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山頭火

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安か安か寒か寒か雪雪


日毎に寒さがいや増す頃。目覚めて窓の外を見れば霜の降りた地面が広がっています。全てのものが「真っ白」に清められる季節、それが冬です。
 今回の句は、雪の降る中、山頭火が町中で行乞しているときに得たものです。

「安か安か」は寒い中で白い息を吐きながら商いをしている売り子の声、「寒か寒か」はその中を縫うように寒さに身を縮めながら家路を急ぐ人々どうしが話す声、そしてそれらを覆い尽くしている「雪また雪」。

不思議に音楽的なリフレインに満ちたこの句をつぶやくとき、そのリズミカルで賑やかな律動の中でやはり「ひとりぼっち」の山頭火が浮かんでくるのです。

家族のために買い物をする人たち、暖かいぬくもりに帰っていける人たち、その中で「帰るところのない」山頭火は行乞します。
 降り積もる雪は旅人にとってはなんの感傷も与えません。ただ寒いばかり... 
 しかし盛り場を抜けたときに感じる静寂がこわいから、敢えて旅人はそんな街角をさまよい続けるのです。


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