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ベルリオーズ:幻想交響曲

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ベルリオーズ:幻想交響曲(クラシック・マスターズ)

 ベルリオーズの幻想交響曲のご紹介です。
 自己の失恋体験を元に、その幻想や妄想を音楽化した曲。ハリエット・スミスソンという女優に恋してフラれた後に、彼女への愛憎交えた想いが散りばめられている「私小説」ならぬ「私音楽」ともいうべき交響曲です。結局、この曲の初演から3年後にベルリオーズとスミスソンは結婚するのですが幸せではなかったようです。

 この曲には音楽構成的に面白い仕組みがあって、スミスソンのテーマともいえる”固定楽想”が各楽章に登場して全曲の統一性を図られており、各場面での彼女の姿が変奏されながら表現されていきます。さらにベルリオーズの卓越したオーケストレーションによってダイナミクスもありドラマチックな展開は聴く者を飽きさせません。彼の出世作となったのも当然でしょう。

 曲は、5つの楽章から成っています。
 第1楽章「夢、情熱」。彼女に出会ってからの狂おしい恋の寄せては返す感情。ハ短調の悲歌のようなフレーズで始まるゆっくりとした序奏から次第に盛り上がり、跳び跳ねるように快速な主部に入ると、例の固定楽想が第1テーマとして奏されます(下譜A)。ソナタ形式らしく属調に転調して第2テーマは人を驚かすようなインパクトで登場します。いかにも煽情的な興奮のある展開部を経て再現部を過ぎると、固定楽想がゆったりと奏されて。不気味なくらいに穏やかな和音で曲を終わります。

楽譜A(固定楽想の一形態 … 第1楽章の第1テーマ)
幻想交響曲の固定楽想

 第2楽章「舞踏会」。舞踏会の華やかなざわめきの中で、再び愛する人に巡り会う場面。ハープ2台が入った綺羅びやかなワルツです。低音から唸るような序奏からハープの下降音を合図にワルツの主題が奏されます(下譜B)。後は優美な舞踏会の情景。やがて固定楽想がワルツのリズムにのって登場しますが、すぐ周りの喧騒に紛れてしまい、クライマックスをつくって終わります。

楽譜B(第2楽章テーマ)
幻想交響曲第2楽章テーマ

 第3楽章「野の風景」。田園地帯で牧童が吹き交わす牧歌の中で彼女への不安な思いと孤独を表現する緩徐楽章。冒頭のコールアングレとオーボエの応答から寂寥感があります(下譜C)。テーマに入るといかにものんびりとした感じになりますが(下譜D)、時々胸が昂ぶるような付点リズムが心をかき乱します。終わりに近づくと固定楽想が伸びやかな感じに登場しますが、すぐに遠雷を表すようなティンパニの響きで孤独がいや増します。そのまま落ち込んだままで曲を閉じます。

楽譜C(第3楽章冒頭)
幻想交響曲第3楽章冒頭

楽譜D(第3楽章テーマ)
幻想交響曲第3楽章テーマ

 第4楽章「断頭台への行進」。ここから幻想は異常な方向へ向かいます。恋人が死刑を宣告されて断頭台に向かいついにはギロチンされる場面。ティンパニの3連符のリズムと金管楽器の重々しいフレーズから始まりそれが急激に強くなると、断定的なテーマが低弦によって奏されます(下譜E)。一切の妥協を許さない感じ。嘲笑するように絡み合うファゴットも気味が悪い。そして妙に空々しく喜ばしいファンファーレ風のテーマ(下譜F)が挟まったりして曲が展開していき、最後は固定楽想が何かを訴えるように演奏されかかると弦のピチカートが遮り(ギロチンの場面)、妙に明るい長和音の響きで曲を閉じます。

楽譜E(第4楽章テーマ1)
幻想交響曲第4楽章テーマ1

楽譜F(第4楽章テーマ2)
幻想交響曲第4楽章テーマ2

 第5楽章「魔女の夜宴の夢(ワルプルギスの夜の夢 とも)」。幻想や妄想と(おそらくは)麻薬の作用により彼が見た悪夢の中で恋人が卑しい女になって魔女の夜宴に興じていくという最終章。減七和音による不安定な響きで始まり低弦から湧き上がるモチーフが繰り返されると固定楽想が軽薄な感じで現れます。それが狂乱でかき消されるとさらに軽薄な響きで固定楽想が登場して徹底的に彼女を冒涜します。そして鳴り響く鐘の響きに導かれて、グレゴリオ聖歌『怒りの日』のテーマ(下譜G)が登場しこれも変奏しながらどんどん軽薄化されて宗教的に「けしからん」感じになっていきます。それが盛り上がっていったところで、「魔女のロンド」の部分に入りフガート的な展開になってゆきます(下譜H)。あとはサバトの情景が広げられていき、”魔女のロンドのテーマ”と”怒りの日”が同時に演奏される圧倒的なクライマックスに達します(下譜I)。終結部近くでは弓の木部で弦を叩くコル・レーニョ奏法が用いられてスカスカで乾いた響きまで取り入れながら進行し、最後はこの交響曲の狂乱的な面があからさまに表現された興奮の中で妙に肯定的なハ長調の和音を高らかに鳴らして全曲を終了します。

楽譜G(第5楽章怒りの日)
幻想交響曲第5楽章怒りの日

楽譜H(第5楽章魔女のロンド)
幻想交響曲第5楽章魔女のロンド

楽譜I(第5楽章怒りの日と魔女のロンド)
幻想交響曲第5楽章怒りの日と魔女のロンド

 ご紹介のCDは、シャルル・ミュンシュ指揮パリ管弦楽団の演奏。本作の”狂気性”も”叙情性”も組み込まれた熱演です。管理人の愛蔵盤でもあります。

どんな曲か試聴したい方はどうぞ。ベルリオーズ:幻想交響曲から第4楽章です。(Youtubeより)

(他のCDも見てみたいという方は、以下もご覧下さい.)



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