が第1ヴァイオリンにより奏されます(下譜D)。そして第1ヴァイオリンの強い跳躍で始まる付点音符の第2フーガ主題と先の第1フーガ主題とによる激しい二重フーガが始まります(下譜E。第2フーガ主題は青色で示します)。凄まじいほどのテンション。音のぶつかり合い、そしてリズムのぶつかり合い。付点リズムにさらに3連符が加わり(下譜F)、さらにリズムは細かくなり(下譜G)、フーガ主題のリズムが前後にずれたりして、ますます複雑なフーガとなります。やがて主題が圧縮され(下譜H)、ストレッタでさらに切迫感が増していくとブツリと流れが断ち切られて、フェルマータから次の部分につながります。

楽譜D(第2部フーガ主題)
大フーガ第2部フーガ主題

楽譜E(第2部フーガ開始部)
大フーガ第2部フーガ開始部

楽譜F(第2部から1)
大フーガ第2部から1

楽譜G(第2部から2)
大フーガ第2部から2

楽譜H(第2部から3)
大フーガ第2部から3

 第3部(フーガ部(緩徐楽章的))。テンポが緩んで緩徐楽章的になります。楽譜Cの対旋律のモチーフによる弱く柔らかな流れで音が各楽器で紡がれていく始めの間は平和な感じですが、やがて第1フーガ主題の音の動きが低音部から内声部へと侵入し始め(下譜I)、次第に全楽器にモチーフが移っていきます。最初はおとなしかったリズムがついに大きなうねりになって、高音から低音にゆらゆらと沈んでいくと次の部分へ行きます。

楽譜I(第3部から)
大フーガ第3部から

 第4部(フーガ部(スケルツォ的))。8分の6拍子になって軽快なスケルツォ的な雰囲気になります。この部だけでほぼ3部形式を形成しています。スケルツォは楽譜Bのモチーフを元にしたテーマで開始します(下譜J)。やがてその拡大された主題でのフーガに入っていきます(下譜K)。トリルにより高揚されてまた緊張感がいや増してくると、速度を緩めてトリオに入ります。ここは速度が緩んで第3部が戻ってきた感じを与えます。ここでも基本モチーフは最高声部に現れて内声部で対旋律が絡まっています(下譜L)。やがてスケルツォ部に戻って拡大フーガ的な展開が先程よりかなり形を変えて続けられると、伸びた音型でのゆったりとした流れから、揺れながら弾むような音型で強くなったあと弱くなって消え入りそうになりますが、そこで突然第2部の冒頭と第3部のテーマがほんのちょっとずつだけ回想され、いよいよこれから全体のまとめに入ることが示唆されます。

楽譜J(第4部冒頭テーマ)
大フーガ第4部冒頭テーマ

楽譜K(第4部拡大フーガから)
大フーガ第4部拡大フーガから

楽譜L(第4部トリオから)
大フーガ第4部トリオから

 第5部(後奏(コーダ)部)。まず大またな動きの基本モチーフに先導されて(下譜M)、フーガ主題が今一度執拗なまでに展開され、チェロと第2ヴァイオリンによる第1フーガ主題と、第1ヴァイオリンによる第2フーガ主題がヴィオラの刻むリズムに乗ってやや晴れやかに組み合わされる華やかな部分を経て(下譜N)、最後は変ロ長調の飛び跳ねるような動きからの明るい和音で鮮やかにこの見事な曲を閉じます。

楽譜M(第5部冒頭)
大フーガ第5部冒頭

楽譜N(第5部から)
大フーガ第5部から

 ご紹介のCDは、スメタナ四重奏団の全盛時代の名演奏と言われているアルバム。アンサンブルが素晴らしい。もともと一緒の作品だった第13番とともに収録されています。

どんな曲か試聴したい方はどうぞ。ベートーヴェン作曲の弦楽四重奏曲「大フーガ」です。(Youtubeより)

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