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ベートーヴェン:交響曲第7番イ長調Op.92 [Import]

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ベートーヴェン:ヴァイオリンソナタ第9番「クロイツェル」

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ベートーヴェン:ヴァイオリンソナタ(春)(クロイツェル)

 ベートーヴェン作曲のヴァイオリンソナタ第9番「クロイツェル」のご紹介です。
 作曲当時にヴァイオリニストのルドルフ・クロイツェルに献呈されたので「クロイツェル・ソナタ」と呼ばれていますが、クロイツェル自身はこの曲を演奏することはなかったのだとか。それでもこの曲と一緒に彼の名前も残ってきたわけですから面白いエピソードではあります。

 作曲されたのは1803年で、ちょうど交響曲第3番「英雄」が作曲された頃。まさにベートーヴェンの最も充実した時期です。ベートーヴェン自身がつけたタイトルは『ほぼ協奏曲のように、相競って演奏されるヴァイオリン助奏つきのピアノ・ソナタ』で、モーツァルトまではヴァイオリンはピアノを補助する程度の役割であったものを、2つの楽器が対等に渡りあう曲にした革命的作品でした。

 3楽章構成ながら演奏時間は30分を越え、ヴァイオリンソナタとしては長大な曲ですが、それを長く退屈に感じさせない音楽的な密度をもっており、覚えやすいフレーズも多いので、一度聴けば魅力のとりこになるはずです。ヴァイオリンの通常使わない音域も使われるので演奏者の技巧の聴かせどころも沢山。ベートーヴェンの他の室内楽もさらに聴いていこうという入口になってくれるでしょう。

 先に述べたように、3つの楽章から成っています。

 第1楽章は、ゆっくりとした序奏と急速な主部によるソナタ形式。序奏はイ長調で、下降するヴァイオリンのフレーズから始まります。それをピアノが受け、次第に気分を高めていき、ヴァイオリンが「EF-EF(ミファ-ミファ)」という上昇モチーフを繰り返しながら主部に繋がります。速度がプレストになったイ短調の主部では、先の「EF(ミファ)」の呼びかけから低音からの刻む音で盛り上がっていく第1テーマが提示され(下譜A)、ヴァイオリンとピアノとの激しいやりとりを経てホ長調に転調し、全音符でゆったりとした第2テーマに到達します(下譜B)。それがト長調の属七和音で一段落すると、再びせかせかとした経過部でト長調からホ短調になって、第2テーマよりもハッキリとした存在感のあるコデッタ(提示部の結尾)テーマが付点音符でゆらゆらと駆け上がっていきながら提示されますが(下譜C)、ここは聴きどころです。ピアノでのリピート時にはヴィオリンのピチカートが効果的に使われて主旋律を引き立てます。展開部はコデッタテーマの展開から始まり、さらなるバイオリンとピアノのぶつかり合いが続きます。再現部は、ニ短調での偽再現を経て主調での第1テーマの再現に入ります。コーダでは勢いが途中で弱まり穏やかな気分になりますが、最後はまたアグレッシブな動きが戻ってこの華麗な楽章を閉じます。

楽譜A(第1楽章第1テーマ)
クロイツェル第1楽章第1テーマ

楽譜B(第1楽章第2テーマ)
クロイツェル第1楽章第2テーマ

楽譜C(第1楽章コデッタテーマ)
クロイツェル第1楽章コデッタテーマ

 第2楽章は、変奏曲形式の緩徐楽章です。内容的にはこの楽曲の精神的な柱になっていると言ってもよく、息の長い主題がヴァイオリンとピアノと交代しながら提示されるとそれをもとにした変奏が始まります。次第に動きが細かくなり、ヴァイオリンが高音でさえずり、時には短調で内省的になる・・・ここはただただベートーヴェンの音楽に浸りきってしまいましょう。多少の波風を立てながらも最後は穏やかにピアニッシモで消えてゆきます。

 第3楽章は、イタリア由来の急速な舞曲タランテラのリズムを持った華々しい終曲です。主調はイ長調。ピアノでのイ長調主和音の強打で開始を告げ、そこからヴァイオリンがタランテラ的な第1テーマを開始します(下譜D)。ピアノとタイミングの難しいやり取りが続きます。その運動性が維持されながら属調のホ長調になると、期待させる導入を経て上昇的な第2テーマが楽しげに登場します(下譜E)。これがすぐに一音低いニ長調で繰り返されるのが面白いところ。コデッタではちょっと緩やかに感じられるようなフレーズを挟んで単調さを回避するというベートーヴェンの絶妙なバランス感覚がかいま見えます。基本的にタランテラの気分を保って楽曲は進行し、コーダでは本当に速度を緩めた部分を挟みながら最終音へのクライマックスを演出します。

楽譜D(第3楽章第1テーマ)
クロイツェル第3楽章第1テーマ

楽譜E(第3楽章第2テーマ)
クロイツェル第3楽章第2テーマ

 ご紹介のCDは、ヴェンゲーロフのヴァイオリンによる端正ながらも力強さを感じさせる演奏。ヴァイオリンソナタ第5番「春」とのカップリングです。

どんな曲か試聴したい方はどうぞ。ヴァイオリンソナタ第9番「クロイツェル」から第3楽章です。(Youtubeより)

(他のCDも見てみたいという方は、以下もご覧下さい.)



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