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シベリウス:交響曲第5番

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シベリウス:交響曲第5番 第7番

 フィンランドの作曲家、シベリウスが作曲した交響曲第5番 変ホ長調のご紹介です。

 彼の交響曲の中でも一番北欧の自然が色濃く反映された曲であり、第4番の高密度で禁欲的な雰囲気からは解き放たれて自由に広がりをもって歌っているようです。作曲時期が第一次世界大戦と重なっているのですが、そういう人間同士の醜い争いがあるからこそ、自然の雄大な有り様に目を向けて音楽化したかったのでしょう。
 第2番が好きな人には迷わず聴いて頂きたい曲です。

 作曲のきっかけは、彼自身の生誕50周年の祝賀記念演奏会のために自ら作曲したもので、初演はまさに彼の50歳の誕生日である1915年12月8日でした。その後いろいろ改訂をして最終稿は1919年に完成しています。
 この曲でシベリウスは形式的に大胆な試みをしています。特に第1楽章は、テーマというよりも、個々のモチーフの自由で多様な発展により組み上げてゆく手法をとっており、ソナタ形式などの従来の形式とはかなり異なっています。最初のゆっくりとしたテンポから次第に速くなって最後は急速に駆け抜けて終わるため、まるでこの楽章だけで一曲の交響曲として完成されているような印象を与えます。このあたりは、後の第7番を予言しているかのごとくです。

 全体は3つの楽章から成っていますが、この中で第1楽章がおよそ半分の演奏時間を占めています。
 第1楽章。上述したような自由な形式です。冒頭で長い和音の中から浮かび上がるのがこの楽章を支配するテーマ1です(下譜A)。ここでの、「B♭→E♭→F→B♭」の基本音型が幾度となく形を変えながら現れて統一感をつくります。テーマ1を受けるモチーフ自体最初の音型はまさに基本音型の変形です(下譜B)。暫くこうしてテーマ1の確保が続いていくと、突然別の調性から乱入してきたようなテーマ2が現れてきます(下譜C)。このテーマの唐突感を和らげるように、ブランコのように揺れるモチーフが受けます(下譜D)。それがく返されてきますが、違和感のようなものは広がってきます。そこで強引に引きずるようなテーマ3が奏されて自然とは相反する人間を表しているようです。しかしここでテーマ1の基本音型が次第に戻ってきて気分が和らぎながらもワクワクしてきます。テンポを上げて3拍子となり新しいテーマ4が登場します(下譜E)。ここからは楽章の後半部。展開発展する中でトランペットのテーマ5が目立ちます(下譜F)。さあここからはテーマ1の基本音型も取り入れながら速度感を上げて盛り上げてゆきます。最後はテンポをプレストまで上げて一気に駆け抜けて行きます。

楽譜A(第1楽章冒頭テーマ1)
第5番第1楽章冒頭テーマ1

楽譜B(第1楽章テーマ1を受けるモチーフ)
第5番第1楽章テーマ1を受けるモチーフ

楽譜C(第1楽章テーマ2)
第5番第1楽章テーマ2

楽譜D(第1楽章テーマ2を受けるモチーフ)
第5番第1楽章テーマ2を受けるモチーフ

楽譜D(第1楽章テーマ3)
第5番第1楽章テーマ3

楽譜E(第1楽章テーマ4)
第5番第1楽章テーマ4

楽譜F(第1楽章テーマ5)
第5番第1楽章テーマ5

 第2楽章は、これもまた自由な、変奏曲形式。テーマは上昇型の前半(下譜G)と下降型の後半(下譜H)から成ります。変奏はあまり境目が明確でなく淡々と進んでいきますが、途中から8分音符を主としたリズムの変奏(下譜I)から動きが速くなってきます。途中テンポを下げて叙情的に変奏するところなどもあってメランコリックな一面も見せています。最後は気が付かないくらいスッと終わってしまいます。

楽譜G(第2楽章テーマ前半)
第5番第2楽章テーマ前半

楽譜H(第2楽章テーマ後半)
第5番第2楽章テーマ後半

楽譜I(第2楽章テーマ変奏の一部)
第5番第2楽章テーマ変奏の一部

 第3楽章は、2つの主要主題から成っている、あくまで擬似的な展開部の無いソナタ形式とでもいいましょうか。冒頭で弦楽のトレモロからゆらゆらとした動きが低音部のヴィオラに表れますが、これが第1テーマです(下譜J)。メロディ性を一切捨て去った、世界が創造される前の混沌といったような雰囲気。これが次第に全楽器に受け継がれていくと、突然ホルンの三拍子的で振り子のようなフレーズが出てきて、その上を木管楽器がゆったりと歌うところに入ります(下譜K)。ここが第2テーマ部。ここでの何とも開放的で雄大な感じは忘れられない程感激的です。これが収まるとまた第1テーマ部が再現されてきます。第2テーマの再現は先のホルンで奏した振り子運動が弦楽で置き換えられて少々ショボくなっています。しかしガッカリすることなかれ。テンポを落として第2テーマが壮大に流れ出すところからのコーダでは、ホルンの振り子運動がどんどん重用され高揚していきます。そしてついに自然の勝利を謳い上げるような感動的なクライマックスに達します。そして最後は6つの全楽器による打音で潔く全曲を完結します。

楽譜J(第3楽章第1テーマ)
第5番第3楽章第1テーマ

楽譜K(第3楽章第2テーマ)
第5番第3楽章第2テーマ

 ご紹介のCDは、ジョン・バルビローリ指揮ハレ管弦楽団による演奏。情緒に溺れること無く明晰で流れの良い音楽をつくっています。シベリウス最後の交響曲である第7番とのカップリングです。

どんな曲か試聴したい方はどうぞ。交響曲第5番です。(Youtubeより)

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