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山頭火

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寒い雲がいそぐ


関東で「木枯らし1号」が吹き荒れる頃になれば、季節は秋から冬へと急速に変転していきます。朝晩の冷え込みも厳しくなっています。

旅から旅へ流転していく山頭火にとっても、冬の旅は殊の外つらいものであったに違いありません。
 部屋の中で囲炉裏に手をかざして家族と暖かい料理をいただく、そんな家庭的な当たり前の生活から自ら決別した山頭火には、もはや安住の地はないのです。
 通りすがりの木賃宿でのわずかな温もりと一浴一杯だけを唯一の楽しみにしながら、『やりたくない』行乞を続けている山頭火。『おことわり』という言葉も、寒いときにはとりわけ胸に突き刺さります。

そんな時に空を見れば、寒空の中に雲が引きちぎられながら吹き飛ばされていくのがみえます。まるで冬将軍の来る季節まで一気に行こうとしているかのような勢いで。

そう、季節は、時は、どんどん流れていきます。それに追いつけないで取り残されていく自分。修行とは名ばかりの自堕落な生活しか出来ない自分。
 流れ行く森羅万象の中で、時間が止まったように取り残されている山頭火は、気がつけばいつも『独り』なのでした。


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